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「日本の薬が危ない!」中国ビジネスに異変続出…前代未聞事態に日本の中小企業が困惑

いまだ「ゼロコロナ」にこだわる狂気の国、中国

ようやくロックダウン(都市封鎖)が解除されたと思いきや、また外出禁止令が出る――。上海では3月末から6月にかけて、実に2カ月を超えるロックダウンが実施された。しかも6月1日に一度解除されたにもかかわらず、9日に再び一部の区を封鎖するという混乱ぶりを見せた。

世界がコロナ対策を緩和しつつある中で、逆行するかのような中国のゼロコロナ政策。大半の住民が外出自体を禁じられたことに、フラストレーションを募らせている。

「外出させろ」と、防護服に身を包んだ監視員に詰め寄る住人や、封鎖を命じ去られた地区を隔てる柵の前で暴れる人々、腹立ちまぎれに配給の卵を叩き割る老人の姿などがSNSを通じて中国国外に拡散。実に人口2500万人を抱える上海の、苛烈なロックダウンの実態が知られるところとなった。

上海は世界的にも大きな金融都市である。さらに各国の企業が本社や支社、工場などを進出させている。そんな大都市のロックダウンは当然、世界経済にも影響を与える。

例えば米電気自動車大手のテスラはロックダウン開始後、上海工場での生産を中断。3月28日から4月17日まで操業を停止。4月19日に生産を再開したものの、4月中の中国での出荷台数はわずか1512台にとどまったという(中国乗用車協会、5月11日発表)。 

同工場の電気自動車の生産台数は実に前月比98%減という衝撃的な数字だが、テスラ上海工場は5月に入ってまた一時操業停止の憂き目に見舞われた。理由は部品の供給不足、つまりサプライチェーンがロックダウンにより寸断されたことによるものだ。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/70091

日本も他人ごとではない。国民生活と直結することもあり、家電系の「品薄状態」に注目が集まっているが、中でもエアコンは深刻だ。上海のロックダウンに加え、コロナ禍当初からの世界的半導体不足が相まって「今までにない品薄」とアナウンスされる事態になっている。

今年の日本はすでに30度近い真夏日を何日も迎えていることもあって、「エアコン不足」は家電メーカーや小売業者だけでなく、日本の一般家庭においてもまさに死活問題になりかねない。やむなく中古家電を購入する人も増えているというが、コロナ禍前の状況に戻るまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。

中国ロックダウンの影響で医薬品の供給すら危ない

帝国データバンクが「中国のロックダウンの影響」について1600を超える企業に対して行ったアンケート(2022年5月13日~16日実施)によれば、ロックダウンにより「マイナスの影響がある」と答えた企業は、実に48・4%に上った(「既にマイナスの影響がある」35・5%と「今後マイナスの影響が出る見込み」12・9%の合計)。

特に影響があると答えた卸売業、製造業、小売業、倉庫・運送業などでは、「すでにマイナスの影響がある」と答えた割合がそれぞれ4割前後。加えて、次のような「業界からの声」も紹介している。

〈中国から部品が入らなくなったことで、国内メーカーが製品を完成できなくなっており、他の部品もキャンセルしている(金属プレス製品製造、兵庫)〉

〈国際物流を生業としているが、特に上海は輸出・輸入ともに重要な港であるため、影響は避けられない。貨物の滞留がここまで長引くとは想像しておらず、上海港より南通市へのシフトも考えているほど影響が大きい(港湾運送、大阪)〉

(https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p220505.pdf)

また、「医薬品不足の危機」も警戒されるところだ。特にジェネリック医薬品は国内生産が3割、輸入が4割となっており、後者は中国やインドからの割合が高い。中でも中国はジェネリック医薬品の製造はもちろん、その原料となる原薬の製造の大部分を手掛けている。

日本経済新聞社は「中国ワクチンギャンビット 『責任ある大国』の虚実」と題する特集ページを開設し、世界的に「中国依存」が進む医薬品業界の実態を報じている。その第3部でまさに「あなたの薬も『中国製』影の製薬大国が握るサプライチェーン」という記事が公開されているが、それによるとジェネリック医薬品の原薬となる抗菌薬テトラサイクリン・ドキシサイクリンは80%超が中国で製造され、ジェネリック医薬品を多く製造するインドも、その原薬自体は中国からの輸入割合が多いという。

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