大波乱の23年後半戦…過去71銘柄でテンバガー達成の最強投資家が語る2023要注目銘柄と「一番やってはいけない投資手法」

本稿で紹介している個別銘柄:Keeper技研(6036)、コメ兵ホールディングス(2780)、ゼンショーホールディングス(7550)、ジャパンエンジンコーポレーション(6016)、ファイズHD(9325)、AZ-COM丸和(9090)、青山財産ネットワークス(8929)、クリアル(2998)、リタリコ(7366)
過去71銘柄でテンバガーを達成した「テンバガーハンター」愛鷹氏に、2023年上半期の振り返りと、これから要注目な銘柄を聞いた。みんかぶプレミアム特集「株で爆速1億円と最強日本株58」第3回ーー。
目次
2023年上半期を振り返り
今年は3月にシリコンバレー銀行などの米国の銀行の連続破綻など欧米を震源とした金融ショックがありましたが、株価は3月のショックを底にして上昇率に濃淡はあれども、各国指数ともに堅調に推移しています。
私はと言えば5月に達成した今年1発目のテンバガーであるKeeper技研(6036)での11年連続テンバガーを皮切りに、7月はコメ兵ホールディングス(2780)とゼンショーホールディングス(7550)で、本記事を書いている8月7日にはジャパンエンジンコーポレーション(6016)もめでたくテンバガーとなりました。そして8月2日には6月ぶりの運用来高値更新をするなど、今年はPFが年初から毎月右肩上がりです。と、ここまでは順風満帆でしたが、日米で金利政策に関して大きなニュースが立て続けに舞い込んできました。
日銀が金融政策を引き締めに!
日本銀行(以下、日銀)が10年物日本国債(長期金利)の変動許容幅を、2022年12月に0.5%まで、2023年7月28日には1%まで拡大すると発表しました。2016年9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」いわゆる、イールドカーブ・コントロール(YCC)を導入し、長期金利の誘導目標を±0.10%幅程度とした追加の金融緩和から約7年が経過しての事実上の利上げ転換です。
このYCCの誘導目標修正に対し相場は前後で大きく揺れました。7月28日深夜2時に日経新聞から修正観測の記事が出てアメリカ市場も日経平均先物も急落。翌29日は週末ということもあり、日銀から公式に発表された12時台には先物が32000円台まで下落し、最高値33000円付近からの値幅1000円と大幅に下落しました。大引けにかけては大きく値を戻し、その夜のアメリカ市場はさも何事もなかったかのように始まり、日経平均先物も33000円台を奪還、と世界の相場は日銀による政策修正が既定路線と分かっていたかのような落ち着いた反応でした。
為替も深夜の報道に反応しドル円が140円割れと円高に振れましたが、今や143円と政策修正前より円安に振れました。日銀が実質利上げしたとはいえ利上げ幅が欧米各国に比べれば小さなもので、日米金利差に影響するほどではなかったことから円安基調に戻りました。ただ、昨年9月に円安が急激に進み1ドル150円を越えたあたりで政府・日銀による24年ぶりの円買い介入がなされ一気に135円まで円高が進んだため、150円を越える円安に対しては抑止力が働く可能性があり注意が必要です。
米政府の債務残高は膨張し続けており、8月2日には2011年8月以来初めて、米国債が最上位格付けから1段階引き下げとなり、米国景気の先行きが不安視されるなど日米ともに株式相場が不安定感を増しています。2011年8月当時は史上初の格下げだったこともあり、株価下落など市場も大きく動いたようです。
このように相場を揺さぶる発表が相次ぎ、株式も債権も為替も不穏な雰囲気漂う中、2023年後半はどういったテーマや個別株が株式相場をけん引するのか。世界的にインフレが続く中、長期金利が高まりつつあるということで、一般的には不動産系を避けて銀行系を買うのが定石なのでしょう。が、大化け株はそういった定石とは無関係に生まれるように思いますので、先入観に囚われることなく気になったテ
ーマから幾つかご紹介したいと思います。
物流業界の抱える2024年問題

昨年末あたりから耳にしているかもしれませんが、日本は2024年問題に直面しています。