関税相場は過去にもあった!過去の関税相場で必ず上がったのはやっぱり“アレ”

トランプ米大統領の関税政策が世界を動かす中、5年で資産を50倍以上に増やした投資家のかぶカブキ氏は、「過去に関税相場は3回あった」と話す。過去の関税相場から、現在の相場で取るべき行動のヒントを探る。
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「関税相場」は過去にも
いま、「トランプ相場」で世界が揺れています。ただ過去を振り返ってみると、これまで米国の関税が相場に影響を及ぼした事例は3回ありました。
まずは1930年のスムート・ホーリー関税法。これはフーヴァー政権下で制定された法律で、国内産業を守るために輸入品への大幅な関税を課した法律でした。ただしこの決定は世界的な報復関税を招き、世界恐慌が深刻化しました。
次に、1971年のニクソン・ショック。ニクソン・ショックでは、ドルと金の交換を停止すると発表したことで世界経済が混乱したとして知られていますが、このとき同時に輸入品に10%の関税を上乗せしました。
3番目が2018年からのトランプ第一次政権における対中関税です。このときは最大25%の関税をかけたことで、中国も報復関税に出ました。このときダウ・S&P500・ナスダックが大きく乱高下し、世界貿易全体も減速しました。
この中で、株価がすぐに回復したのはニクソン・ショックのみです。ニクソン・ショックでは、ニクソンは他国の通貨に対し「不当に安く評価されている」として関税の上乗せを実施。この結果、各国は協調して通貨の切り下げを実施し、アメリカは4か月ほどで関税の上乗せを撤廃し、短期的には米国経済が持ち直しました。
リセッション時には30%株価が下がる
さて、現代に立ち戻ると、いまトランプは「ドルが強すぎる」と言っているわけですよね。この状況は、ニクソン・ショックに似ています。今回もトランプは当初、ニクソン・ショックの再現を狙っていたところ、思うように各国が協調してくれなかったのではないかとみています。