「会食と飲み会を一緒にするな」元電通マンが明かす、最適な店選びのポイント

ビジネス上の会食を、「単なる飲み会」と位置づけるビジネスパーソンも少なくないのではないだろうか。しかし元電通社員で多くの会食を経験してきた会食専門家/幹事研修講師のyuuu氏は、会食と飲み会には明確な違いがあるという。会食の目的や店選びのポイントについて、「ビジネス会食 完全攻略マニュアル すべての食事会を成功に導く最強の実務メソッド」(ダイヤモンド社)著者であるyuuu氏にうかがった。 短期連載全2回の第1回。
目次
会食と飲み会の決定的な差
この記事では、「ビジネスにおける正しい会食の進め方」について考えたいと思います。ただ、とくに若い方にとっては、「そもそも会食って何なの?飲み会と何が違うの?」と思う方も少なくないと思います。
別に会食の定義は定められているわけではありませんが、私としては会社の経費を使うものが「会食」、参加者自身が費用を払うものが「飲み会」だと理解しています。
また、会食と飲み会では目的も違います。飲み会の場合、「楽しむ」ことを中心としても問題ありません。ですがビジネス会食の場合、会社が経費を出している以上、目的を設定し、その目的を達成することが求められます。
また、会食は「ゲストファースト」であり、どのような場であればゲストに喜んでいただけるかを考える必要があります。飲み会では許されたとしても、会食では決して「自分が行ってみたい店、お気に入りの店」を自分本位に選んではいけません。
「目的」を決めれば「成果」を出せる
会食は、自社も先方も複数人参加するケースが多くみられます。そこでここからは、自分が飲み会を設定する部下であり、会食には上司も参加するといった想定で考えてみたいと思います。
会食の成否のカギは「事前準備」です。会食設定は、その事前準備ですでに90%が終わっていると言って過言ではありません。
会食が決まったら、まず「何を目的とするか」を定めます。そのためには、会食が開かれる背景をきちんと理解しなければなりません。自社が会食をセッティングしたときは、お声がけした背景があるはずですよね。同様に、先方からお声がけいただいたときには、相手方が何を目的としているかをしっかりと考えましょう。
また、ときには特に目的もなく、上司がその場のノリと勢いだけで飲みに行くことを決めてくる場合もありますよね。そんなときにも、まずは「せっかくであれば、この機会をビジネスの好機にしよう」と、会食の場として設定し直したほうがいいと思います。そのうえで、自分で自分なりの仮説を立てて、上司に会食の目的を確認しましょう。
若いビジネスパーソンが会食を嫌いになる大きな原因は、「やる意味がわからない」「成果が得られない」という点にあります。けれど、目的を設定すれば、その結果を検証することができます。目的をしっかり設定して、その目的を達成し、それが成果につながっていくという実感を得ることで、会食がだんだん楽しくなってくるはずです。
もしここまで進めてみて、それでも目的が不明確なのであれば、そもそもその会食をセッティングすること自体をやめたほうがいいと思います。経費と時間の無駄ですからね。