「シネシティ広場をいつまで閉鎖するの」トー横キッズから質問に新宿区長、驚きの答え…都運営保護スペースでも補導さる少年少女「行き場の無さ」

「新宿東宝ビル」周辺に溜まる少年・少女たちが「トー横キッズ」と呼ばれ始めたのは2019年のことだった。以来、未成年による援助交際、暴行行為、オーバードーズなど、犯罪の温床として度々メディアに取り上げられるようになった。しかし、問題はいまだ解決していない。「トー横キッズ」の現地取材を続けるライター・ツマミ具依がその実態を届ける。第2回は2024年に「トー横」で起きた2つの変事について――。
目次
トー横キッズたちのフリースペース「きみまも」
2024年はトー横にとって歴史的な一年だっただろう。社会問題として世間の関心を集めてきたトー横キッズ。解決の道を模索するなか、現在地はどこにあるのか。それは「きみまも」と「広場封鎖」という2つの出来事から見えてくる。
トー横キッズ対策として、東京都が運営する「きみまも」。トー横をはじめとするさまざまな悩みを抱える若者を対象とした総合相談窓口のことで、5月末からトー横から徒歩2分のところに設立された。これまでもっぱらNPO頼みだったトー横キッズの問題を行政が本格的に取り組みはじめたのだ。
開設当初のきみまも。部屋のレイアウトは適宜変更されている
その力の入れ方は東京都の予算を見ても明らかである。トー横にまつわる「犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援」という名の予算は2023年度に初めて組まれ、その金額が2000万円だったのに対し、24年度は約9倍の1億7,938万円も組まれていた。
そんな「きみまも」に、私も利用者の一人としてときどき顔を出していた(邪魔にならない範囲で)。相談窓口よりもフリースペースとして利用する人が大半で、各々が友人と話したり、一人でスマホをいじったり、学校の放課後のような雰囲気だ。ここで睡眠を確保しようと壁際で寝ている人も珍しくない。「きみまも行く?」と話題に出ることも増えていき、トー横キッズの憩いの場として支持されていた。
警察に反発する17歳のトー横キッズ
だが、9月頃から雲行きが怪しくなる。施設内でひわいな行為をしたとして9月10日に利用者2人が逮捕される事件が発生。この件は全国ニュースで報じられたが、事件発生から5日後、“別の事件”も起きていた。
「普段通り利用してただけなのに、警察がきて補導された」