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竹中平蔵「進次郎か、それ以外か」…総裁選、小泉が目指す「制度的差別のない自由な国」を大解説「やっぱり彼には純一郎さんのDNAが流れている」

 自民党総裁選挙が幕をあげた。過去最多の9人が出馬した今回の総裁選では、40代の議員が2日も出馬した。そのうち今回最年少の小泉進次郎氏が当選すれば、憲政史上最も若い総理大臣が誕生することになる。その進次郎氏の父、純一郎氏が総理大臣だったときに経済財政政策担当大臣に就任し、日本経済の「聖域なき構造改革」を断行した、竹中平蔵氏は進次郎氏に何を思うのか。竹中氏は「総裁選候補者の中で国の形を語っているのは進次郎さんしかいない」と語る。

「竹中平蔵ロングインタビュー」前半は、進次郎氏が語る「国家の形」について、竹中氏が解説する。「進次郎か、それ以外か。そんな様相を呈している」ーー。

目次

「仕組みを変える」ことができる次のリーダー

 自民党総裁選が始まりました。立候補する議員の数は過去最高になりました。

 今回の総裁選では候補者の数以外にも大きな特徴があります。それは50代がいないことです。40代の候補が二人であとは60歳以上です。一時期は次期総裁候補として名前が挙がっていた50歳の小渕優子さんも今回の総裁選には出馬しませんでした。

 日本の総理大臣で最も若かったのは伊藤博文で44歳です。戦後最年少の故・安倍晋三元総理も52歳でした。小林鷹之さんは49歳、小泉進次郎さんは43歳。仮に進次郎さんが総理になれば、憲政史上最も若い総理になることになりますが、小林氏が総理になっても大きな「刷新感」があるでしょう。

 そういった意味で注目される進次郎氏と小林氏ですが、小林氏に関していうと、明らかに保守の立場をとっています。私は、小林さんはゴテゴテの保守ではないと思っているのですが、政治的なポジションを取っているように感じます。小林さんは元役人でとても能力の高い方です。ただ今のところ「仕組を変える」というイメージを出していません。

進次郎には純一郎のDNAがある

 実はこの「仕組を変える」という雰囲気は一人を除いて誰も出していません。小泉進次郎さんです。

 やはり、というか、純一郎さんの息子である進次郎さんには純一郎さんのDNAがあります。本質をつく議論ができるところなど、お父さんの血を引いているなと感じます。総裁選出馬会見でも、「知的レベルが低い」と記者に指摘されたことに対して「私に足りないところがあるのは事実。その足りないところを補ってくれる最高のチームを作る」と見事に切り返していました。純一郎さんを彷彿させる、爽快な回答でした。

 進次郎さんの「決着」というキャッチフレーズも強烈だと思います。「解雇規制緩和」「ライドシェア」「選択的夫婦別姓制度」「憲法改正」……。これまで散々国民が議論してきたのに政治の怠慢でなぁなぁにしてきたこと全てに対して「決着」をつける、と。全面的にいろいろな改革を目指しているのを感じます。進次郎さんが明確に問題提起したことが中心の座標軸となり、各候補者はそれにどう反応するか、というのが選挙戦の争点になってきています。

 重要なのはどういう「大きな方針」でこの「国の形」をつくるかということだと思っています。「国民のために」とかそういう一般論的なものではない、明確な方針・メッセージがなかなか出てきません。「国の形」も見えてきません。そんな中で一番、今回の総裁選候補の中でプロボカティブ(挑発的な、刺激的な)な政策を打ち出しているのは小泉進次郎さんです。進次郎さんの主張からは「制度的差別のない自由な国」という形が見えてきます。もはや、政策論争に関していうと進次郎さんか、それ以外か、という様相を呈しています。

高市、小林、河野、石破…何が今一つなのか

 例えば選択夫婦別姓については、高市早苗さんが反対をしています。高市さんも強い人気を誇っており、とくに故・安倍元総理を支えた保守層から高い支持を得ています。そんな中で「伝統的価値観を守る」と主張する選択的夫婦別姓の反対者の意見を意識していると言えるでしょう。

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