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岸田首相ではどうにもならない。原発再稼働を阻む「バカの壁」…規制委、解体的出直しの必要性(特集:電力ひっ迫「電力会社編」)

 岸田文雄総理の原発再稼働宣言は、逆に言えば「これ以上は頑張っても動かさない」という意味である……。みんかぶプレミアム特集「電力ひっ迫」(全9回)の第5回は日本経済がどうなるかをジャーナリストの小倉健一さんが「原子力規制委が無理難題を押し付け続ける電力会社各社の現状」をレポートする。「千年に一度の対策をしろというのは、『隕石が落ちてきたらどうするか』ぐらいの対策をしろということで、あまりに理不尽」。規制委の好き勝手をこのまま放置し続けると、日本経済、そして国民生活はどうなってしまうのか――。

目次

司法、マスメディアを中心とした原発アレルギー

 ロシアのウクライナ侵攻によって、エネルギーの安定供給が危ぶまれる中、世界中で原発の必要性が再確認されているが、中でも資源を持たない日本では原発の再稼働が急務だ。電力不足となれば産業界にとどまらず、国民生活にとっても大きな痛手となる。これから到来するとされるDXを中心とする未来において、電力需要が激増することは確実で、原発なしの成長戦略など描けるはずがない。

 それにもかかわらず、原発の再稼働には、「バカの壁」が立ちはだかっている。その背景には、司法、マスメディアを中心とした原発アレルギーもある。

 その「バカの壁」とは、原子力規制委員会のことだ。法的には「原子力利用のための組織」なのだが、「原子力利用を阻止する組織」になっている実態がある。詳述していこう。

 東京電力福島第一原発事故をめぐる株主代表訴訟で、東京地裁は勝俣恒久元会長ら当時の経営陣に対し、事故によって東電が被った損害約13兆円を支払うよう命じた。被災者への賠償金、廃炉除染費用を積み上げた金額であり、原発が抱える巨大なリスクを示すことになったという報道があるのだが、どう考えても不当な判決であろう。

 2011年に起きた東日本大震災の災害規模は、貞観地震(869年)が起きて以来ということから、発災当時、「千年に1度の災害」と各メディアで報道されていた。東電は事故翌年に調査報告書において「津波想定には結果的に甘さがあった」としていて結果責任については認めている。実際に起きた事故についての結果責任は生じるであろう。

「隕石落ちて来たらどうするのか」ぐらいの対策を求める規制委

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