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元モルガン銀行東京支店長「1ドル500円へ」…日本、財政破綻に現実味「一気にハイパーインフレ進む」

 正月三が日に公開したインタビューが大好評だった元モルガン銀行東京支店長・藤巻健史氏のインタビュー第2弾。20年前から日本財政の危うさを論じ、日本円の価値が大暴落する「ハイパーインフレ」を予想している藤巻氏に、2022年12月に行われたYCC(イールドカーブ・コントロール)の変更の意味や、日銀総裁が変わったらどうなるかを聞いた。全3回インタビューの1回目。

長期金利変動許容幅±0.25%から±0.5%の変更は時間稼ぎに過ぎない

――2022年12月に日銀が長期金利の変動許容幅を±0.25%から±0.5%まで拡大しましたが、日銀の黒田東彦総裁はそれまで金利を上げない方針を取っていたので、市場にとっては大きなサプライズになりました。こちらについて、改めて藤巻さんのご意見をお聞かせください。

藤巻氏) それまでは長期金利の変動許容幅を±0.25%で一生懸命抑えていましたが、日銀はそのためにものすごい勢いで国債を購入していたわけです。

 しかし、物価上昇している時にこれ以上お金をばらまけない。そして、バランスシートをこれ以上膨らませられない。そんな状況を念頭に「仮に±0.5%まで変動許容幅を拡大すれば、外資系金融機関の売りがやわらぐだろう」という読みもあり、変更したのだと思います。しかし実態としては、許容幅の上限を±0.5%まで引き上げたところで、ただの時間稼ぎに過ぎなかった、というのが現状です。

 そして、次の総裁が金利を上げられるかと言うと、きっとこれ以上上げられません。これ以上金利を上げたら、日銀が債務超過になってしまうために無理だと思います。

 とはいえ、利上げをしないと物価が上がって円安ドル高が進み、物価が上がってしまいます。どちらを選んでも自殺行為ですね。

――2022年9月に行われた黒田総裁会見では、「当面金利は上げない」と発言されていたので、金利を上げるのは総裁が変わってからと思っていた人が多かったと思います。黒田総裁はなぜ12月にYCCを変更したのでしょうか?

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この記事の著者
藤巻健史

1950年東京生まれ。一橋大学商学部を卒業後 三井信託銀行に入行 1980年社費留学で米国ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院にてMBAを取得。ロンドン支店 勤務をへて1985年 米銀のモルガン銀行(現JP モルガンチェース銀行)に転職。 同行で資金為替部長、東京支店長兼在日代表を歴任し東京市場屈指のディーラーとして 世界に名を博し JPモルガンの会長から伝説のディーラーと称された。 2000年にモルガン銀行を退社後はジョージソロス氏アドバイザーを務めた他、一橋大学 経済学部、早稲田大学大学院商学研究科にて講座を受け持った。2013年から2019年までは参議院議員。2020年に旭日中綬章を受章。日本金融学会所属。 現在(株)フジマキ・ジャパン代表取締役 。

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