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「植田日銀は誰も満足させられない」天才エミン・ユルマズ、日本経済「への字」停滞へ

 2月10日、4月に任期満了を迎える日銀の黒田総裁の後任に、経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏が内定した。想定外の人事で、政策運営と日本市場への影響について世界中の注目が集まる中、今回はメディアで活躍中の人気エコノミスト、為替ストラテジストで複眼経済塾取締役・塾頭のエミン・ユルマズさんに株式市場における日本の現状と今後の見通しについて語ってもらった。(全3回の1回目)

学者だから難局を乗り切れるとは思わない

――先日、岸田首相が黒田東彦日銀総裁の後任に、経済学者で元日銀審議員の植田氏を起用する意向を発表しました。この報道をどのように捉えますか。

 物価の上昇で植田氏は異次元緩和の見直しを迫られる一方、日本経済をクラッシュさせないよう緩和は続ける方針のようです。自民党にもいまだ緩和派が多く、日銀が突然、急速な引き締め路線に転じるとは考えられません。しかしインフレは続く見通しで、引き締めが求められる場面も増えるでしょう。その際、植田氏は、米国のようにドラスティックに金利を上げられるわけでもないので、緩和派も引き締派も、どちらも満足させられない可能性があり、非常に難しいかじ取りを迫られることになると思います。学者出身であることを評価する向きもありますが、FRB(米連邦準備理事会)のパウエル議長も学者出身ではないので、私は重要なことだとは思いませんね。

「昨年夏の流れは、まさに私が予測した通りでした」

――昨年のマーケットは、FRBの金融引き締めを主な原因として、乱高下が続きました。どのように分析しますか。

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この記事の著者
エミン・ ユルマズ

トルコ・イスタンブール出身。東京大学工学部を卒業、同大学新領域創成科学研究科修士課程修了。野村証券に入社し、投資銀行部門、機関投資家営業部門に携わった後、2016年に複眼経済塾の取締役・塾頭に就任。

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