子どもの学力を伸ばすプロがいる…中受専門家「難関大合格上位を占める中高一貫校」本当の魅力とは

中学受験で多くの親が気にしてしまうのが「偏差値」だ。わが子の偏差値が上がらない、偏差値60以上の学校に進学させたいなど、親の悩みには常に数字がつきまとう。
「せっかく受験するなら、少しでも偏差値の高い学校へと願うのは自然なことです。しかし、理想の偏差値に達していない学校には行く価値がないとか、偏差値が上がらないなら受験は辞めた方が良いという考えは早計です」
そう語るのは、個別指導塾「Growy」代表のユウシン氏だ。
「偏差値40前後の学校の中にも、生徒をしっかり伸ばしてくれる“隠れた名門校”が存在する」「偏差値だけで学校を決めてしまうのは、非常にもったいない」と力説する。
メディアが注目するのはどうしても有名校ばかりで、偏差値が高くない学校の情報は意外と少ない。偏差値帯が高くなくても魅力的な学校は、なかなか知られることが少ないのだという。
魅力や志望校選びのヒントを探っていく。全3回の第2回ーー。
※中学受験は、首都圏模試・日能研・四谷大塚・サピックスなど、それぞれ受験者層が異なるため模試によって偏差値の出方が大きく変わる。この記事の偏差値は四谷大塚偏差値を基準としている。
目次
学力を伸ばしやすい中高一貫校
私立校といえば、大学受験に向けた手厚いサポートや充実した学習環境が大きな魅力です。実際に東大・京大・早慶など、難関大学の合格者数ランキングの上位は、ほとんど私立中高一貫校によって占められています。
しかし、手厚い進学サポートや生徒の学力を伸ばす環境は、偏差値の高い学校に限った話ではありません。実は偏差値50以下の学校でも、生徒の実力を伸ばす仕組みがたくさんあるのです。
まず、多くの私立中高一貫校では、公立よりも1年ほど早いペースで授業が進みます。中学3年の時点で高校の学習に入り、高校2年までに主要教科の基礎を終え、高校3年はまるまる受験対策に充てられるという学校も少なくありません。最後の1年を志望校対策に充てられるというのは、受験にとって大きなアドバンテージです。
次に私立中高一貫校の場合、入学する生徒の偏差値がある程度均一であることも、効果的な教育を行ううえでメリットです。指導する側からすると、偏差値がある程度近い教室の方が効果的な授業進度や難易度を設計しやすいのです。