東大合格者数「爆増成功」の進学校3選…過去最高更新!「伸びの秘訣を徹底解説」海外名門イェール大、国立医学部にも大量合格の奇跡

今年も大学受験シーズンが幕を閉じた。この時期、教育界で毎年最も注目される数字は、各高校の東大合格者数だろう。どの学校が東大合格者数を爆増させたのか。学歴活動家のじゅそうけん氏が、首都圏で注目の3校を紹介するーー。みんかぶプレミアム特集「天才の育て方」第2回。
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3月10日は学歴界隈の最大イベント、東大の合格発表日
3月10日。一般的に見ればただの365日のうちの1日に過ぎないが、学歴界隈にとっては大きな意味を持つ1日なのである。
そう、この日は国公立大学の合格発表の大詰めであり、国内最難関東京大学を始め、京都大学、名古屋大学など名だたる名門大学の合格発表が例年行われ、数多の受験生と学歴界隈の狂人たちが一喜一憂する日なのである。
今年の3月10日は一体どんな進学校が彼ら(私たち)を熱狂させたのだろうか。
そこで今回は、2025年東京大学への合格数を爆増させた進学校3校をご紹介したい。
東大合格者数初の50名突破!2025年に東大合格者数を爆増させた学校その1は、かつて「ギャル御用達」学校だった
2025年東大合格者数を爆増させた進学校1つ目は、渋谷教育学園渋谷中高だ。
ここ30年間で大きく姿を変えた、飛ぶ鳥を落とす勢いの進学校である。
本校は1990年代まで「渋谷女子高校」という名称の、「ギャル御用達学校」だったという。
しかし、こちらも名門「渋谷教育学園渋谷中高」の現在に至るまでの地位を築き上げた「田村学園長」が都会の渋幕を目指す、とし渋谷で渋幕の教育手法を実践すべく1996年に開校した。
それから約30年間で一気に進学実績を伸ばし、昨年の2024年は東大に43名(理科三類2名含む)、国公立医学部に21名合格している。
そして本年、2025年は東大合格者数を50名と更に7名伸ばし、過去最高人数を更新した。
中学受験における入学偏差値も麻布や女子学院を抜いて開成や桜蔭のすぐ下につけており、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いである。
2022年には鉄緑会指定校にも指定されており、誰もが認める「東大進学校」へ仲間入りしている。
教育方針「自調自考」は渋渋の代名詞…1万字の論文を高2の夏に提出する
そんな本校。渋渋は渋幕とともに「自調自考」「国際人としての資質」「高い倫理感」の三つの教育理念を掲げている。
中でも「自調自考」は代名詞と言っていい。
自らの手で調べ、自らの頭で考えるという”調と考”が見学の精神であり、実際学校生活においてもチャイムが無いことや、授業中の内職、染髪などもokと自主性に委ねられた学校生活となっている。
また、定期テストにおける校内順位も発表されず、本人も知らされていないという。
ルールに縛られ、それに従うことで道を切り拓くのではなく、自分で自分に規律を設け、他人と比べるのではなく自分に必要な学習を行う、そのような選択を経て渋渋生たちは6年間で自調自考の力を身につけていくのだとか。
また、名物として「自調自考論文」という試みがある。
高校1年の始めから、自分でテーマを決めて、10人くらいの似たテーマの生徒のグループに一人指導教員がつき3,4か月に1度ロングホームルームの時に集まって生徒同士や教員で話し合いながら研究を進める。
そして、最終的には1万字の論文を書いて高2の夏に提出するというのだ。
1万字程度の論文を1から書くということは容易でなく、その道筋や方針を立て、順序立てて論を進めていくという経験はまさに「自調自考」であり、そのことが東大推薦入試の合格者で上位に位置することにも影響しているのだろう。
また、「国際人としての資質」の面でも特徴があり、本校は英検1級を保持する小学生がゴロゴロ落ちるような超高難易度の帰国生入試を経て学年の1割程度帰国子女が在学しており、日常的にその辺で帰国生の生徒同士が英語で会話しているような環境で国際人としての素養を養うことができる。
その影響か、近年はイェール大等、海外の名門大学にも一定数の合格者を輩出している。
自分で考え自分で調べる、を地で行く本校の生徒は近年の推薦入試加速の潮流や、終身雇用制が崩壊しつつある日本社会で最も必要な能力を養っている人材と言え、今後の進学実績に加えOB、OG達の活躍にも注目だ。