資産800万→1億円投資家「いらない!相場予測なんて、捨ててしまおう!」 2025年以降の株式を読み解く最強テクニック「予測よりも大事なこと、それは…」

2024年は新NISAの追い風や東証のPBR改革が続き、株式市場が堅調な波に乗った一年だった。ところが、同年11月のトランプ氏当選後、関税政策への懸念から相場の空気が一変。市場は乱高下を繰り返している。
そんな中、「私はそこそこ好調でしたよ」と語るのは、種銭約800万円から高配当株投資で資産1億円を突破したショウ氏(@Shouyumehaitou)。
自ら「累進配当ブラザーズ」と呼ぶ優良銘柄で増配と株価上昇を享受してきた彼は、短期の波乱を意に介さない。長期視点で市場を見据えるその投資哲学とは…?
みんかぶプレミアム特集「波乱相場を制す、2025年版高配当投資術の鉄則」第3回は、ショウ氏に情報収集術と、2025年の相場予測について話を伺った。
(2025年3月12日取材)
目次
日常のヒントを見逃すな。アンテナを張ってチャンスを掴め
――ショウさんの情報収集術について教えてください。
毎日欠かさず見ているのは、東証の適時開示です。最近は便利なアプリがたくさんあるので、それを使ってチェックしています。保有銘柄はもちろん、タイトルを見て興味を引かれたものは内容を確認するようにしています。
――特にどんなタイトルに注目しますか?
三菱商事やINPEXなど、保有銘柄に関連する資源価格の動向はよく見ますね。あとは、Xを眺めています。投資情報を積極的に探すというより、流れてくる投稿を軽く見る程度です。同様に、『日経電子版』や『ロイター』で回ってくるニュースもチェックしています。」
――売買の参考というより、相場の雰囲気をつかむツールという感じですか?
はい。保有株が減配しない限り、売却することはほぼありませんから。あとは、子どもたちの勉強用にニュース番組をつけているので、それを見ながら情報を拾うこともあります。
――具体的にはどんな番組をご覧になっていますか?
毎週『がっちりマンデー』をつけています。そこで紹介された銘柄で気になったものがあれば、後で調べたりしますね。また、気になる経済ニュースがある時は『WBS(ワールドビジネスサテライト)』を見ています。
その他、例えば、外出先で行列ができている店を見かけたら、その運営企業の株を調べたり、ニュースを見て「これ、流行るかも」「業績に繋がりそうだな」と感じたものをメモしたり。情報収集というより、常にアンテナを張っている感覚に近いですね。
――日々の情報が、ある時点で点と点がつながる瞬間があるわけですね。
まさにその通りです。私が「累進配当ブラザーズ」に投資を始めたときもそうでした。最初に「これはすごいな」と感じ、そこから徹底的に調べて購入にいたり、今につながっています。情報があふれる今の時代だからこそ、得た情報をそのまま鵜呑みにせず、しっかりと吟味して投資判断することが重要だと考えています。
「相場予測をする必要はなし!」 予測に頼らない投資の鉄則を語ろう
ーーでは最後に、ショウさんの思う2025年の相場予測をお聞きしていきます。
私は基本的に、相場を予測しても当たらないと考えています。証券アナリストなどもほとんど外すわけですから、誰にも正確な予測はできないんです。とはいえ、株式市場の動向は日々見ています。
短期的な流れや長期の展望を考えることはありますが、それだけで大きな投資判断を下すことはほぼありません。「今後上がるだろうから一気に買う」なんて動きは、むしろリスクが高いと感じています。
だからこそ、私が重視するのは配当金という確かな実績です。増配傾向にあるかどうか、その推移を丁寧に確認するんです。市場は今後も上下を繰り返すでしょうし、暴落が訪れる時期もあるかもしれません。
ですが慌てることなく、配当金の数字とその持続性を冷静に見極めれば、大きく負けることはありません。むしろ、うまくいけばしっかり勝てる。そんな感覚で投資に臨んでいます。
例えば、三菱商事は最近株価が下がり、話題に上っていますが、配当金が減らない限り気になりません。仮に株価が半値になったとしても、配当利回りは8%に跳ね上がります(笑)。さすがにどこかで下げ止まるでしょうし、取得価格から見ればすでに十分勝っているんです。
2025年にどうなるかを予測するより、株式市場は好調な時期もあれば下落する時期もあると割り切っています。ここ数年調子がよかった分、いつ調整がきてもおかしくないですからね。
その点、私の「累進配当ブラザーズ」と配当金を軸にした長期投資スタイルなら、相場の動きに一喜一憂することなく、慌てず冷静に構えていられるのが強みです。
前述の通り、日頃からアンテナを張って自分に合った投資を実践していけば、どんな市場環境でもブレずにコツコツ投資できると考えています。
〈構成・西脇章太(にげば企画)〉