竹中平蔵「NHKはジャーナリズムに徹するべきだ」なぜ、阪神巨人戦を放送する?立花孝志がぶち上げる「公共放送、大改革論」【対談】

みんかぶマガジンにて、経済学者の竹中平蔵氏と「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏の対談を実施した。兵庫県知事選やフジテレビなど多岐にわたるテーマについて議論した内容を全6回にわたってお届けする。第3回はNHKのあるべき姿についてーー。(取材日:2025年2月10日)
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立花孝志はNHKをどのように改革したいのか
立花孝志:本来なら、その役割を最も果たしやすいのがNHKなんですけどね。NHKは受信料制度によって安定した収入を得ているため、経営と編集の独立性を確保しやすいはずです。だからこそ、本来であれば、公共放送としてNHKがジャニーズ問題やフジテレビ問題を率先して取り上げるべきでした。
しかし、近年のNHKは、視聴率や収益を意識するあまり、民放のような動きをするようになっています。その結果、本来の公共放送の役割を果たせていないことが、問題の根本にあるのではないかと感じます。
竹中平蔵:よく分かります。では、立花さんにお聞きしたいのですが、「NHKから国民を守る」という視点から見て、どのようにNHKを改革すれば良いとお考えでしょうか?
立花孝志:理想的なNHK改革として、まず最初に取り組むべきなのは、公共放送NHKの受信料制度について、国民に徹底的に説明することです。おそらく、NHKの職員ですら受信料制度の本質を十分に理解していないのではないかと思います。
受信料制度は税金とは異なり、大金持ちも貧しい人も同じ額(現在の月額1,110円)を支払うことで成り立っています。この仕組みによって、NHKは大企業や政府に媚びることなく、独立した報道が可能になるはずなのです。実際、イギリスのBBCでは、国民がこの意義を理解しており、その結果として独立性が保たれています。しかし、日本ではNHK自らがその意義を十分に伝えきれておらず、国民の理解が進んでいないことが大きな問題だと思います。
竹中平蔵:そうなんですよね。だからこそ、結果的にNHKは「世界最大のペイテレビ」とも言われています。ただ、一般的な有料放送とは異なり、NHKの受信料は罰則のない「負担金」という特殊な形態を取っています。この制度の本質を国民に正しく説明し、制度改革について真剣に議論する必要があると思います。