投資の天才バフェットが日経新聞記者に語ったこと…「バイ・イン・エイプリル、セル・イン・オーガスト」

4月以降、日本の株式相場が堅調に推移している。強気筋からは「日経平均3万円台回復」を予想する声も漏れ聞こえてくる。東京証券取引所の「PBR(株価純資産倍率)1倍回復要請」や、米大物投資家ウォーレン・バフェット氏の日本株投資方針などが効いている。もともと4月は外国人投資家の日本株買い越しが多い月でもある。東証+バフェット+4月=株高。いつまで続くだろうか。
「日本成長株・ファンド」の25年とは
1998年4月から運用を開始し、現在は約4700億円(5月1日時点)の純資産を持つ長寿ファンド「フィデリティ・日本成長株・ファンド」。設定25周年を機に、ファンドの運用と日本市場を長期の視点で総括するブリーフィングの場があった。
筆者のように1980年代終盤のバブル期からマーケットを取材している者からすると、1998年ごろの経済と市場に関する心象風景はかなり暗い。前年の97年には北海道拓殖銀行や山一証券の経営が破綻し、翌98年には日本長期信用銀行が破綻、一時国有化された。
一方、米国はナスダック市場の上昇が加速し始め、99~2000年のインターネットバブルに突き進み始めていた。そんな「日本真っ暗、米国ピカピカ」の時代に運用が始まった日本株アクティブファンドが、今も確定拠出年金の運用などで根強い人気を保っている事実を見ると、長期運用の大切さを改めて痛感する。
「日本成長株・ファンド」が歩んできた25年、日本のバブル崩壊から数えれば30年は、ひっくるめて「失われた」と形容されることが多い。しかし「本当にそうだろうか」と問題提起をしたのが、ブリーフィングに登壇したフィデリティ投信取締役副社長・運用本部長の鹿島美由紀氏。「アベノミクス前と以後を区別する必要がある」と力説していた。アベノミクスが始まって以来、日本企業の設備投資は拡大基調であり、株価の推移も世界の中で米国に次ぐほど良好、というのが鹿島氏の指摘だ。