党費を私物化したエッフェル姉さん”税金大名旅行”を批判することは間違っているのか…日本政治・議員のレベルの低さも絶望

国際政治アナリストの渡瀬裕哉氏が、松川るい・今井絵理子両議員のパリ研修について「当然ながら、政党の費用は私物化して良いものではない」と諭すーー。
松川るい・今井絵理子の苦しすぎる言い訳。税金で大名旅行したのは事実だ
松川るい・今井絵理子参議院議員らのフランス旅行が問題視されているが、彼女たちの苦しい言い訳の中で見逃してはならない一文があった。
「税金でフランス旅行」と批判された松川議員の釈明文の中には「38名の参加者は、全国の女性局所属の地方議員及び民間人で女性局幹部となっている方々であり国会議員の参加は私含め4人です。費用は党費と各参加者の自腹で捻出しています」と記載されていた。
まず前提として、政党の資金について、政党助成金と党費を明確に区分けして支出することはほぼ不可能であるため、この言い訳自体が全くナンセンスであることは言うまでもない。誰が何と言おうが、女性局フランス大名旅行には税金が混ざっているということは疑い得ないことだ。この時点で上述の言い訳が論外であることは自明だ。
松川るい発言の最大の問題は、「党費」を私物化しても良いと思っていること
しかし、この一文にはより深刻な問題が隠されている。それは「党費」であれば議員の物見遊山の家族連れのフランス大名旅行に自由に使って構わないという認識だ。
当然であるが、政党にとって党費を支払う党員は奴隷ではない。むしろ、通常の近代政党の概念は党員によって党が構成されていると考えるのが一般的だ。
一方、党員に関して、自由民主党の党則では「本当の目的に賛同する日本国民で、党則の定めるところにより忠実に義務を履行するとともに、国民大衆の奉仕者として積極的に党活動に参加するもの」と定義されている。その上で、その義務として「党費」の支払いが義務付けられている。党費の金額は、総裁が総務会の決定を経て決めるものであり、2023年現在では一般党員は年額4,000円、家族党員は年額2,000円、特別党員は年額20,000円以上とされている。