実質賃金22カ月連続マイナス! 貧乏神・岸田政権のウソ減税!…渡辺喜美「6、7月解散総選挙へ岸田の布石」

日本銀行は3月19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、17年ぶりの利上げに踏み切った。日経平均株価はバブル期を超えるが、「実感なき最高値」に国民は困惑気味だ。
一方、政界は自民党派閥をめぐる「政治とカネ」問題で揺れる中、岸田文雄首相がイチかバチかの解散総選挙に打って出るとの見方が広がる。激動の2024年の「今」と「今後」について、自民党で行政改革担当相や金融担当相などを務めた渡辺喜美氏に聞いた。
第1回は「どうなる日本経済」をテーマにお伝えする。全3回の1回目(聞き手・経済アナリストの佐藤健太氏)。
目次
マイナス金利解除は、個人消費がより回復してからでも良かった
――日銀は金融政策決定会合で、マイナス金利の解除を決定しました。日銀は1月の会合時から大規模金融緩和からの転換について具体的に議論していたと報じられていますが、今回の植田和男総裁の判断をどのように見ていますか。
渡辺喜美
安倍晋三首相は在任中、日銀総裁に黒田東彦氏を推し、金融緩和策に端を発した3本の矢で「アベノミクス」を推進した。そのアベノミクスからの転換が植田総裁のミッションだったはずだ。いつかはやるだろうと思っていたが、はっきり言って「拙速」の一語に尽きるだろう。
今春闘の大企業回答で5%を超えたのが引き金を引いたのだと思われている。しかし、賃上げが個人消費を回復させ、物価を押し上げるのを見届けてからでも良かっただろう。
米国経済がソフトランディングに失敗したら、日本も多大な影響を受ける
――メガバンクは17年ぶりの利上げを受けて、普通預金の金利を引き上げています。利上げの影響としては物価の下落につながるとされる一方、住宅ローン金利や企業の借入金利の上昇が考えられます。
渡辺喜美