トレンド工作、シャドウバン…なぜ「世紀の大リストラ後」のツイッターはこんなに快適になったのか

ツイッターの買収以降、「ツイッターが快適になった」という声が相次いだ。ルポライターの日野百草氏もその一人だ。その一方で、解雇されたツイッター元社員たちへの罵詈雑言(ばりぞうごん)もタイムライン上で散見された。みんかぶプレミアム特集「ツイッターの真実」第7回は日野氏がツイッター民の心境を解説する――。
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これほどユーザーに嫌われる「中の人」たち見たことない
2022年10月から11月にかけて、テスラ創業者で世界的富豪、イーロン・マスクによるTwitter買収と、それに伴う米Twitter社および日本法人であるTwitter Japan社(TwitterJP)のリストラは、ネット界隈のみならず、外資系企業における雇用文化の相異に慣れない多くの日本国民に驚きをもって伝えられた。米報道機関ブルームバーグによれば、Twitter社全体で社員の6割にあたる5000人規模の人員削減が行われたと報じられている。TwitterJPでも約300人の社員のうち100人ほどが解雇されたとされるが(報道諸説あり)、ここではその数のファクトや解雇の是非は言及しない。
一連の動きの中で、筆者が興味深く感じたのは、TwitterJP社員らが、マスク買収とそれに伴う人員削減に関して、自身が運営するプラットフォームであったTwitter上で「#OneTeam」のハッシュタグを付けてつぶやいて連帯を呼びかけたにもかかわらず、ツイッター民の反応は「突き放し」と「嘲笑」であったこと。および、それに対するTwitterJP社員の「不慣れ」としか言いようのない対応であった。
この一連の人員削減に言及したTwitterユーザーのほとんどは「インスタに憧れて無職になったプゲラ」「キラキラ食いモンの話ばかりでウケる」「社員のくせにフォロワー少な」「意識高い系どもさよなら」「これほどユーザーに嫌われる中の人たち見たことない」(本稿、あくまで要旨として適宜書き換えたもの、以下同)と辛辣なツイートであり、当のTwitterJP社員の各アカウントにもそれに類する返信が直接書き込まれた。これでもまだ柔らかい表現で、「クビ切って正解」「メシウマ無職ざまあ」「ゴミクズども」「地べたに這いつくばってろ無能」と謗言の限りが尽くされ、ここではそのまま引用できないほどに漫罵(まんば、むやみに相手をののしること)のオンパレードであった。