3億投資家が懸念する「オルカン、パフォーマンス低下」…景気後退局面で着実に勝ちに行く投資術を伝授「弐億貯男と名乗ったワケ」

長年、株式投資をしている人で、サラリーマン投資家の「弐億貯男」氏を知らない人はいないだろう。着実に資産を増やすことを得意とし、「2020年に資産2億円を目指す」というプランを見事、有言実行した凄腕投資家だ。現在は約資産3億円、2029年には5億円を目指すという。そんな同氏に、トランプ大統領就任後の相場の見方や、注目業界・注目銘柄などを聞いた。連続インタビュー全3回の第2回ーー。
目次
「弐億貯男」と名乗ったスゴイ効果
――投資目標の設定について教えてください。
私は2003年頃に「2020年に2億円を目指す」という目標を設定しました。そのためには毎年どれだけ成果を上げていかなければならないか計算すると、年率30%という高い目標でした。
しかし、そういう目標を決めると、そこに到達するために今年どれだけやらなければならないかが明確になります。日々の売買で損益をしっかり見るようになり、数字を意識するようになります。
目標を設定することで、なんとなく売買するのではなく、大事に売買するようになります。売買した時に損したのか儲かったのかをちゃんと数字で見るようになり、早く売りすぎなくなったり、利益をもう少し引っ張って売るようになったりします。
2019年に2億円を達成した後は、2029年に5億円を目指すという新たな目標を設定しています。資産が増えてきた中でフルポジションで年率30%は無理があるので、年率10%程度で計算しています。2024年末に3億円、2029年末に5億円という計画です。
――目標達成のために特に意識していることはありますか。
目標を数字で設定することで、自分の投資パフォーマンスを客観的に評価できるようになります。「なんとなく儲かっている気がする」ではなく、実際に数字で確認することが重要です。
また、高い目標を掲げることで「宣言効果」のようなものもあると思います。「2億円なんて普通は無理なはず」と思っていても、目標として掲げることで意識が変わり、実際に達成できることもあります。
ただし、目標は高すぎても達成感が得られないので、チャレンジングながらも現実的な範囲で設定することが大切です。私の場合、2億円達成後は資産規模が大きくなったことを考慮して、年率の目標を30%から10%に下げています。
――弐億さんは中小型株をメインにしていますが、その魅力はどこにありますか。
中小型株の魅力は、大型株と比べて相場の影響を受けにくい点です。中小型株は内需中心の企業が多く、為替や国際情勢の影響をあまり受けません。例えば、米国株が下落してNASDAQやNYダウが下がった時に、日経平均株価は大きく連動して下がりますが、中小型株はそれほど影響を受けないことが多いです。
また、時価総額が小さいため、少額の資金流入でも株価が大きく動く可能性があります。これは上昇相場では大きなメリットになります。
さらに、中小型株は大型株に比べてアナリストのカバレッジが少なく、情報の非対称性が生じやすいため、しっかり調査すれば割安な銘柄を見つけられる可能性が高いです。
オルカンの先行き不透明さ
――インデックス投資についてはどのようにお考えですか。