竹中平蔵「日本の民主主義の不健全性と劣化を示している」…バイアスのかかった新聞世論調査、なぜ許される

7月7日投開票の東京都知事選について、竹中平蔵氏は「このままでは、日本は本当にダメになる」と警鐘する。主に問題としてとらえているのは「小池憎しで、明確な根拠なくカイロ大学に不正卒業関与の疑いを投げかけ続ける人種差別」「立候補による売名行為の多発」などだーー。
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「カイロ大学が不正に卒業させた」と証拠もなく主張し続けるのはまさしくエジプト人差別
東京都知事選挙で今回も現職の小池百合子氏のカイロ大学不正卒業疑惑に注目が集まりました。当然、経歴詐称はよくないことですが、小池百合子は既に自身の卒業証明書を公に提示しており、カイロ大学も小池都知事が卒業生であることを声明で出しています。
それでも、一部マスコミや民衆が「カイロ大学が不正に卒業させた」と証拠もなく主張し続けるのはまさしくエジプト人差別でしょう。日本人が大学を卒業したことを証明するためには卒業証明書を大学から発行してもらいます。それを見て「大学が不正に卒業させたはずだ」などと皆さんはいちいち指摘するのでしょうか。
大リーグ、ロサンゼルス・ドジャースの元通訳、水原一平氏を巡っても学歴詐称疑惑が話題に上がった際、卒業したとされていたカリフォルニア大学リバーサイド校の広報担当者が「在籍記録がない」と明かしました。その時多くの日本人はリバーサイド校の広報担当者が「嘘をついている」とは言わず、そのまま受け入れました。
相手が途上国になった瞬間に「何か悪いことをしているに違いない」という偏見
なぜ、エジプトのカイロ大学に対してはいつまでも「不正に卒業させた疑い」を投げかけ続けるのでしょうか。テレビでも何の根拠も示さずに「アラブの国家や大学では不正がまかり通っている」などと平気で発言するコメンテーターがいます。仮に過去に何等かの不正があったとして、「だから今回のケースも不正に違いない」と誘導するのは明らかなアラブ人、アラブ国家、エジプト人に対する人種差別です。
同じ日本人や西洋国家に対してはそんなことはしないのに、相手が途上国になった瞬間に「何か悪いことをしているに違いない」という偏見のもと疑いだすのは、人としてやってはいけないことです。そして自分たちが無意識で差別していることにすら気づかない日本人のあまりの多さに愕然とします。カイロ大学が不正に関与していると勝手な疑惑を投げかけられ、日本在住の元カイロ大学副学部長が怒っていましたが、当然の話です。
小池都知事は、名誉棄損で訴えればいい
今、日本は法治国家かどうかが本当に問われています。証拠がないのに、誰かに対して疑惑を言うのは問題提起ではなく決め付けです。きちんと卒業証明書が偽物であるということをまずは自分たちで証明するべきです。それができていない段階で数年間に渡って学歴詐称疑惑を報じられ続けている小池都知事は、名誉棄損で訴えればいいと私は思っています。これは本人の名誉だけではなく、中東の名誉を守るという意味でもです。