5億円投資家「トランプ砲がきても安心しろ、まだ慌てるような時間じゃない」米国株注目すべき指数は、ダウ、S&P、NYFANG…25年シナリオを徹底解剖

米国株式市場がトランプ氏の一挙手一投足に揺れ、貿易摩擦が企業コストを圧迫。混乱相場に翻弄される投資家もいるかもしれない。
そんな中、「米国経済は、意外と堅調に推移しています」と語るのは、登録者24万人を誇るYouTubeチャンネル『ライオン兄さんの米国株FIREが最強』の運営者、ライオン兄さん(X:@okane_315)氏と、彼がCEOを務める『Financial Free College』(以下、FFC)の講師、松本侑(X:@smatsumo0802)氏だ。
今回は、二人に2025年の米国株式市場の最新の動向について話を伺った。短期連載全2回の第1回。
※2025年3月20日取材
目次
トランプ関税で米国株が大荒れも、経済は意外と堅調
ーー直近の米国株式相場を振り返っていかがでしょうか?
全体的に見ると、ゴールが見えない相場は市場に不安を与えるものだと感じます。最近、S&P500がピークから10%下落し、いわゆる「調整相場」に入ったと言える状況です。このような大胆な調整局面は、2022年以来のことでしょう。
当時はインフレ率が急上昇し、不透明な見通しから市場は動揺していました。その時期、最も注目されていた経済指標はCPI(消費者物価指数)などの物価関連だったと記憶しています。
一方、今回の不透明感の主因はトランプ関税です。トランプ氏が関税政策や制裁をどこまで進めるのか、その方針が定まらないことが米国株の乱高下を招いていると考えています。市場はこの不確実性に敏感に反応している状況ですね。
ただし、経済全体が悪化しているのかと言われれば、私はそうは見ていません。直近の経済指標を見てみると、ISM景気指数では製造業・非製造業ともに50を上回って推移していますし、失業率も4%台にとどまっています。一般に5%を超えると懸念が強まると言われますが、4%台であれば十分に持ちこたえている水準です。
2025年2月のデータを見ても、経済が深刻な状況にあると断じるほどのものは少ないと感じます。例えば、ミシガン大学の消費者信頼感指数が下旬に発表され、64.7を記録しましたが、過去5年の推移と比較すれば決して悪い数字ではありません。トランプ関税による不透明感が市場を揺さぶっているものの、経済の基盤は意外と堅調に推移していると見ています。
米国株の資金が欧州・香港株にシフト。年初から10%超の急上昇
ーー市場の反応に比べて、経済状況がそこまで悪化していないってことですか?
最近のカンファレンスボード消費者信頼感指数は98.3で、市場予想を5ポイント下回りました。たしかに100以上が理想とされていますが、過去5年のデータと見比べれば、そこまで悪い数字じゃないんです。トランプ関税への過剰な反応が市場を騒がせているだけだと感じています。
実際、2025年の各国株式指数を見ると、米国株は少し軟調気味ですが、香港ハンセン指数やドイツのDAXは年初から10%以上も上昇しています。これは米国株から欧州や中国へ資金が流れている、いわゆる循環物色の兆しでしょう。2023年頃に割安だったこれらの市場が、今注目を集めているのかもしれませんね。
ーー米国経済が悪化して売られているわけじゃないのですね?