立花孝志、兵庫県知事選巡る刑事告訴について「僕を起訴してほしい」…竹中平蔵に語った奥谷氏の自宅兼事務所に行った理由【対談】

 みんかぶマガジンにて、経済学者の竹中平蔵氏と「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏の対談を実施した。兵庫県知事選やフジテレビなど多岐にわたるテーマについて議論した内容を全6回にわたってお届けする。第6回は兵庫県知事選についてーー。(取材日:2025年2月10日)

目次

立花孝志「パワハラの定義上、誰も申告していないのに『パワハラがあった』とは言えない」

ーー 兵庫県知事選についてお伺いします。立花さんは非常に目立っていましたが、今回の選挙活動についてどのようにお考えですか?

立花孝志: 確かに目立っていたかもしれませんが、すべて政党の方針に基づいて行動しました。ただ、私の行動が「やりすぎ」と感じる方もいるかもしれません。しかし、私は県民の皆さんに事実を伝えるために行動したつもりです。

ーー刑事告訴もされていますよね。自宅兼事務所への訪問や、当初「パワハラはなかった」とされていた件についても議論になっていますが、どのようにお考えでしょうか?

立花孝志: そうですね。まず、パワハラの定義ですが、これは法律上、被害者が申告しない限り成立しません。ですから、誰も申告していないのに「パワハラがあった」と認定すること自体、あり得ない話なんです。実際、今回の内部告発にもパワハラの項目は含まれていませんでした。

刑事告訴に対する立花孝志の考え方

ーー刑事告訴については、どのようにお考えですか?

立花孝志:私にとっては日常茶飯事です。去年だけでも、何回警察に呼ばれたか分かりません。とはいえ、名誉毀損というのは、基本的に「真実性」「真実相当性」、そして「公共性・公益性」が問われるものです。

 例えば、今回の奥谷さんの名誉毀損の件も、百条委員会で奥谷さんが虚偽の発言をしたと私が主張したことに対して、彼が「名誉毀損だ」と訴えているわけです。しかし、もし百条委員会の委員長として嘘をついたとなれば、それは確かに彼の名誉が損なわれる可能性があるでしょう。

 しかし、私は事実に基づいて発言していると考えているので、それを証明するだけのことです。

ーー今回の件がどうなるかは分かりませんが、逮捕されることへの危機感はありますか?

立花孝志:私はこれまで逮捕されたことはありませんし、逮捕される理由もないと思っています。逮捕されるのは、事実を隠蔽したり、逃げたりする人です。しかし、私は隠れもしなければ、逃げもしません。日本では「逮捕=有罪」というイメージが強いですが、私は法の範囲内でしっかりと対応しています。

奥谷氏の自宅兼事務所に立花孝志が行った理由

ーーとはいえ、今回の奥谷さんの事務所訪問については、「やりすぎでは?」という意見もありますよね。例えば、自宅兼事務所に押しかけた点などについてはどうお考えですか?

立花孝志:今回の「脅迫」とされる件についても、私が彼の事務所に行くまでにどのような経緯があったかが重要だと思います。

 そもそも、私は彼の自宅を狙って行ったわけではなく、彼が公表している事務所を訪ねただけです。それに、私が手持ちの小さなマイクとスピーカーを使って質問していたら、自然と人が集まってきただけのことです。

 私はその場で、「百条委員会の委員長という立場にありながら、結果も出ていない段階でYouTubeの『ReHacQ』に出演し、なぜ嘘をついたのですか?」と尋ねました。『ReHacQ』では、彼は「パソコンの中身は知らない」と発言していました。しかし、その発言と彼の行動が一致しないため、私は直接質問しに行ったのです。

 ところが、テレビでは「奥谷さんが怖がっている」と報道され、一方でネットでは「奥谷、いい加減にしろ」という意見が多数を占めています。このように、メディアとネットでは評価が完全に分かれています。私としては、きちんと争いたいので、ぜひ起訴してほしいですね。

立花孝志がテレビ局の報道に感じた違和感

竹中平蔵:日本の司法では、起訴されると99%の確率で有罪になりますね。

立花孝志:それなら、それで戦います。私は、ただ聞きたいことがあっただけなのに、彼が逃げるから、わざわざ直接聞きに行ったのです。もしこれで罪になるのなら仕方ありません。それは最終的に評価の問題だと思っています。

竹中平蔵:日本では、逮捕されたら「悪い」ということ以前に、刑事告訴されるだけで「悪い」とみなされる風潮がありますよね。でも、そんなことを言えば、誰でも刑事告訴することは可能なわけです。

立花孝志:例えば、丸尾まきさんは公職選挙法違反の疑いがあるにもかかわらず、メディアから批判されていません。彼は過去に、当選後のパーティーでビールを提供したり、ギターを弾いたりしている写真を自ら公開していました。しかし、それについては「他の人もやっているから大丈夫」という言い訳で済まされているんです。

 でも、私に対しては、テレビ局が「とにかく悪者にしよう」という意図を持って報道していることが明確です。

竹中平蔵:それに対して、ネットでは出演が期待されているという状況ですね。

立花孝志:そうですね。NHKを辞めてからの20年間、地道に活動してきたことで、多くの人が私のことを見てくれるようになりました。もし、兵庫県知事選だけをやっていたら、誰も信用してくれなかったでしょう。

「NHKの問題は週刊文春が取り上げているのに、テレビでは一切報道されなかった。だから、立花の言うことにも一理あるかもしれない」と思ってくださる方もいますし、「他の政治家は逃げ回るばかりだが、立花は堂々としている」と評価してくださる方もいます。

 間違ったことをしていなければ、きちんと反論する——これが、国民が求める政治家の姿ではないでしょうか。

「立花さんが家の前にマイクを持って立っていたから怖い」とか、「カーテンの隙間から見るのも怖かった」などと言う政治家なんて、考えられませんよ。そんなに怖がるのなら、なぜ政治家になったのかと聞きたいですね。

維新の県議二人に立花孝志が騙された可能性

竹中平蔵:今後の焦点は何になるとお考えですか?

立花孝志:橋下徹さんとも話をしましたが、私に情報を提供してくれた方——亡くなった竹内さんという方が黒幕であるとか、複数の人と不倫をしていたという内容の手紙をくれた方——は、維新の会の県議会議員です。しかし、彼は嘘をついています。私は確かにその手紙を受け取りましたが、彼は突然、「そんな手紙はもらっていない」と言い出したのです。

 また、今年になって斎藤知事が再選された際、増山誠さんが非常に注目を集めました。彼は、斎藤知事が辞任する際も唯一見送りに行った人物であり、知事を擁護する立場としてメディアなどで大きく取り上げられています。

 しかし、一方で、副委員長の岸口実さんはほとんど注目されていません。実は、岸口さんの功績は数多くあり、それを知っているのは私だけです。そして、実際に私が受け取ったその手紙も、岸口さんからもらったものでした。そのことを私は2週間ほど前に公表しました。

「岸口さんはヒーローなんですよ」と言ったところ、岸口さんから連絡があり、「なぜそんなことを言うんですか? 私が関わったことをすべて隠してほしい」と言われました。そこで私は、「どうしてですか? 悪いことをしたわけではないでしょう」と返しました。

 すると、私がその発言をしたことで、TBSの『報道特集』が岸口さんの元へ取材に行ったそうです。「立花さんと会いましたか?」と聞かれ、「会いました」と答えたものの、「では、その手紙を渡しましたか?」と聞かれると、「渡していません」と否定しました。しかし、その後、彼は私に「手紙を渡していないことにしてくれ」と再び頼んできたのです。私はまったく意味が分かりませんでした。

「あなたは正しいことをしたのですよね? では、なぜそれを隠さなければならないのですか?」と問いただすと、「情報源の秘匿が必要だから」とのことでした。しかし、それならば「あなた自身が秘匿すればいい話ではないですか?」と返しました。

 岸口さんは政治家でありながら、結局黙ってしまいました。そのため、私は「これはもう真実を話すしかない」と考え、公の場で事実を明かしました。橋下徹さんにも報告したところ、「えっ、そんな状況なんですか?」と驚いていました。

 つまり、私は維新の会の人たちに騙された可能性がかあります。

 私は、維新の会の人たちの話をすべて直接聞いたわけではありません。しかし、百条委員会で片山副知事が「複数の人たちと関わっていた」と発言したのを確認しています。そして、その発言を奥谷さんが制止し、秘密会の内容を隠した上で「選挙後に公表しよう」と提案したのです。

 私は、この百条委員会での片山副知事の発言をもとに、これを真実だと認識しました。真実であると考える合理的な根拠があったため、特に恐れることはありませんでした。しかし、もしこの副知事の発言自体が虚偽だった場合、彼らは責任を問われなければなりません。なぜなら、百条委員会で虚偽の発言をすることは許されないからです。それほど重要な問題なのです。

 さらに、TBSの『報道特集』が片山副知事に取材を申し込んだものの、期限までに回答がなかったと報じています。そうなると、私自身も騙されていた可能性がゼロとは言えません。この点については、正直驚いています。

 しかし、いずれにしても、もしこの発言が虚偽だったとすれば、今度は維新の会に対する追及をしっかりと行うべきだという話になりますよね。

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