「とりあえずサピックス」はなぜダメなのか…塾を変えて成功する子・失敗する子の特徴

中学受験をめぐる選択肢の中で、塾選びは最も重要な決断の一つだ。「とりあえずサピックス」と考える親も多いが、本当にそれが最適解なのだろうか。中学受験専門家で、『SAPIX、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミー 中学受験4大塾でがんばるわが子の合格サポート戦略』(実務教育出版)の著書もあるユウシン氏に、大手塾と中小塾の特徴や選び方について話を聞いた。連載全3回の第2回。
目次
四谷大塚・日能研という選択肢
ーーサピックス、早稲アカ以外の選択肢として、老舗の四谷大塚と日能研についてはいかがでしょうか。
四谷大塚については、多分今の親御さんからしても最も一般的な塾なんじゃないかなと思うんですけど、「老舗の大手塾」という感じですね。中学受験生の2人に1人が使うと言われている教材「予習シリーズ」を開発している塾でもあります。
大手塾の一角・早稲アカも四谷大塚の準拠塾ですけれども、それ以外にも色んな塾がその「予習シリーズ」を使っているので、もっとも全国に影響を及ぼしている中学受験塾と言っても良いとは思います。
4大塾の中では唯一、四谷大塚だけが「予習主義」を取り入れていますね。予習をしてから授業に臨む。授業で習ったことを復習するという流れを組んでいる塾です。
日能研については、今まで紹介した3つの塾と比べてかなり進度が緩やかというのがまず一番大きな特徴ですね。例えば基本的に、それ以外の3つの塾って5年生の終わりまでで算数って全部終わるんですね。ただ、日能研の場合は6年生の夏ぐらいまでに中学受験のカリキュラムを終わらせる、という違いがあります。進度がやや遅い、ということですね。
実際に、宿題もそんなに多くないので、実績としては中堅校が強いというのがあるんですけれども、授業料もリーズナブルですし、「親にも子にも優しい塾」です。
とりあえずサピックスはなぜダメなのか
ーーサピックス以外の塾も魅力的とはいえ、結局「中学受験するならサピックスに入らなきゃ」と考える親御さんも多いのかな、と思います。やっぱりサピックスに最初からお子さんを入れてしまった方が良いのではないでしょうか。