総資産20億円・89歳現役トレーダーの「トランプ相場との付き合い方」1日で1億円失っても平常心でいられる理由

本稿で紹介している個別銘柄:竹内製作所(6432)、住友商事(8053)、野村ホールディングス(8604)、岩井コスモホールディングス(8707)
乱高下を繰り返す株式市場。米トランプ大統領が強硬に主張する関税の行方がいまだ不透明な中、市場はリセッションへの警戒感を抱き続けている。そんな中にあって、総資産20億円の89歳現役トレーダー・藤本茂氏は、どのような投資行動を取っているのか。藤本氏に伺った。 みんかぶプレミアム特集「トランプ相場で一人勝ち」第七回。
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藤本氏も悩むトランプ相場
4月7日、東京株式市場は2644円安を記録し、その下落幅は史上3番目の大きさとなった。資産20億円を超えていた藤本氏の資産は、一日で1億7000万円下落した。
それでも藤本氏は同日、竹内製作所(6432)2000株、住友商事(8053)4000株、野村ホールディングス(8604)、岩井コスモホールディングス(8707)2000株を購入。売却した株はない。1876円で購入した岩井コスモホールディングスの株は翌8日に2073円で売却し、40万円弱の収入を得ている。
わずか一日で2億6000万円の下落を経験した2024年8月5日の大暴落時にも、やはり買い向かった藤本氏。ただ藤本氏によると、昨年8月の暴落と4月の暴落時では、その心持ちは異なっていたという。
「8月の暴落のときは、絶好の買い場やと思って積極的に買いに行った。案の定、次の日には戻ってきた。これは目論見通りやったね。でも今回の相場に関しては、上がるのか、はたまた下がるのか、まったく自信がなかった。だからおそるおそるしか買われへんかったんや」
実際、4月8日には大きく反発したものの、翌9日には急落、10日には急反発と、市場は乱高下を繰り返した。藤本氏の資産も、連日1億円単位での増減を繰り返した。
「1週間のトータルではプラス。ただ、株価が上がっていくときはなんとなくわかることが多いけど、この相場は読み切れんかった。俺もまだまだや。心と技術を鍛えなあかん」