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日銀「ポスト黒田」雨宮氏濃厚…「あとは本人次第」最終選考過程でも最有力。現実路線回帰へ”副総裁にプリンストン大教授の名”

 2022年は1ドル=151円台をつけるなど、32年ぶりの円安水準を記録した。が、その後日銀が長期金利の変動許容幅を「±0.25%」から「±0.50%」に変更すると、今度は一転、円高基調に市場が激変した。日銀の政策に日々翻弄される日本だが、黒田東彦総裁の任期が23年4月で満了する。次の総裁が誰になるのか……。ジャーナリストの佐藤健太氏は「雨宮氏濃厚」と語る。また副総裁には実現すれば初となる女性のほか、ノーベル経済学賞候補の米プリンストン大教授の名前が挙がっているというーー。

雨宮正佳副総裁が最有力候補に…2月半ばに国会提示し、同意求める

 4月8日に任期満了を迎える日銀の黒田東彦総裁の後任人事をめぐり、副総裁を務める雨宮正佳氏の起用が最有力との見方が広がっている。これまで「ポスト黒田」には中曽宏前副総裁や浅川雅嗣アジア開発銀行(ADB)総裁らの名が取り沙汰されてきたが、最終選考過程でも「サプライズ」は見られず、雨宮氏の昇格プランが勢いを増している模様だ。政府は3月19日に雨宮氏と若田部昌澄副総裁の任期が満了となるため、2月半ばにも黒田氏の後任人事案と副総裁候補案を併せて国会に提示する見通しだが「雨宮総裁案」が本命視される背景には何があるのか。

 雨宮氏か、中曽氏か、それとも第3の人物になるのか――。10年ぶりに日銀トップが交代する市場注目の「ポスト黒田」選びは、雨宮氏が一歩飛び抜けているとされている。雨宮氏は早くから「将来の総裁候補」と言われてきた日銀生え抜き組で、金融政策の企画・立案を担う企画畑が長い。第18代総裁の一万田尚登氏は1946年6月から8年6カ月にわたって「通貨の番人」を務めたが、黒田氏は2013年春から10年近くと最長を記録。アベノミクスの柱となる大規模金融緩和政策を採り、雨宮氏は量的・質的金融緩和(QQE)や長短金利操作(イールドカーブコントロール、YCC)政策の導入などを企画局担当理事として支えてきた。2018年からは副総裁となり、黒田総裁の「右腕」として金融政策を取り仕切ってきた日銀のエースだ。

 米欧を中心にインフレ抑制のための利上げが実施されてきた中で、難しい舵取りが迫られる日銀のトップに就くことは「火中の栗」を拾うようなものとの指摘は根強い。ただ、金融政策の豊富な知識と経験に加えて国際人脈も併せ持つ雨宮氏であれば「今までの流れを熟知しているため、政策を方向転換する術も持っている」(閣僚経験者)と評価されている。

決め手はアベノミクスとの “無難な距離感”

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この記事の著者
佐藤健太

ライフプランのFP相談サービス『マネーセージ』(https://moneysage.jp)執行役員(CMO)。心理カウンセラー・デジタル×教育アナリスト。社会問題から政治・経済まで幅広いテーマでソーシャルリスニングも用いた分析を行い、各種コンサルティングも担う。様々なメディアでコラムニストとしても活躍している

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