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大人気英語予備校講師・YouTuberもりてつが、慶應から東大院に学歴ロンダしようと決意した理由…偏差値50台の普通の高校生から天才予備校講師になるまでの経緯

 教育ジャーナリストの濱井正吾さんが、「学歴ロンダリング」をして、人生が好転した人を取材する新連載「濱井正吾 人生逆転の学歴ロンダリング」

 今回は、慶應義塾大学文学部英米文学専攻を卒業後、東京大学大学院人文社会系研究科言語学修士課程に進学・卒業し、英語講師として働くかたわら、武田塾の5校舎オーナー・武田塾English Directorを務める森田鉄也(通称「もりてつ」)さんにお話を伺いました。全2回の第1回。

目次

高校卒業後、一度はお笑い芸人も考えた

 森田鉄也さんは、慶應義塾大学文学部で学んだあと、東京大学大学院人文社会系研究科に進学されました。

 特殊な家庭に生まれ育ち、お笑い番組を見ることが好きだった森田少年は、一度目の大学受験が終わった後、お笑い芸人になることも考えていました。一度は吉本総合芸能学院(NSC)の合格通知書を受け取り、入学を考えていた森田さんでしたが、代々木ゼミナールに入って浪人を決断します。

 しかし、そこでの出会いが彼の人生と、「学歴ロンダリング」をする決意を生みました。

 どんなきっかけが彼の人生を変えたのかと、学歴ロンダリングを経て彼の人生はどうなったのかを伺っていきます。

 森田鉄也さんは、福祉関係のお仕事をしている家庭に生まれ育ちました。

「実家は、親のいない子どもや、事情のある子どもたちを対象とした養護施設を運営していました。保育園生や幼稚園生の児童から、高校生までの子どもがたくさんいる場所だったので、大家族で住むのが当たり前の環境でした」

 1人の時間もなく、勉強ができるような環境ではなかった幼少時代。テレビゲームが禁止され、テレビの時間や消灯の時間も決まっている中で厳しく育てられた当時の森田さんは、人と活発に遊ぶタイプではなく、ダウンタウンが出ているようなお笑い番組を見ているおとなしい子どもだったそうです。

「職業に触れる機会はそんなになかったので、小さい頃の夢は漫画家でした」

 横浜の公立小学校に進んでからも特に勉強が得意だったわけではなく、KUMONに行っていたものの算数が嫌いな子どもでした。そのまま森田さんは地元の公立中学校に上がりますが、中2のときに転機が訪れます。それは、親が施設を止めて千葉県の養護施設で働くことになり、中2の3月で千葉県の田舎のほうに引っ越したことでした。

「記憶はないですが、僕が普通の生活がしたいということを親にずっと言っていたらしいです。それで千葉県に移ったのですが、娯楽が何もない場所で、いじめだらけの環境でした。学校が嫌で仕方なく、早くこの時間が過ぎてほしいと思っていました」

 この環境にいながらも一生懸命受験勉強をした森田さんは、何とか高校で偏差値50を少し上回る千葉県の公立高校に入ります。

浪人か、NSCに通うかの2択だった

 高校に入ってからの森田さんは、順位が発表される科目によってはクラスで4番を取るくらいの成績で、学校の中では上位の成績を取っていました。しかし、当時入った高校は、生徒の多くが大学に行くような進学校ではなかったために受験勉強では苦労したそうです。

「僕と成績が同じくらいの人も専門学校に進んでいたので、大学に行こうとしている人が多くはない環境でした。僕は暗記自体は得意だったのですが、授業で入試問題を解かされた時、何も分からなかったことは覚えています。英単語の暗記はできますが、5文型やどこにカンマがつくのかすら分からなかったので、長文読解になるとどうしようもありませんでした」

 職業に触れる機会がそんなになかったこともあり、人に教える先生のような仕事か、好きだったお笑いの道に進むためにお笑い芸人になろうかと淡く考えていた森田さん。

 それでも、当時の第一志望は地元の難関国立大である千葉大学の教育学部だったこともあり、センター試験の対策を頑張った結果、苦手だった数学I+Aでは1問ミスまで成績を上げて5教科7科目で70%を超えるパーセンテージを確保。河合塾のセンターリサーチでも、合格可能性が80%以上とみなされるA判定を獲得します。

 しかし、センター試験を突貫工事で仕上げたために、この年の受験は失敗に終わりました。

「センター試験では、数学・倫理・化学はよくできていました。でも、センター試験で国語・世界史がボロボロだったので、僕が受けた文系学部の2次試験では厳しかったですね」

 千葉大学の合否を大学の掲示板まで見に行って、不合格を確認した森田さん。当時、森田さんに残された選択肢は、浪人をするか、吉本の吉本総合芸能学院(NSC)に通って芸人になるかの2択でした。

浪人でできあがった慶應→東大院のルート

「お笑いはずっと見ていて、ダウンタウン・ネプチューン・シャカが好きだったので、吉本のNSCに関しては情報を自分なりに調べていました。NSCを受けて合格することはできたのですが、入学の手続きをするときに『きみ、まだ未成年だから親の同意書が必要だよ』と言われたんです。結局、親にその書類を見せられなかったので、浪人をする選択をしました」

 こうしてしぶしぶ代々木ゼミナールに通って浪人をする決断をした森田さん。

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この記事の著者
濱井正吾

教育ジャーナリスト。兵庫県出身、1990年11月11日生まれ。大阪産業大学経済学部経済学科に入学後、龍谷大学経済学部現代経済学科に編入学。卒業後は会社員と並行して受験勉強に取り組み、受験費用300万円を貯める。退職後は受験勉強に専念し、合計9浪後に早稲田大学に合格し、教育学部国語国文学科に入学する。早大卒業後は教育ジャーナリストとして活動している。

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