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【やめておけ】48歳男性、転職で年収1000万円から半減…あと約10年で金融資産ゼロに!男性の答えは「不動産投資でなんとかする」

 転職が珍しく無くなったとはいえ、収入は必ずしも増えるケースばかりではありません。今回は諸事情により転職を考えているものの、転職した場合には収入が最大半減する可能性がある濱野さん(仮称)のケースをご紹介しましょう。なお、濱野さんのご相談はメール等のやりとりで行ったことを最初に記しておきます。

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*ご相談が必ず回答されるとは限りません。編集部と深野さんが実際に回答する答えを選びます。

目次

年間の支出は息子の塾費用を含めて516万円

 48歳の濱野さんは、働き方などの条件が合う転職先を探すと年収は1000万円から500万円位に下がりそうな雰囲気です。転職して年収が半減した場合、息子が高校・大学に進んでも、家族が余裕ある老後生活を送るためには、定年退職までにどれほどの金融資産を築く必要があるのかのご相談でした。濱野さん、相談時には転職前だったことから転職先の退職金の有無、65歳以降に受給できるご夫婦の公的年金額など一部不明なものがありました。このため家計収支などは推測を交えて行いながら濱野さんに回答したことをご理解ください。

 濱野さんが転職する時期は最長1年以内としました。そして相談時の世帯収入は1060万円でしたが、額面金額と判断して手取額は820万円としました。年間の支出は息子さんの塾の費用を含めて516万円でした。その他に濱野さん不動産投資を行っており、月々1万6500円の負担をしていると述べていました。年間で19万6000円になりますが、この負担は年間の支出516万円に含まれていないと考えて年間の支出は不動産投資の19万8000円を加えた535万8000円としました。

親の希望進路は県立高校、国公立大学

 収入820万円、支出535万8000円ですから年間黒字額は284万2000円。何もなければ全額を貯蓄に回せることになりますが、濱野さんの転職時期を最長1年以内としたため、転職時期によっては黒字額の全額が貯蓄に回せないことになります。このため試算では半額の約142万円を貯蓄に回すことができるとしました。濱野さんが相談時に保有する金融資産額は貯蓄550万円、投資信託710万円の合計1260万円。1260万円に142万円が加わると金融資産額は1402万円になります。退職金はたぶん無いと濱野さんがおっしゃっていたため、金融資産額は、濱野さんが転職した時点では1402万円で変わらないというようにしました。

 濱野さんが保有する金融資産額1402万円から息子さんの教育費を先に差し引くことにします。1人息子は現在14歳の中学3年生です。1人息子、転職時には濱野さんが希望されている県立の高校に進学しているはずです。高校3年間で公立では約150万円の教育費が必要といわれています。大学はできれば国公立と考えられているので、その費用を4年間の授業料総額約215万円に少々上乗せした250万円とします。高校150万円、大学250万円の合計400万円になりますが、大学進学に向けて塾などに通うと思われるのでその費用を100万円とすれば、息子さんの教育費は500万円になります。仮に息子さんが国公立ではなく私立に進学した場合、教育費は200万円位が増額になると認識しておいてくださいとお伝えしておきました。金融資産額1402万円から息子さんの教育費500万円を差し引くと残りは902万円になります。

もし転職すれば60歳で金融資産は底を尽く

 次に濱野さんが転職した場合の家計収支を試算していきました。転職後の収入は額面金額で520万円位に下がると述べていたため手取額は420万円とします。年間支出額は535万8000円になりますが、ここには息子さんの塾代19万8000円が含まれています。また金額は多くはないものの息子さんが中学校に通っている際の教育費もいくらか含まれているはずです。息子さんが部活などをされているかわからないため、息子さんの中学時代の教育費を月1万円、年間12万円としました。

 支出総額535万8000円から塾の費用19万8000円、中学時代の教育費12万円を差し引くと504万円が年間支出になります。年間収入420万円、年間支出504万円ですから年間収支は84万円の赤字になります。息子さんの教育費を差し引いた金融資産額は902万円ですから、11年弱、濱野さんが60歳を迎える時点で金融資産は底を尽くことになります。息子さんが大学を卒業されれば年間支出は減額になるでしょうが、それでも公的年金の受給が始まる65歳まで金融資産額が持つ可能性はほとんどないといわざるを得ませんでした。濱野さんの転職を成功させるにあたり、早急に家計収支も見直しをしなければならない状況です。

65歳までに老後資金2000万円前後まで貯蓄を増やしておく必要がある

 以上の試算のように家計収支を見直さず濱野さんが転職した場合、貯蓄ができないどころか公的年金の受給が開始する65歳未満で家計が破綻してしまうことでしょう。このため転職と同時に抜本的に家計収支を見直す必要があります。息子さんの教育費を除いても84万円の赤字ですから、まずは家計支出を手取収入以内に抑えなければなりません。転職後の濱野さんの手取額は420万円の予定ですから、支出を84万円減額した420万円以下にする必要があります。

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この記事の著者
深野康彦

ファイナンシャルプランナー。ファイナンシャルリサーチ代表。1962年生まれ。クレジット会社を経て独立系FP会社に入社、96年に独立。30年以上の実績を持つ日本のFPの草分けの一人。さまざまなメディアやセミナーを通じて家計管理の重要性や投資のあり方を発信するとともに相談業務も行っている。

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