伝統の三菱商事vs成長の伊藤忠…日本が誇るスーパーエリートたちの頂上バトル!「資源バブル崩壊」利益横ばいに「株価・業績で追随」

本稿で紹介している個別銘柄:三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)
商社のビジネスモデルに磨きをかけ、近年は総合商社トップの座を伺う勢いのあった伊藤忠商事だが、資源価格の上昇を背景に、財閥系商社の業績が急回復している。直近の三菱商事と伊藤忠商事の業績はどのようになっているのだろうか?資源価格の上昇は三菱商事の業績に大きな追い風となったが、伊藤忠商事は自力での業績拡大に強みがある。両社の業績の推移や株価動向は今後も目を離せない状態が続きそうだ。みんかぶマガジン特集「決算書1000本ノック」第9回。
目次
円安に加え資源価格上昇により財閥系商社の業績が向上
“インスタントラーメンから兵器まで”と、総合商社の扱う商品の幅広さを示す言葉がかつてありました。その中でも、財閥系商社は鉱山や油田など資源権益を多く持ち、資源価格に業績が連動する傾向にあります。資源価格に影響を受けない経営体制の模索も行われていますが、その脱却はまだ途上です。逆に、非財閥系の伊藤忠商事は資源権益をそれほど持たないが故に、様々な改革で成果を上げ好調な業績が続きました。ただし、現在は、資源価格の上昇により財閥系商社の業績が急速に伸びています。
今回は旧財閥系商社の代表として三菱商事<8058>と、これまで総合商社成長のトップランナーを走ってきた伊藤忠商事<8001>の決算を見てみましょう。
三菱商事は急速な円安が進んだ2023年3月期が業績のピーク
三菱商事の業績は以下の推移です(IFRS基準を採用)。