中学受験大手塾サピックスはなぜ人気なのか…実はあの人気中高一貫校に入りたいなら早稲アカが強い

中学受験をめぐる選択肢の中で、塾選びは最も重要な決断の一つだ。「とりあえずサピックス」と考える親も多いが、本当にそれが最適解なのだろうか。中学受験専門家で、『SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー 中学受験4大塾でがんばるわが子の合格サポート戦略』(実務教育出版)の著書もあるユウシン氏に、大手塾と中小塾の特徴や選び方について話を聞いた。連載全3回の第1回。
目次
そもそも、中学受験塾に入るべき時期はいつなのか
ーーそもそも、中学受験をするのに、中学受験塾に入塾するのは必須なのでしょうか。
これはどの受験でも、どの段階の受験でも一緒だと思うんですけれども、まずは情報量ですよね。情報戦の要素がかなり強いので、情報量を担保するために大手の中学受験塾に入るというのと、中学受験の勉強ってかなり特殊なんです。特に算数は、数学を使えないという縛りゲームをやっているので、親御さんが勉強教えようとしても、「これどうやってやるの?」みたいな、「こんな特殊な解き方するの?」みたいなのが結構あります。だから家庭で教えられないというのがあるんですね。
そもそもなのですが、親御さんは皆さんお仕事で忙しかったりとか、時間も労力も取れないという中で、塾にある程度の時間を預けておいて、レールに乗せた方がある程度楽だろうという理由で中学受験塾に子供を入塾させる方がほとんどです。
ーー中学受験塾には一般的にいつ頃入塾するものなのでしょうか。
小学校3年生の冬、2月ですね。業界では新4年生というふうに言われておりますけれども、そこが一般的です。ただ1学年下の2年生の冬、新3年生から入るという例もかなり増えています。
サピックスの特徴と選ぶべき人
ーー大手中学受験塾といえば「サピックスが大人気」というイメージがありますが、この人気の要因は何でしょうか。
やっぱりトップ層が集まるので、合格実績が半端ないんですね。ニワトリが先か卵が先かみたいな話で、合格実績が高いから優秀な層が集まったのか、優秀な層が集まっているから合格実績が高いのか、ちょっとそこは分からない部分はあるんですが、とにかく圧倒的な合格実績があるというのと、授業としては結構少人数制を引いているんですね。1クラス10人以下ぐらいが基本になっていて、割と双方向のインタラクティブな授業が行われるというのが特徴です。
またクラスが多い校舎だと20クラスとかあって、毎回のテストでクラスが上がったり落ちたりというのを繰り返すんで、メンタル的に辛くなってしまう子もいますね。
ーーそんなサピックスに向いているのはどんな子なんでしょうか。