渡邉正裕「郵便局は徐々に人員削減に進むでしょう」これからリストラが多発する…早めに転職すべき3つの業界

みんかぶプレミアム特集「リストラ連鎖」第6弾は、日本の雇用問題に詳しい元日本経済新聞記者でジャーナリスト、『10年後に食える仕事 食えない仕事: AI、ロボット化で変わる職のカタチ』(東洋経済新報社)などの著書もある渡邉正裕氏に、2023年の今、すでに雇用が崩壊しそうな業界や、自分がリストラされることを事前に知るためのポイントなどについて伺った。
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一番ひどいリストラは、2005〜2006年頃、電機メーカー各社で起きた
最近、日本でひどいリストラが横行したのは2005〜2006年ごろで、ちょうど電機メーカーが総崩れになった時期です。
三洋電機のリストラが一番わかりやすくひどかったです。当時、三洋電機は過去最高の赤字を出し、経営不振を理由として、国内計1万4000人程度の人減らしを計画していました。しかし、会社にお金がないために、割増退職金を積んで希望退職させたくない、という思いが経営側にはありました。
そこで、管理部門や技術部門などの他部署から、約1200人の人員を無理やり営業部門に配置転換し、自分から会社を辞めさせようと、無茶な販売目標を設定した営業研修を受けさせたのです。当然、いきなり他部門から異動してできるわけがありませんから、その研修は「ヤクザ研修」とまで呼ばれました。「まるで、退職まで待つ収容所のようだ」と当時の社員は述懐しています。結局、営業部門に配置転換されたほとんどの社員が割増退職金をもらえず退職していった、といいます。
このように、経営状況が悪化しきってからリストラされると、割増退職金すらもらえず、最悪の状況に陥る可能性もあります。もちろん、大企業ですらそうなので、中小企業であれば、割増退職金がもらえない可能性はより高まります。
ちなみに、オーナー経営者が経営している企業では、割増退職金が出ないことも多いです。会社を自分の所有物と考えている経営者も多いので、そうした企業に在籍している場合にも、退職金がもらえない可能性は高いです。