堀江貴文「中学受験は古すぎる」「大学に『就職予備校』として通う価値はない」暗記偏重型教育の害悪

東大に進学し、その後中退した実業家の堀江貴文氏。「昔は僕でも東大に行く意味がありましたが、今の時代なら、わざわざ東大に行かなくても良かったです」と話す。新時代に必要な教育とはどんなものか。堀江氏が本音で語ったーー。
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大学に「就職予備校」として通う価値はない
ーー堀江さんは以前から「大学は行く意味がない」とおっしゃっていますが、その理由をあらためてお聞かせいただけますか?
そうですね。少なくとも「就職予備校」として大学に通う意味はあまりないと思います。
なぜなら、大学は本来、高等教育機関であり、知的に優れた人たちが集まる場です。そもそも、大学で何かを教えてもらうために行くという発想自体が少し違うと思います。大学は本来自ら学ぶ力を持つ人たちが集まる場所であり、教授から何かを教わるために通う場所ではありません。
ーーとはいえ、実際にはほとんどの人が就職のために大学に通っていますが、大学には行かずに直接就職活動を始めればいいということでしょうか?
そうですね。今の時代、インターネットを使えば論文などにも簡単にアクセスできるため、独学で学ぶことが可能です。それを活かして自分で学び続ける方が有意義だと考えています。そもそも、自分で学ぶ力のない人は大学に行く必要がないのではないでしょうか。大学は、自分で学べる人が集まるべき場所ですし、今の時代、独自に学習できる手段が豊富にあります。まさに「みんなが学び合う時代」と言えます。
また、学校を卒業してしまうと、その後は多くの人が学ぶことをやめてしまう傾向があります。しかし、今のように日進月歩でテクノロジーなどが進化している時代には、卒業後も学び続けることが必要不可欠です。
例えば、ウイルスに関する知識も30年前と比べて大きく変わっています。私が大学を去ってから30年が経ちましたが、現在のウイルスに関する知識は当時とは全く異なります。もし学び続けていなければ、新型コロナウイルスのようなものが現れた時に、無知であるがゆえに過剰な恐怖を感じてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、継続的に学ぶことが非常に大切です。インターネットを活用すれば、大学に通わなくても自分で情報をキャッチアップする手段はいくらでもあります。私自身も大学には行っていませんが、それでも学び続けることができています。
堀江貴文はネットに蔓延る「学歴厨」たちをどう思うか
ーー最近、ネット上で「学歴厨」と呼ばれる人々が話題になっています。いわゆる、有名大学を出たことを誇りにし、それを自慢する一方で、「Fラン大学」を馬鹿にするような発言をする人たちのことです。また、有名大学出身という肩書きが欲しいという理由だけで大学を目指す高校生がいるという話もよく耳にします。このような風潮について、どのようにお考えでしょうか?
肩書きのためだけに有名大学を目指すことが完全に無駄だとは言いませんが、コストパフォーマンスが悪いと感じます。プライドのためだけにそのようなことをするのは、少しもったいないように思いますね。
例えば、中の上くらいに可愛い子が「整形したい」と言っている場合に、「君は十分可愛いから整形しても無駄だよ」と言うようなものです。つまり、客観的に見ると無駄であるものの、自己満足のためにやっている部分が大きいのです。自己満足が目的であればそれでも構いませんが、客観的には無駄に見えますし、コストパフォーマンスは良くないと感じます。
そのため、「大学に合格した」という肩書きがどうしても欲しいのであれば、入学してすぐに辞めるという選択肢も一つの方法です。そうすれば、学費も最低限で済み、「合格した」という事実だけが残ります。
なぜ堀江貴文は大学を辞めたのか…起業するために東大に進学するのはもう古い
ーー米国のテック系起業家たちが名門大学に合格してもすぐに中退するのは、そういった自己満足的な話と同じようなものなのでしょうか?