紅白aespa炎上に記者のわいせつ動画撮影…NHKの国民信頼が暴落しても「26年度は督促強化で2年前の20倍に」心から愛される組織になるのは絶望的

2026年度からNHKが受信料督促強化に踏み切る。朝日新聞によると、未払い世帯に対する支払い督促件数を2024年度比で20倍超(約2000件規模)に拡大する計画だ。また2025年10月には新組織「受信料特別対策センター」を設置し、弁護士・営業職員による全国対応も強化している。そんな中で起きたのが2025年末紅白歌合戦での「大炎上」だ。元NHK党秘書でコラムニストの村上ゆかり氏は「紅白で多くの国民が怒りを覚えた中で、督促強化への反発は大きいだろう」と指摘する。以下、村上氏が解説していく――。
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NHKが自ら招いた破滅のシナリオ
東京、渋谷の喧騒を見下ろす代々木の丘。そこにそびえ立つNHK放送センターの巨大な窓からは、深夜まで不気味な明かりが漏れ続けている。かつては公共放送としての誇りの象徴だったその明かりの下で、今、幹部たちが青ざめた顔で見つめているのは、自ら招いた「破滅へのシナリオ」だ。
2023年10月、NHKは国民や政治からの「貯め込みすぎだ」という激しい非難をかわすため、断腸の思いで受信料の10%値下げを断行した。2022年度末に約2231億円もあった「経営安定積立金」という名の貯金を、値下げによる赤字補填のために使い切り、2026年度末には「ゼロ」にするという計画を自ら立てざるを得なかったのだ。しかし受信料の値下げをもってしても国民からの支持は得られず、NHKが公表した「令和6年(2024)度収支予算・事業計画」の抜粋には、受信料収入が「前年度に比べ約730億円の減収となる」と記され、計画を上回るスピードで資金が流出している。
貯金が底をつくカウントダウンは、彼らが想定していたよりも遥かに速く、激しく進む一方、約1700億円もの巨費を投じた新放送センターの建て替え工事は止められず、高額な役員報酬や給与という重荷が組織の首を絞め続ける。若者たちの部屋からテレビが消えた今、自らゼロにすると決めた貯金がいよいよ空っぽになったとき、その先に待っているのは「再生」ではなく「崩壊」であることに、彼らはようやく気づき始めた。追い詰められたNHKという巨大組織は、残されたたった一つの冷徹な武器を手に取った。それが、今年(2026年)から始まる、国民を司法の場へ引きずり出す「支払督促の強化」である。
NHKが2026年から本格化させるとしている受信料の支払督促強化は、「法的強制」という牙を剥き出しにしたものとなっている。その司令塔となるのが、新たに本部に設置された「受信料特別対策センター」だ。
未契約者や契約済みの不払い者に対する容赦ない法的措置
NHKはこのセンターを拠点として、不払いが1年以上続く「未収」の世帯や事業所に対し、簡易裁判所への支払督促申立てを「令和7年度(2025年度)は前年度の10倍以上に増やす」という姿勢を見せている。NHKの稲葉延雄会長は定例記者会見において、「これ以上未収数が増加しないように歯止めをかけ、減少に転じさせるため、できることは全てやり切るという決意で、受信料の公平感の実現に努めていきたい」と述べており、この「やり切る」という言葉に込められた執念が、未契約者や契約済みの不払い者に対する容赦ない法的措置として現実のものとなっている。
法令に基づき支払い督促を強化するとしているNHKだが、相手が行務機関や公的な組織となると、その態度は驚くほど及び腰になるという醜い矛盾を抱えている。2025年には、全国のパトカーや消防車、救急車などの緊急車両を含めた、自治体の公用車に搭載された「テレビ機能付きカーナビ」の多くが、実はNHKと受信契約を結んでいなかったという実態が相次いで発覚した。
カーナビ受信料に反対署名も
これを受けて住民の間では「命を守るための車両にまで受信料を強いるのはおかしい」という反発や批判が広がり、有志による「緊急車両・公用車のカーナビに関して、テレビ視聴実態がない場合は受信料契約義務対象外とする制度改正・運用明確化を行ってください」と記した反対署名は2026年1月5日時点で5万人を超える署名が集まっている。
NHKが行政に対してこれほどまでに及び腰なのは、自分たちの隠したい矛盾がバレるのを防ぐための防衛本能ではないか。もし公的機関に一般市民と同じような厳しい取り立てを行えば、国民からの批判は一気に爆発し、受信料制度そのものの不自然さが大きな社会問題へ発展してしまう。行政と裁判で争うことになれば、その怒りの矛先は自然と国会へと向き、自分たちの特権を守っている「放送法」を根本から作り直そうという動きが始まるかもしれない。つまり、強硬な督促がきっかけで「観たい人だけが支払う仕組みである、スクランブル放送」や「NHKの組織解体」といった法改正が進むことを恐れて、あえて行政には強く牙を剥かないのではないか。
かといって、NHKには公用車のカーナビに対して「受信料を取らない」という明確な判断を下すことは、口が裂けてもできない。
なぜカーナビ受信料徴収を取り下げられないのか
なぜなら、一度でも「業務や安全のために必要だが、実質的に放送を視聴していない」という理由で公用車の免除を認めれば、国民からも「自分のカーナビも運転の補助用であり、テレビとして使っていない」「家庭のテレビも動画配信やゲームのモニターであり、NHKを観るためのものではない」という主張を拒む術を失うことになり、これまでNHKが必死に守り抜いてきた「受信機を設置すれば、視聴実態に関わらず一律に契約義務が生じる」という強引な法解釈の前提が、根底から崩壊することになるからだ。
このNHKの姿勢は、自らの首を絞める可能性がある者には徹底的に媚び、逆らう力を持たない一国民からは「公平」という言葉を盾に冷酷に金をむしり取るという、極めて狡猾な二重基準を自らが存続するためだけに選択しているように見える。
その一方で国民のNHKに対する不満は日に日に高まっている。
aespa炎上に、NHK記者のハレンチ行為撮影
特に最近話題となったのは、特に2025年の紅白歌合戦に出演した韓国グループ「aespa(エスパ)」を巡る騒動は象徴的だ。aespaが紅白出場を決めた後、2022年5月にメンバーの1人であるニンニン(NINGNING)さんがファン向けのアプリに、きのこ雲の形をしたランプの写真を投稿し「かわいいライトを買ったよ。どう?」と書き込んでいたことが判明し大炎上を起こした。「aespaの紅白出場停止を求めます」というオンライン署名が立ち上がり、約14万人分の署名が集まったが、NHKはニンニン(NINGNING)さんが体調不良で出場せず、他の3人で歌唱するとして、aespa(エスパ)を予定通り紅白へ出場させた。当日、彼女たちの出演時刻が広島への原爆投下時刻(午前8時15分)と重なる「(午後)8時15分」前後だったことで、ネット上で「意図的な演出ではないか」と憶測を呼んでしまい、さらなる大炎上を招く事態になった。
さらに昨年末は、警視庁記者クラブの酒席において、他社の記者がわいせつ行為に及んでいる様子をNHKの記者が動画で撮影していたと報道された事案も話題となった(女性セブン(2025年12月23日号))。NHKはこれらについて、「国会やメディアから質問されたら答える」という受け身の対応に終始し、国民が納得できる程度の説明責任を果たしたとは言い難い対応をとっている。
終わるまでに単純計算で696年かかる
自分たちの不祥事や報道に対する適正な説明責任を果たさず、一般国民から「公平」という言葉を隠れ蓑にして受信料を取り立てようとするNHKの矛盾こそが、今、多くの国民を「NHK離れ」へと突き動かしている最大の原因ではないか。
しかし、彼らが掲げる「督促強化」を冷静に分析すれば、それが国民に対するあまりにも無力で滑稽な「空脅し」のような実態が浮き彫りになる。NHKが公表した資料「受信料未契約世帯・未収世帯への法的措置の実施状況」によれば、2024年9月末時点の支払督促申立て総件数(累計)は1万1773件、2025年9月末時点では1万1979件となっている。つまり、直近1年間で支払督促の申立件数はわずか206件、1カ月に換算すれば全国でたった17件程度しか法的措置が進んでいないのだ。
朝日新聞によると、この法的措置は2026年度には2024年度実績の20倍に引き上げるとされている。2024年度の不払い者に対する支払督促申立件数の実績は125件なので、年間2,500件規模にまで引き上げられるということになる。「20倍」という大幅強化を謳ったところで、未収世帯174万件の山を切り崩すには、なんと単純計算で696年の歳月が必要になる。
判決が求めた『公平性』という絶対条件を自ら踏みにじっている
今から696年前といえば、鎌倉幕府が滅亡する直前の動乱期だ。NHKは、そんな歴史の彼方まで続くような空虚な計画を、さも実効性があるかのように叫んでいるのである。
そんな途方もない年月をかけて、NHKは国民に裁判を仕掛け公平負担を図るというのか。NHKは、「受信料の公平負担」を盾に支払督促強化を訴えているが、彼らの狙いは決して公平負担ではなく、このごく僅かな「見せしめ」を利用して、残り99.9%の国民を恐怖で支配することではないか。
支払督促の強化の根拠を、NHKは『法律に従っているだけだ』と強弁する。確かに最高裁は現在の制度を合憲としたが、2017年の最高裁大法廷判決をよく読み解けば、その正当性は『公平な運用』という極めて細い糸の上に成り立っていることがわかる。最高裁は、国民の知る権利に奉仕する公共放送を『公平に支えること』を合憲の前提とした。行政の未契約には沈黙し、国民に対してだけ司法の場に引きずり出す今のNHKの姿は、この判決が求めた『公平性』という絶対条件を自ら踏みにじっているのではないか。法を盾にする組織が、その法の精神である『平等』を蔑ろにする。この矛盾こそが、今のNHKに向けられる怒りの正体なのである。
心から愛される組織に戻ることはもはや絶望的
NHKという組織は本来、権力に屈することなく真実を伝え、文化を育み、災害時には命を守る情報を届けることで国民の生活を豊かにするという、極めて崇高な使命を担って誕生したはずだ。手遅れになる前に、自分たちが一体誰のために存在し、誰の浄財によって支えられているのかという公共放送としての原点を、今一度思い出すべきだ。今のままのNHKが、真に国民の役に立ち、心から愛される組織に戻ることは、現状の隠蔽体質や高圧的な徴収姿勢を見る限り、もはや絶望的だと言わざるを得ない。
NHKを抜本的に改革し、時代に即した形に作り変えるための最も効果的で、最も強力な武器は、NHKとの契約義務の根拠である「テレビ」を捨ててNHKとの受信契約を解約することだ。テレビのない自由で豊かな生活を手に入れ、NHKの顔色をうかがう必要のない日常を取り戻すことこそが日本の放送文化を健全な形へと押し戻すための唯一にして最大の道であり、NHKの番組を観なくなることは彼らの社会的な存在意義を根底から奪い去る最も賢い選択でもある。NHKが自ら変わることを淡く期待しても、今のNHKに私たちの声は届かないことは明らかだ。1人でも多くの国民がテレビを捨て、自らの意思でNHKとの関係を断ち切ることこそが、今のNHKに民意を突きつけることができる最も重い審判であり、究極の改革案なのだ。