ジョブホップを繰り返し“予後不良”となってしまう残念な若手高学歴社会人たち…人生全体の幸福度が高くなる学歴の予後最強ルート3つと番外編1つ

「良い大学に入れば良い人生が送れる」と無邪気に信じている人はもはや少数派だろう。最近では、名門大学に入っても、新卒で入社した会社をすぐに辞めてしまう若手社会人も少なくない。また、無理して何回も浪人して希望の大学・学部に入ったところで、希望の仕事に就けず、思い通りの人生を歩めないというケースもあるだろう。
そこで最近、SNSでにわかに注目を集めつつあるのは「学歴の予後」という概念だ。要するに、「良い大学に行くことだけを考えるのではなく、その後の人生全体の幸福度も考えた上で、進学ルートを考えよう」という考え方である。至極真っ当な考えではないか。
その提唱者の一人である学歴活動家のじゅそうけん氏に「学歴の予後が良くなりそうな最強ルート」を考えていただいたーー。
目次
ジョブホップを繰り返し“予後不良”となってしまう残念な若手高学歴社会人たち
近年、キャリアの多様化が進み、従来までのような士業か大手企業に入れば間違いない、という状況ではなくなっている。
終身雇用制度は崩壊しかかっているとは以前から言われていたが、コロナ禍以降さらに転職市場が活性化し、猫も杓子も転職を検討する時代となった。
待遇は申し分ないのに、「リモートの比重がもう少し高い方が良い」といった理由で本当に転職してしまう時代である。
実際に私の世代は上記で述べたような終身雇用の恩恵を受けた世代の両親を持ち、その教育方針に則って一定の大学に進学してきた人間が周りにも多かったため、新卒就活ではいわゆる「聞いたことある企業」を中心に受ける人が多かった。
しかし、アラサーにもなってくると、それが必ずしも正解ではなかったと思い知らされる。
ジョブホップを繰り返している知り合いも少なくないが、悲しいことに、必ずしも皆ステップアップできているわけではないようだ。
転職が当たり前になったことで、むしろ30歳以降、人生の幸福度が低い、いわば“予後不良”とでも言うべき状態に陥っている高学歴が目立ち始めたのだ。
そこで今回は、就職後予後不良に陥らない、「最強ルート」について検討していきたいと思う。
やっぱり鉄板の最強ルートはこれ
言わずもがなであるが、やはり最強なのは、「医学部進学→医師ルート」だ。
近年人気が高騰している医学部医学科だが、このルートは未だに最強ルートの一つだと言わざるを得ない。
まずこちらが他のルートと違うのは、高校3年時の成績や進路選択により、数十年先までの ルートがある程度確定するという点だ。
その他の学部であれば就職や大学院進学、研究の行き詰まりなど分岐点はいくらでも考えられる。
しかし、医学部進学が叶えば、大学内で例えいくら留年しようと最終的に卒業、国家試験の合格が叶えばある程度の生活は保証されるのがその他と大きく異なる点だろう。
「医師VS総合商社」「医師VS外資金融」の比較はナンセンスな理由
また、近年は大企業が軒並み賃上げを行っているため、「医師VS総合商社」「医師VS外資金融」といった論争も随所で見られるが、その様な意見は大抵の場合、単年度の賃金しか見ていないことが多い。
サラリーマンとの比較で言えば、以下の点で圧倒的に医師ルートが勝っている。
①定年が無いこと
②勤務地を選択できること、地方においても高給が得られること
③開業も検討でき、ビジネスオーナーになれる可能性もあること
④社会的威信
⑤抜群の安定性等など複数の観点からサラリーマンよりも自由度が高く、単年の賃金に加え生涯賃金ベースにおいても、サラリーマンのそれよりは恵まれている
もちろんサラリーマンでも、勤務地の選択やビジネスオーナーへの転身は可能な場合もあるが、それは社会において何らかのスキルを有しバリューを発揮できると認められた人材に限られた話で、医学部に進学しレールに乗るだけでこの地位が得られるのは、あまり好きな表現ではないが「コスパがいい」と言われるのも納得だ。
学費も国立大学医学部なら安い
また、学費の面で考えても国立大学であれば安価であり、私大であっても近年充実している奨学金制度を利用することで、医学部卒業後の一定期間、医師が不足している地域で働くことを条件に学費の援助を受けることが可能だ。
また驚くべきことに、地域枠の場合、奨学金の金額が医学部の実際の学費を超える地域もある。
もちろん地域枠の是非はあるものの、学費という現実的な問題を解決し、地域医療の人手不足を解消するという面では検討の余地はあるだろう。