いじめ、独房、極貧、売れる前のアレン様が長い「くすぶり期間」で学んだこと…「全人類、少年院に入ったほうがいいわ」(アレン様)

中学時代にいじめに遭い、不登校になり、非行グループへ入った末に少年院で過ごすことになったアレン様。その後、大人になってテレビに出始めるも、鳴かず飛ばずの時期があった。その「くすぶり期間」にアレン様は何をしていたのか。どうやって這い上がったのか。アレン様の過去を聞いた。カリスマ・アレン様のお金と人生哲学に迫る短期連載全2回の第2回。
構成/國友公司
撮影/藤中一平
目次
最初に出演したテレビで人生が狂った

――今でこそ人気のアレン様ですが、上手くいったことばかりではなかったと思います。最初にテレビに出たときのことは覚えていますか。
あれは2014年の3月だったんですけど、初めてのテレビじゃないですか。大きい局だったし、しかもゴールデン番組。私を取り上げたVTRが30分も放送されるなんて、当時はまだありえない話で、もちろん嬉しかったです。でも、オンエアを観て「えっ」て、思っちゃったの。それは、自分がテレビのことを何もわかっていなかったからなんだけど、向こうのやりたい放題にやられて、「これを言え」ってことを言わされて、今言うと悪いけど、完全にヤラセだったんですよね。
――どんな風に取り上げられてしまったんですか。
オンエアでは「ただのクズなヒモ男」として私は映し出されていました。全然そんなんじゃないのにでっち上げられて、「違うのに」って違和感だらけだった。それから何度がテレビに出ましたが、自分じゃない自分を演じさせられているから、本来の自分を出せないですよね。6~7年、まったく面白くなかったの。周りの人からも「アレン様っていつもは面白いのに、なんでテレビ出たらそんなに面白くないの」って言われていました。「アンタ、売り出し方変だよ」って。仕方ないから言われた通りにやっていたけど、それがくすぶっていた一番の原因ですよね。本来の自分を出させてくれないし、出す場もない。
――整形に狂った男、みたいな感じでテレビに出ている時期がありましたよね。
私は目的があって整形をしていたの。幼少期にいじめられた経験からもっと美しくなって見返したいとか、いろんな原動力があったのに、一部分だけ切り取って「整形に狂って金を貢がせる男」みたいな感じで映された。
売れないアレン様が消えた瞬間
――風向きが変わったのはいつぐらいからだったんですか。
それは、変えたんです自分で。テレビに出ている自分を見ても面白いなんて思わないし、需要がどこにもないし、あんなの誰の心にも刺さらない。これじゃ人気が出なくて当然だってずっと思っていて。もう、やさぐれていたんですよね。お金も全然ないし、フラストレーションが溜まりまくって、全部が上手くいかなかったんですよ。
――どんな気持ちで毎日を過ごしていたんでしょうか。
そのときのことを振り返ると、人のことを妬んでばかりで、本当に歪んでいました。自分だって売れたいのに周りばっかり売れて、自分はお金ないのにSNSを見ると周りばかり儲かっていて。綺麗な人を見ても「キモい」と言ったり、カッコいい人を見ても「すぐに老けて終わるじゃん」と言ったり、卑屈でした。そんな自分にも嫌気が差していたけど、どうにもできないし、仕事も来ない。もう全部が駄目。
――そんな状況を打破する瞬間がどこかでやってきたんでしょうか。
友だちに「アンタ、素のほうが絶対面白いよ」って言われたことを思い出したんです。テレビの仕事も何もないんだったらTwitterで自分が考えていることを発信してみようと思って。私すごく「キレ症」だったので、世の中にブチギレていることをTwitterに上げてみたんですね。そうしたら、「アレン様って思っていたのと違う」という反応が出てきて、それから今のような私ですよ。あの瞬間から変わりました。
アレン様が少年院の独房に入れられた理由
――14歳で少年院に入られたそうですが、どんな生活だったんでしょうか。
本当は11カ月で出られるはずだったんですが、伸びて、伸びて、最終的に2年になったんですよ。どんな生活って言われても、全部の窓が檻でしょ。塀は身長より優に高くて、有刺鉄線が張られているでしょ。閉鎖的な空間ですよ。もう思い出したくないくらい辛かったです。特に独房が辛かった。
――独房に入れられたってことは、何かやらかしたってことですよね。