立花孝志「堀江貴文がフジテレビの社長になる」竹中平蔵がNHK党党首に語った「日本のメディアの欠陥」ジャニーズ問題の根幹とは【対談】

みんかぶマガジンにて、経済学者の竹中平蔵氏と「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏の対談を実施した。兵庫県知事選やフジテレビなど多岐にわたるテーマについて議論した内容を全6回にわたってお届けする。第2回はフジテレビなど民放テレビ局のガバナンスについてーー。(取材日:2025年2月10日)
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フジテレビ他民放の制度的な欠陥
ーー制度の議論が必要というのは、フジテレビの問題にも通じるお話ですね。
竹中平蔵:はい。放送法には資本制限が設けられています。また、親会社である新聞社には株式の譲渡制限があり、この仕組みがガバナンスを効かせにくい構造を生み出しています。その結果、ガバナンスが機能しない親会社が、同じくガバナンスの効かない子会社を作ってしまうという問題が発生しているのです。
したがって、この制度の根本的な部分を変えない限り、今回の問題に限らず、今後も同様の問題が繰り返されるでしょう。研究者としては、この点を指摘し続ける必要があると考えています。しかし、こうした制度の話を普通にしても、なかなか一般の人々に関心を持ってもらえないというのが現実です。
立花孝志:そうですね。私は2004年、堀江貴文さんが近鉄球団の買収に動いた頃から、こうした問題を注視していました。当時、私はNHKのスポーツ放送権を担当しており、各球団への放送権料の支払いを把握していました。阪神には多くの放送権料を支払い、ダイエーにもそれなりの額を支払っていましたが、近鉄には比較的少額でした。そうした状況の中で、堀江さんの動きは非常に革新的だと感じました。
その後、堀江さんがフジテレビの買収に動いた際、「これは核兵器に匹敵するような強力な武器を手に入れに行ったな」と思いました。NHKの局内では「テレビは国民を洗脳する装置」と教えられていましたので、堀江さんがフジテレビを買収することで、国民の意識に大きな影響を与える可能性があると見ていました。そのため、近鉄球団の買収とは比べ物にならないほどの反発が生じるだろうと予想していましたが、案の定、大きな騒動となりました。あの出来事以降も、私は20年以上にわたり、堀江さんの動きを注意深く観察し続けています。
竹中平蔵:本当にその通りですね。郵政民営化の際には、堀江さんが亀井静香さんと戦ったこともありました。彼にしても、立花さんにしても、常にさまざまなアクションを起こして、社会に対して問題提起をしている。その姿勢は非常に興味深いし、すごいことだと思います。
立花孝志が語る、堀江貴文がフジテレビの社長になるシナリオ
竹中平蔵:そうですね。法律上の制度に関してですが、通常、企業の経営が傾いた場合、投資ファンドなどが介入し、TOB(株式公開買付)を行い、株式の51%を取得して経営権を掌握し、改革を進めていきます。しかし、現在の制度では、特定の株主が3分の1以上の株式を保有することができず、さらに外資規制により、外国資本は20%までしか持てません。そのため、単独での支配は難しいですが、複数の株主が協力すれば改革の可能性は十分にあります。