「これは上がるで。楽しみやな」資産16億、87歳現役デイトレーダー藤本茂が69年でたどり着いた”投資の真理”

投資歴69年、ネット取引20年を超える87歳の藤本茂氏。日々、急激な相場の変動や海千山千の猛者と相対しながら、16億円まで資産総額を伸ばし続けてきた藤本氏に、銘柄の選び方やポイントをうかがった――。
本稿で紹介している銘柄:アイビス(9343)、日本ナレッジ(5252)、ハルメクホールディングス(7119)
好きな銘柄は「日によって変わる」
神戸市東灘区のマンションの一室で、3台のパソコンモニターを駆使して軽快に取引を行う藤本茂さん。
売買の対象とする銘柄は常時100銘柄ほど。好きな業界として挙げるのは、自動車や半導体、商社といった分野だ。半導体分野は「日の丸半導体」が世界のトップをひた走っていた頃から注視していただけに、いまの日本の凋落(ちょうらく)には苦言を呈す。
「かつては世界の5割のシェアを日本の半導体が占めてたんや。いまはあかんな。企業の努力が足りない」。それでも、今後への期待は持ち続けると話す。
一方で、好きな銘柄については「特に決まっていない」と話す。「よく周りにも『何がいいですか』とか聞かれるけどね、答えようがないんよ。好きな株は日によって変わる。(株価が)上がる銘柄は好きやし、落ちる銘柄は嫌い。それだけのこっちゃ」。
この割り切りが、藤本の69年を支えてきた。