インデックス運用VSロボアド 2022年末までの約3年間のパフォーマンスを徹底比較!

みんかぶPR

目次

右肩上がりを描いた2021年に対し、2022年は大荒れ相場に!

公的年金の原資を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式にほぼ均等な割合で分散投資を行なっています。それに倣って、同じような配分でそれぞれのアセット(運用資産)に連動するインデックス(平均的な値動きを示す指数)に投資する個人投資家も増えています。

いわゆるインデックス投資家で、相場の動きに翻弄されることなく基本的には“放ったらかし”のスタンスを貫き、着実に平均的なパフォーマンスを獲得していくのが最も合理的だという発想です。確かに、プロではない個人投資家が下手に自分自身の裁量で投資配分や戦略を見直すと、その判断が不適切だった場合はダメージがむしろ拡大しかねないでしょう。

ただ、明らかな逆境下でも本当に“放ったらかし”のままが最善策なのでしょうか?くしくもコロナ禍の3年間における株式市場では、2020年3月〜2021年末がほぼ一貫して右肩上がりの展開だったのに対し、2022年は大荒れの相場になりました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的感染拡大)で株式市場は2020年3月に大暴落を記録したものの 、その後主要国が大掛かりな財政政策や金融政策を打ったことを好感し、2021年末まで株価が上昇基調を示しました。ところが、経済活動の再開に伴う需要の拡大に供給が追いつかず物価が上昇(インフレ)していた中、2022年2月には ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー・資源などの価格高騰も拍車をかけ、こうしたインフレの進行を踏まえた金融引き締め政策が相場に冷水を浴びせました。

この3年間において、”放ったらかし”の運用と、“放ったらかさない”運用にどのような差が生じたのかを検証してみたいと思います。

2022年末までの約3年間のパフォーマンスで、TOPIXなどに大差をつけたROBO PRO

FOLIO(フォリオ)が提供しているROBO PRO(ロボプロ)は、ロボアドバイザーと呼ばれている資産運用サービスの一種です。同じカテゴリーに分類される他のサービスと大きく異なっているのは、AI(人工知能)による予測技術を用いて期待リターンを算出し、機動的に資産配分の調整を行って 積極的な利益の追求や損失の軽減を目指していることです。

このサービスの利用者は自分自身で銘柄の選択や投資比率の調整は行わず“放ったらかし”にしていますが、その陰でAIが代わりにデータの分析や将来予測を行うことで“放ったらかさない”運用にしているわけです 。リリースされた2020年1月15日から2022年12月30日までの約3年間のROBOPROの運用実績 は、+約35.43%(※1)となっていました。

このROBO PROの運用実績とTOPIX(東証株価指数)、一般的なロボアドバイザー(※2)の推移 を比較したのが①のグラフです。先述したようにROBO PROが+約35.43%だったのに対し、TOPIXは+9.28%(※3)、一般的なロボアドバイザーは+19.92%のリターンにとどまりました。

この期間ではROBO PROは一般的なロボアドバイザーよりも+15.5%、TOPIXよりも+26.15%高いパフォーマンスを達成していたわけです(※4)。

グラフ①:ROBO PROと一般的なロボアドとTOPIXの比較

*将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。本文および図中で表示している割合は年率ではありません。
※1 ROBO PROの運用実績について
サービス開始当初(2020年1月15日)から表示日まで、または表示している期間において、ROBO PROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。運用手数料を年率1%(税込1.1%)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定して計算しています。分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。計算は円建てで資産評価額/当初投資額-1で行なっています。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※2 一般的なロボアドバイザーの運用シミュレーションについて
「一般的なロボアドバイザー」とは、利用者がリスク許容度に応じて設けられている複数の運用コースの中から一つのコースを選択し、一般的な運用アルゴリズム(ノーベル賞を受賞した理論に基づき、金融機関において広く使われている平均分散法を採用。平均分散法における期待リターンはCAPMを用いて算出。)を用いて自動で運用を行う投資一任サービスのことを指します。本運用シミュレーションは、一般的な運用アルゴリズムでROBO PROと同じETFを運用したと仮定したシミュレーション結果です。リスク許容度はやや高めとし、5%~40%の保有比率制限を設けて最適ポートフォリオを算出しています。本運用シミュレーションにおいても、運用手数料を年率1.1%(税込)徴収し、リバランスは最適ポートフォリオとの乖離がないように実施したと仮定し、分配金は投資の拠出金銭に自動的に組み入れ、リバランスにより再投資したと仮定して計算しています。小数第3位以下を切り捨てて表示しています。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
※3 TOPIX(配当込み)はBloombergが提供するデータを基にFOLIOにて作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。
※4各数値の差は小数第3位以下を切り捨てて表示しています。表示上の数値を用いて計算すると数値が一致せず誤差が生じる場合があります。

インデックス投資(4資産均等分散)をROBO PROの実績が上回る

では、肝心のインデックス投資との違いはどの程度だったのでしょうか? 2020年1月15日から2022年12月30日までの約3年間における4資産均等分散型インデックファンド(eMAXIS バランス(4資産均等型))の運用実績は+12.94%で、やはりROBO PROの運用実績+35.43%には遠く及びませんでした。

さらに確認すると、2020年1月15日から2021年12月30日までの約2年間では、4資産均等分散型インデックファンド が+18.25%に対して、ROBO PROの運用実績が+33.29%であったため、2022年に差が開いた結果になっています。

この結果から、大荒れとなった2022年の局面には“放ったらかし”を貫いたことが足を引っ張ったのではないかという仮説が考えられます。そこで2022年の1年間(2021年12月30日〜2022年12月30日)におけるパフォーマンスを比較してみました(②のグラフ参照)。

すると、ROBO PROも+1.60%(※5) と苦戦を強いられたものの、プラスのリターンを確保していました。これに対し、4資産均等分散型インデックファンドは−4.49%(※6)となっています。

グラフ②:ROBO PROと4資産均等分散型インデックスファンドの実績比較

*将来の運用成果等を示唆または保証するものではありません。本文および図中で表示している割合は年率ではありません。
※5 ROBO PRO運用実績は、2021年12月30日を100として指数化し、2022年12月30日までROBO PROサービスに投資していた場合のパフォーマンスです。(算出方法は※1)
※6 4資産均等分散型インデックスファンド(eMAXISバランス(4資産均等型))は委託会社(三菱UFJ国際投信株式会社)が提供するデータを基にFOLIOにて作成したものです。信頼できると考えられる情報を用いて算出しておりますが、情報の正確性、完全性等について保証するものではありません。

なお、同期間におけるパフォーマンスは、一般的なロボアドバイザーは−5.16%(※2)、TOPIXは−5.06%でした。

冒頭でも触れた通り、2022年は金融引き締めやそれに伴う景気後退懸念などから株式市場が下落基調で推移しました。一方、為替相場では日米金利差拡大で急激な円安が進み、外国資産の円建て評価を押し上げましたが、12月に日本銀行が金融政策を一部見直した時点から流れが急反転しています。

当然ながら、株価が低迷し、さらに為替相場が円高に振れるような局面で“放ったらかし”を貫けば、特に外国資産を中心に波乱のダメージが直撃することになるでしょう。12月の円高局面はROBO PROの運用にも悪影響が及ぼしたことは確かですが、一般的に米ドル安に耐性のあるとされる金を比較的多く保有していたことなどが奏功して、比較的下落を抑えることができました。その結果として年間通してもプラスのリターンを達成できたものと思われます。

グラフ③:ROBO PRO(円建て)と各アセットの騰落率/ROBO PROの資産比率

※8左図のグラフは、表示している期間における各アセットの価格を円建てで比較したもの及び、ROBO PROのリターンを示したものです。各資産の計算は、計算期間終了日時点の円建て資産額/計算期間開始日時点の円建て資産額-1で行っています。ROBO PROのリターンの算出方法については※1をご参照ください。将来の運用成果等を示唆又は保証するものではありません。

③の円グラフは、2022年11月30日時点におけるROBO PROの資産配分で、この内容で同年12月の運用が行われました。大きな特徴は、米国株式を約39%、新興国株式を約23%、金を約28%の配分にしていたことです 。

③の棒グラフは、2022年11月30日〜12月30日におけるROBO PROの円建てのパフォーマンスと、ROBO PROに組み込まれている各アセットの騰落率です。いずれもマイナスに陥っており、年間を通じても特に12月は非常に判断が難しい局面だったことがわかります。

この超逆境下でROBO PROの運用では米国株式の配分が大きかったことが災いとなったものの、最も傷が浅かった金の配分を高めていたことが救いとなっています。

下落相場は必ずやってくる!ピンチの場面でも機動的な投資配分の変更で、損失の軽減を目指す!

投資のプロフェッショナルであっても、100%の精度で予想を的中させることはまず不可能です。だからこそ、裁量を介在させずに機械的なインデックス投資を貫いたほうが合理的だという考え方は確かに成り立つでしょう。

しかしながら、そのタイミングは正確に当てられないにしても、上昇していた相場がいつか下落するのは間違いないことだと言えます。そのような逆境下では、パフォーマンスが著しく悪化しているアセットの配分を縮小するなどのリアロケーション(配分見直し)を行うのが損失の軽減を目指すためには賢明です。

もちろん、一般的な個人投資家にはその判断が難しいのも確かです。だからこそ、”放ったらかし”でいこうとインデックス投資家は考えているのかもしれません。とはいえ、それは逆境下に辛抱をしいられる場合があることも意味しています。

その点、誰かの主観ではなく、客観的な分析に基づくAIが導いた投資配分の見直しなら、”放ったらかし”よりも有効に機能することを期待できるのではないでしょうか?少なくとも、2022年の波乱相場では、そのように考えた人のほうが報われたことが前述の運用実績の比較からもわかります。

もっともこれはあくまで足元の逆境下における事例にすぎず、今後も引き続き検証を進めていく必要があります。一方で、資産運用における理想はできるだけ長い時間を費やすことですが、人間の寿命は限られていることから、今を生きる私たちには長期的な検証結果が判明するのを待つ余裕がないのも事実でしょう。

いずれにせよ、投資には必ず試練の場面が訪れます。そのような場合における参考として、”放ったらかし”のインデックス投資だけではなく、ROBO PROのように臨機応変な運用を並行させることも考えても良いかもしれません。

■本資料について
・投資環境に関する過去の事実等の情報提供や、発行時点での投資環境やその見通しに関する見解をご紹介する資料です。
・記載内容は作成時点のものであり、将来の市場環境の変動や運用成果等を示唆又は保証するものではありません。
・信頼できると考えられる情報を用いて作成しておりますが、その正確性、完全性等について保証するものではありません

■株式会社FOLIO
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第2983号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会
金融商品の取引においては、株価、為替、金利、その他の指標の変動等により損失が生じ、投資元本が割り込むおそれがあります。ROBOPROのご利用にあたり、お客様には取得有価証券の時価評価額が3,000万円以下の部分は年率1.00%(税込1.10%)、3,000万円を超える部分は年率0.50%(税込0.55%)の運用報酬料をご負担いただきます。ご契約の際は契約締結前交付書面およびFOLIO ROBO PRO投資一任契約書等の内容を十分にご確認ください。
リスク・手数料の詳細はこちら

このカテゴリーの最新記事

その他金融商品・関連サイト

ご注意

【ご注意】『みんかぶ』における「買い」「売り」の情報はあくまでも投稿者の個人的見解によるものであり、情報の真偽、株式の評価に関する正確性・信頼性等については一切保証されておりません。 また、東京証券取引所、名古屋証券取引所、China Investment Information Services、NASDAQ OMX、CME Group Inc.、東京商品取引所、堂島取引所、 S&P Global、S&P Dow Jones Indices、Hang Seng Indexes、bitFlyer 、NTTデータエービック、ICE Data Services等から情報の提供を受けています。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。 『みんかぶ』に掲載されている情報は、投資判断の参考として投資一般に関する情報提供を目的とするものであり、投資の勧誘を目的とするものではありません。 これらの情報には将来的な業績や出来事に関する予想が含まれていることがありますが、それらの記述はあくまで予想であり、その内容の正確性、信頼性等を保証するものではありません。 これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、当社、投稿者及び情報提供者は一切の責任を負いません。 投資に関するすべての決定は、利用者ご自身の判断でなさるようにお願いいたします。 個別の投稿が金融商品取引法等に違反しているとご判断される場合には「証券取引等監視委員会への情報提供」から、同委員会へ情報の提供を行ってください。 また、『みんかぶ』において公開されている情報につきましては、営業に利用することはもちろん、第三者へ提供する目的で情報を転用、複製、販売、加工、再利用及び再配信することを固く禁じます。

みんなの売買予想、予想株価がわかる資産形成のための情報メディアです。株価・チャート・ニュース・株主優待・IPO情報等の企業情報に加えSNS機能も提供しています。『証券アナリストの予想』『株価診断』『個人投資家の売買予想』これらを総合的に算出した目標株価を掲載。SNS機能では『ブログ』や『掲示板』で個人投資家同士の意見交換や情報収集をしてみるのもオススメです!

関連リンク
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.