東大医学部卒医師「医学部受験に向けた特別な勉強は高3まで必要ない」コスパ最強医学部受験ルート「この中学校以上の学校に入れるならサピックスに入りましょう」

いくら余裕がある家庭でも、年間数千万円かかる医学部の学費はやはり「高い」と感じるのではないか。できるだけ、コスパ良く、安く医学部に行けるに越したことはない。東大医学部卒の医師・さぐさぐ氏に、コスパ良く医学部に行くにはどんな塾、学校に通えば良いのか聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「医学部受験 完全攻略法」第7回。
目次
コスパで医師免許取得を考えるときの重要なポイント
医師免許を取得するためのコスパを考えるとき、最終的に国立医学部に進学できるか、私立医学部に進学することになるかが重要なポイントです。
国立医学部を目指していても結果的に落ちてしまい、私立医学部に進むことになると、コスパが非常に悪化します。そのため、最初から国立医学部に合格できる確率を高めることを考えることが重要です。
東京大学医学部をはじめとする国立大学医学部の学費は比較的安価ですが、国立大医学部に入学するために何年も浪人する人も少なくありません。しかしそれではコスパが悪くなってしまいます。最終目標から逆算すると、多浪せずに国立医学部の前期試験や後期試験に合格することを目指すのが重要です。
例えば、筑波大学附属駒場高校で学年トップ10に入るような学力を持つ生徒であれば、前期試験で東大医学部を受験し、後期試験で東京医科歯科大学を受験するといった戦略が立てられます。一方で、北海道などの地方の進学校に通い、その学校内では成績上位の生徒であっても、「絶対に東大医学部」などと固執すると困難な状況に陥る可能性があります。
自分の実力を正確に評価した上で、合格可能性の高い国立医学部を目指すことが、医師免許取得への最もコスパの良いルートと言えるでしょう。
「医学部受験に向けた特別な勉強」は高3まで必要ない
基本的に理系の勉強をしてきていれば、医学部受験に特化した受験勉強は高校3年生の1年間だけで間に合うと思って大丈夫です。つまり、中学1、2年生くらいの段階から「医学部に行くための特別な勉強をする」必要はありません。理系の大学受験向けの勉強をしておけば、方向性としては正しいので心配する必要はないのです。
中学の早い段階で医学部向けの特別な勉強をしようとするのはあまり意味がありません。基礎的な理系科目をしっかりと学んでおくことが、後々の医学部受験にも役立つ正しい道筋となります。
勉強の方針はどうすべきか、中堅レベル以下の国立大医学部を目指す場合について考えてみましょう。まず最も重要なのは、学校の勉強をしっかりと取り組むことです。学校のテストで良い成績を収められる程度に英語と数学の基礎力を身につけておくことが大切です。余裕があれば、地元にある駿台、河合塾、東進などの予備校に通うことも国立医学部対策として効果的でしょう。
レベル感としては、下位の国立大学医学部、例えば三重大学などの問題レベルは、教科書に出てくる問題からほんの少し発展させた程度です。有名な参考書である「チャート式 解法と演習 数学」(数研出版)の中でも「簡単」と言われる、いわゆる「黄色チャート」または「黄チャート」の問題を全て解けるレベルであれば、十分に合格できる実力と言えるでしょう。
基本的な方法の一つとしては、駿台予備校などの予備校に通ってそこの先生に教えてもらうことが確実です。鉄緑会とは異なり、駿台などの予備校は個々の大学の入試に詳しいという特徴があります。
もう一つの選択肢として、コーチング系の塾も良い選択肢です。私が経営する「メタスキリング」はオンラインで学生が毎日10時間勉強できるように進捗管理をしたり、モチベーションを高めたりする塾です。2025年度入試では、東大理3に前期入試で合格した生徒もいれば、後期試験で山梨大学医学部に入学した生徒もいます。この二人はどちらも「メタスキリング」の生徒です。
しかし、最もコスパが良いのは自分で情報を調べることです。国立大学医学部の偏差値表なども公開されており、駿台では偏差値ランキングも発表されています。中堅レベルの国立医学部であれば、駿台の全国模試や河合塾の全統模試で対策可能かどうかを判断できます。コスパという観点では、どの大学医学部に合格できる可能性があるのかを自分で調査するのが最も経済的な方法と言えるでしょう。