女バフェット断言「テスラの株価は2000ドルまで上がる」…バフェットがこのタイミングで総合商社株を買い増した裏事情

バフェットのみならず、アメリカには“本物の長期投資家”と言えるプロフェッショナルが数多く存在する。その一人が、破壊的なイノベーション企業への投資で近年注目を受けているキャシー・ウッド氏(アーク・インベスト・マネジメント創業者)だ。みんかぶプレミアム特集「バフェット 独占質問」第2回では、前回に引き続き岡元兵八郎さんが登場。バロンズ誌「2023年金融業界で最も影響力のある女性100人」に選ばれ 「女性版ウォーレン・バフェット」の異名を持つウッド氏の投資思想や、アメリカにいなければ見えない投資の世界地図についてお届けする。
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日本にいては感じられない、バイデン大統領の不人気ぶり
昨日お伝えしたバークシャー・ハサウェイの年次総会以外に、今回の渡米では何人かの著名な投資家たちに会うことができた。バリュー株の長期投資家として知られるマリオ・J・ガベリ氏や「ハイテク界の女王」の異名を持つ、アーク・インベストメント・マネジメントの創業者キャシー・ウッド氏などだ。さらに今回の滞在では、そうしたプロ以外にも、一般の投資家の方々や街の人々とも交流をすることができ、非常に興味深い話を聞いた。今回のレポートでは、私なりに感じた、今のアメリカ市場、そして世界的投資家の投資観についてお伝えしたい。
まず、やはりと思ったのは、会う人々、金融業界のプロフェッショナルでも街の人々でも、皆が物価上昇への不満の大きさを口にしていることだ。日本でインフレが騒がれ出したのは去年の後半あたりからだと思うが、アメリカではすでに2年近く続いている。例えばガソリンスタンドでもレストランでもスーパーでも、ここ数年間で多くのものが軒並み上昇してきた。一部、ガソリン価格などは一時の高値から下落したものの、消費者の物価上昇に対する不満には根深いものがある。
となると日本でもそうだと思うが、人々の不満の矛先は、時の最高権力者に向けられることになる。オマハがあるネブラスカ州や、フロリダ州は「レッドステート」つまり共和党が強い地域なのだが、今回訪れたワシントンなどでも、バイデン大統領への良い評判は聞かれなかった。インフレは必ずしも彼のせいだけではないので気の毒とも思うが、なかなか日本にいては、こうしたアメリカ人の本音を聞き、庶民の感情を体感することができない。金融不安と物価対策。FRB(米連邦準備理事会)の今後のかじ取りの難しさが実感できる。