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元三井物産・資産数億円投資家「暴落時に買い戻した高配当銘柄」半導体はバブルだった…荒れる相場に不安になってしまう“普通の人”向け投資術

本稿で紹介している個別銘柄:三菱HCキャピタル(8593)、三井物産(8031)、三菱商事(8058)

 急落から始まった8月の東京株式市場。そんな中で高配当株をメインとして毎日のようにS株(単元未満株)をコツコツと買い進め、資産数億円を築き上げた紫宝氏は、「目先の株価に惑わされずに粛々と株を買っていけば、最終的には必ず望む以上の豊かさを手に入れることができる」と話す。紫宝氏に暴落局面での考え方について聞いた。みんかぶプレミアム特集「一人勝ち投資術」第3回。

目次

半導体は“バブル”だった

 8月1日、東京株式市場が大幅反落しました。その後8月5日まで続落を続け、同日時点で7月11日の高値からは1万円を超える下げ幅となりました。

 ただし2024年の日経平均株価は、7月まですさまじい勢いで上昇を続けてきました。7月末時点でPER17倍超え、PBR約1.6倍と、これまでの流れから見ても「短期的には適正水準の上限に来ている」状態にあり、そのことを私も発信してきました。

 とりわけ半導体は、バブルの状態にありました。株価というのは、筋トレに通じるところもあります。筋肉を鍛えると、一時的に筋組織が破壊されます。しかし適切な栄養と休息を取ることで、筋肉はさらに成長していきます。しかし筋トレのやりすぎはかえって身体によくありません。

 業績に株価が付いてきて、調整を経ながらもEPS(1株当たり純利益)が伸びていき、会社がさらに成長していく…というサイクルを繰り返すのが本来のあるべき姿です。このとき、企業の成長スピードと同じ速度で株価が上がっていけばいいのですが、現実にはなかなかそうはいきません。

 とくに昨今の半導体では、期待値によって株価が上がりすぎました。そもそも半導体バブルに踊らされた人たちの中には、「半導体とは何か」もよくわかっていないままに買い進めるケースが多く見られました。そのような銘柄は、決算が期待通りに上昇していなければ、一気に株価が下がることになります。

暴落時でも日経平均はフェアバリュー

 8月1日からの大きな下げで、株に対して悲観的になっている人も多いと思います。とりわけ最近参入した人ほどそのような傾向が強いかもしれません。ですがこの下げは、「自分の投資スタイルは本当に正しいと自信を持って言えるのか」を再確認するための良い機会になったと私は思います。

 今回の大きな下落で大きなダメージを受けたのは、短期的な株価の値動きによるキャピタルゲインで利益を得ようと考えている人たちでした。もちろんその企業に惚れ込み、中長期の視点で投資をしている人もその資産額は大きく減らすことになりましたが、その企業の10年、20年後の成長を信じているので、それほどダメージは大きくないのです。むしろ、ここまで大きく下げた相場は絶好の買い場です。

 さらに言えば、日経平均株価は8月5日に3万1458円まで下がりましたが、1年前の2023年10月末時点で、日経平均株価は3万858円でした。日経平均は長らく3万円にすら届いていなかったのに、わずか1年前に戻っただけで私たちはこれだけ騒いでいるのです。人というのは、いまの環境にすぐに慣れてしまう生き物だということがわかります。

 なお確かに下げ幅は大きかったですが、この暴落時でも、日経平均PER・PBRの水準的にはまだフェアバリューにあります。

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この記事の著者
紫宝

米国大学卒業、三井物産出身のダイヤモンドメンタル投資家。2001年に株式投資を開始。現在は「安定配当大型株」を中心に個別株7割(約200銘柄)、インデックス3割の割合で投資。他にもFX、隕石トレード(兼コレクター)、書籍CDせどり、不動産(宅地建物取引士)など、取り扱う範囲は広い。

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