「大暴落でも強気にメガバンク」年間配当100万円を実現した名物投資家が厳選…今こそ買い増ししたい鉄板9銘柄

本稿で紹介している個別銘柄:三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、トヨタ自動車(7203)、三菱商事(8058)、伊藤忠商事(8001)、NTT(9432)、KDDI(9433)、ソフトバンク(9434)、東京海上ホールディングス(8766)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)
新NISAの導入に伴い、個人投資家の間で高まっていた投資熱が、一転して冷え込む事態となった。2024年8月5日に発生した株価の大暴落である。この日の日経平均株価は4451円の大幅下落を記録し、1987年のブラックマンデー翌日に見られた3836円の下落を上回り、過去最大の下げ幅となった。暴落率でも史上2番目の規模となり、市場に衝撃を与えた。
この急激な市場変動を受け、インターネット上では「新NISAを始めたことを後悔している」「相場はまさに地獄のようだ」といった投資家の悲観的な声が多数見られる。そこで、大型株の配当株を中心とした投資手法を確立し、8万部を超えるベストセラーの第2弾『新NISAで始める!年間240万円の配当金が入ってくる究極の株式投資』(クロスメディア・パブリッシング)を今年5月に出版した投資家の配当太郎氏に、このような市場環境下でも安定した配当収入を得るにはどうすればいいか、聞いた。みんかぶプレミアム特集「一人勝ち投資術」第6回。
目次
大暴落でも強気に買った「メガバンク銘柄」
今回の株価暴落には大きな衝撃を受けました。しかし、過去にライブドアショックやリーマンショック、東日本大震災といった大規模な市場の混乱を経験してきた投資家としては、株式投資は予測不能な事態が起こるものであり、冷静に対応し、嵐が過ぎ去るのを待つことが重要だと感じています。
今回の株価暴落の要因を考えると、7月末の日銀の追加利上げや、植田和男総裁によるタカ派的な発言によって円高が急速に進行したことが挙げられます。これにより、円キャリー取引(金利が低い円で資金を借り入れ、その資金を外貨に転換して運用し、運用益に加えて金利の利ざやで利益を得ようとする取引)で売りポジションを持っていた投資家が円の買戻しを迫られ、巻き戻しが発生しました。市場はさまざまな要因を織り込みながら動くため、現時点で暴落の原因を断定することは難しいですが、結局のところ、株価の乱高下によってパニックが引き起こされ、売りが売りを呼ぶ事態に陥ったと考えられます。
しかし、私がメインとしている配当株投資の手法では、企業の業績が重要視されます。今回のような市場の動揺が、5年から10年後の企業業績にどの程度影響を与えるかを見極めることが必要であり、現在の市場状況を悲観的に捉えるべきではありません。
理由が明確でない株価の下落は、むしろ買いの好機と捉えています。私が注力している配当株投資の主力銘柄である三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は、8月5日時点で21%の下落を見せ、1200円台まで下がりましたが、私はこのタイミングで強気に買い増しました。リーマンショック時に大きく株価が下がったメガバンクがその後復活したように、三菱UFJフィナンシャル・グループも業績は依然として好調であり、今回の株価下落が金融システムの崩壊を意味するものではないと判断しています。