体育会系組織では非常に優秀な「協調性があり、素直で熱い人」が一般社会では大して役に立たない理由…義理人情は必要なのか

元陸上自衛隊のインフルエンサー・ぱやぱやくんは、「場合によっては、自衛隊で高く評価された人ほど、一般社会に馴染むことができない」と語る。自信満々で自衛隊を引退するも、その後闇に落ちていく彼らの実態とは――。
厳しい訓練で鍛えられた自衛官の肉体と精神力は、自衛隊組織のみならず民間企業でも十二分に活躍しそうなイメージがありますが、現実はそうではありません。もちろん、自衛隊退職後に一般社会で大活躍する元自衛官もいますが、民間社会に馴染むことができず、「再入隊」という形で自衛隊に戻ってくる人たちさえ一定数います。
それどころか、自衛隊において「とても優秀な人」と言われる人ほど、民間企業では通用しないという悲劇さえあります。
なぜ私がそう思っているのかを、「陸上自衛隊」という組織にフォーカスし、解説をしていきます。
目次
自衛官は砲弾が降っていようと命令があれば突撃する
陸上自衛隊は国防の基盤であり、陸上自衛官は入隊時に「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえることを誓います」と宣誓し、有事の際は死ぬ覚悟を持って戦うことを誓います。
もっとわかりやすく言うと、陸上自衛官は「あの丘に向かって突撃しろ!」という命令があれば、小銃に着剣し「目標である丘」に向かって突撃しなくてはいけないのです。敵兵が機関銃をバリバリと撃ち、砲弾がドカドカ降っていようが、「命令なので突撃しろ」ということです。警察・消防は死者が1人でも出たら「任務失敗」になりますが、自衛隊は極端な話、死者が99人出ても最後の1人が丘を奪取すれば「任務達成」となります。
この非常に過酷な国防という任務を達成するために、自衛隊に入隊した新隊員は徹底的に規律を叩き込まれ、命令を達成できるように教育されます。
陸上自衛隊の優秀隊員には2種類のタイプがある
一例を挙げると、自衛隊には「反省」(ただの体罰で意味がないということで現在は廃止になっているそうです)という文化がありました。この反省とは誰かがミスを起こした際に、その教育区隊(20~30名ほど)全員で腕立て伏せなどを行うことを指します(「集合時間に遅れた」「整理整頓に不備があった」「小銃を落とした」等)。