“100億円選手”大谷翔平「優勝したいと思うのは当然」発言に移籍報道激化…働きやすさか、やりがいか、金か

エンゼルス大谷翔平選手の去就に注目が集まっている。トレード期限8月1日。大谷は何を選択するのか。ルポ作家の日野百草氏が日本のサラリーマンに重ねて解説するーー。
大谷が選択に迫られる「働きやすさ」か「金」か「やりがい」か
働きやすさか、金か。それとも「やりがい」か。大谷翔平の選択に、全米中が注目している。まだ具体的な話は何もないというのに。
しかし、その選択の日は確実にやってくる。
8月1日のトレード期限、そしてフリーエージェントとなる2023年オフ。ロサンゼルス・エンゼルスに残るのか、他球団に移籍するのか。
働きやすくて収入がいい、加えて「やりがい」のある仕事なら最高だが、多くの人、とくにサラリーマンに代表される被雇用者にとっては難しい。残るにしろ転職するにしろ、いずれかを妥協して、自身の立場と現実に折り合いをつける。
これは世界最高の、いや歴史上最高クラスの野球選手、大谷翔平にも当てはまる。いや、むしろ最高の選手だからこそ、か。彼もまた「働きやすさと金、やりがい」という選択肢の岐路に立っている。
大谷を受け入れられるメジャー球団は金銭的に限られている
ESPNのMLB関係者に対するアンケートでは11年契約で6億500万ドル(約850億円・推計、以下同)という予想があった。またBleacher Reportも6億ドル(約830億)、こちらは8年契約でその額もありえる、という内容で、これが実現すれば大谷翔平は「年俸100億円選手」となる。NBC Sportsは投打の活躍を見れば高額の契約は当然、として投のロジャー・クレメンス、打のケン・グリフィーJrの両方を併せ持った選手であることに言及している。
しかしその額は、エンゼルスに残っていては現状、受け取れないとされる。その額を払える球団となるとMLBでも限られる。つまり人気球団かつ、金銭的に余裕のある球団、ということになる。
大谷「優勝したいと思うのは当然」
ロサンゼルス・ドジャース、サンフランシスコ・ジャイアンツ、ニューヨーク・メッツ、ニューヨーク・ヤンキースといった名が取り沙汰されているが、とくにドジャースは同じロサンゼルスと本拠地も近く資金力もある。以前から大谷翔平に熱烈なラブコールを送っていたことも報じられている。大谷翔平がMLBの歴史上でも稀有な「二刀流」として結果を出し続けている現在、かつての「二刀流がMLBで通用するのか」という不安も払拭されている。