「中抜き認めてますやん」…批判続出!選挙期間中の三原じゅん子氏ヤバい投稿「こども家庭庁批判への反論」根拠示さず“ロシアのせいだ!”

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 参議院選挙期間真っただ中の7月16日、こども家庭庁担当の三原じゅん子大臣(60)がSNSで「こども家庭庁予算ファクト2『公金中抜き』とのご批判が多いのですが実際には1番少ない」と投稿した。同庁に対する批判に反論するものだが、投稿の中で「各省庁の予算総額に占める委託費の割合」を表すデータを提示し、投稿を行った。しかし、その内容が波紋を広げている。たしかにそのデータの中でこども家庭庁は他の象徴と比べて外部委託費の比率は低いのだがSNSでは「結局中抜きしてるって認めてますやん」「他の庁も含めて『中抜きしています』って言ったと同じですね」などと批判が相次いだ。これまでこども家庭庁について厳しく批判してきたNHK党浜田聡議員の公設秘書・村上ゆかり氏が問題点を指摘するーー。

目次

選挙結果が今後の政治に与える影響は大きい

 7月20日に投開票が行われた参議院議員選挙は、与党にとって極めて厳しい批判が寄せられた選挙戦であった。野党が提出したガソリン減税法案を参議院で採決せずに事実上の廃案としたことや、「消費税は守る」とした上で「現金給付」を公約することなどが大きな批判を浴びた。過去、自民党が参議院選挙で大敗した1989年、1998年、2007年は、いずれも政権の枠組み変更や政権交代の引き金となった歴史がある。今回の選挙結果が今後の政治に与える影響は大きいだろう。

 与党が支持を伸ばしきれない中、その受け皿として躍進を遂げ存在感を増したのが参政党だ。今回の選挙で目覚ましい躍進を遂げ、選挙戦を通じて支持を拡大。選挙区と比例代表で大きく勢力を伸ばす結果となった。これまで自民党の牙城と見られていた複数の選挙区でも有力候補が善戦を繰り広げた。参政党は「日本人ファースト」といった主張等を掲げ、自民党の伝統的な支持層である保守層の票を取り込んでいると分析される。自民党にとっては、議席を直接脅かす存在として、参政党の台頭は大きな脅威となっている。与党が過半数割れの危機に直面し、新興政党が保守層の支持を奪っていく現状が、自民党内に強い焦りを生んでいる可能性は十分にあるだろう。

 選挙戦が最終盤の熱を帯びる中、SNS上では躍進中の参政党に関する出来事が話題を呼んだ。参政党の東京選挙区候補である「さや氏」が、ロシアの国営メディア「スプートニク」のインタビューに応じ、そのインタビュー動画が2025年7月14日にX(旧Twitter)上に公開された。

「参政党を支えたのはロシア製ボットによる反政府プロパガンダ」という記事

 スプートニクは欧米諸国からロシア政府のプロパガンダ機関と見なされており、一部では規制の対象にもなっている。国政選挙の候補者が公然と出演した事実は大きな話題となり、様々な憶測を呼ぶきっかけとなった。

 この動きに呼応するように、情報法制研究所の山本一郎氏が2025年7月15日にnoteで「参政党を支えたのはロシア製ボットによる反政府プロパガンダ」と題された記事を公開した。記事の内容を大まかに要約すると、ロシア製のボットがSNS上で石破政権への批判や偽情報を組織的に拡散し、日本の政治や社会の不安定化を狙っているという趣旨であった。

 山本氏の記事が公開された翌日の7月16日、事態は新たな局面を迎える。X(旧Twitter)上で、参政党や日本保守党を支持し、政権に批判的な投稿を繰り返していた複数の影響力のあるアカウントが、一斉に凍結される事態が発生した。凍結されたアカウントの中には、数十万のフォロワーを持つものも含まれており、一部のアカウントは、スプートニクの情報を頻繁に拡散していたことも指摘された。この一斉凍結は、選挙直前のタイミングであったこともあり、凍結の背景に対する様々な憶測を巻き起こした。この一連の騒動に対し、自民党の幹部である小野寺五典政調会長は、自身のXアカウントで山本氏の記事を引用し、専門家による調査を検討する考えを示した。

三原じゅん子氏のXアカウントが波紋

 このような状況下で、内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画、共生・共助)である三原じゅん子参議院議員が、自身のXアカウントで投稿した内容が大きな波紋を呼んだ。投稿内容を以下に引用する。

「『こども家庭庁解体論』を執拗に投稿していたアカウントの多数が急に凍結されました。昨日から外国勢力介入に対する関係性の様々なご指摘があったのでしっかり調査すべきと考えています。」

 この投稿は、わずか1日で1,000万回以上の表示回数を記録し、賛否両論を巻き込みながら爆発的に拡散された。三原氏の投稿は、多くの批判を浴び、いわゆる大炎上を起こした。その批判の内容は、主に二つの論点がある。

外国勢力の介入という主張の根拠が不明確

 一つは、外国勢力の介入という主張の根拠が不明確である点だ。三原氏の投稿は、アカウントの凍結と外国勢力の介入を暗に結びつけているようにも読める。批判的な主な意見の一つとして、凍結されたアカウントが外国勢力と関係があるという具体的な証拠が何一つ示されていない点が問題視された。あるX(旧Twitter)利用者は、「こども家庭庁解体を2013年から投稿しているが、外国勢力でも何でもなくただの日本人だ」と反論した。アカウントの凍結は、プラットフォーム側の規約違反、例えばスパム行為や嫌がらせ行為への対処として行われた可能性も十分に考えられる。根拠を示さずに「外国勢力介入」の可能性に言及することは、憶測に基づいて特定の意見を持つ人々を断罪する行為だと受け取られた。

 もう一つの大きな批判は、こども家庭庁の解体を求める声そのものを問題視するかのような姿勢に向けられた。三原氏は投稿で「こども家庭庁解体論を執拗に投稿していたアカウント」という表現を用いた。この表現は、解体を求める意見が正当な批判ではなく、一部の勢力による意図的な攻撃であるかのような印象を与える。これに対し、「7兆円もの予算を使いながら目に見える成果を出せないこども家庭庁は解体されて当然だ」等という趣旨の反発が数多く投稿された。こども家庭庁の政策や予算の使い方などに対する国民の不満は、かねてより存在していた。例えば、「子ども・子育て支援金」が事実上の「独身税」ではないかという批判等、具体的な問題点が指摘され続けてきた。こども家庭庁解体論は、こうした積もり重なった不満や不信感の表れであり、一国民からの意見としてこれまで批判してきた人々にとって三原氏の投稿は、自らの声を軽視し、封じ込めようとする政府の傲慢な態度に映ったのではないか。

三原氏の意図が透け、批判と炎上へ直結

 三原じゅん子氏のポストに対し多くの批判が寄せられ炎上したという事実は、「こども家庭庁解体論」が、三原氏が示唆したような外国勢力の工作によるものではなく、まさしく日本国民からの切実な批判であった事実を、かえって証明する形となった。

 そもそも、外国勢力による介入の有無は現時点では定かではない。三原氏がポストしたように、関係性について調査が必要であるという点に異論を唱える人は少ないだろう。情報工作は民主主義の根幹を揺るがす脅威であり、徹底した調査と対策が求められる。問題の本質は、調査が必要な不確定な情報と、特定の政策に対する批判的な意見を安易に結びつけ、「こども家庭庁解体論を執拗に投稿していたアカウント」とわざわざ付記した点に、三原氏の意図が透けて見えると多くの人が感じたことで、批判と炎上へ直結したのではないか。

かえって国民の不信感をさらに深めた三原氏

 三原氏の炎上ポストはこれだけではない。先ほどの炎上ポストを投稿した7月16日に続けて三原氏はこども家庭庁への「公金中抜き」批判に応える形で、省庁別の委託費割合を示す表を提示し、「こども家庭庁予算ファクト」としてこども家庭庁が最も低いと主張した。投稿に対し、多くの疑問や批判の声が上がっている。各省庁で異なる予算総額が大きく異なる点や、自治体への交付金や補助事業等が委託費に含まれていない可能性を指摘する意見、そもそも「中抜き」をしている前提である投稿を問題視する意見や、「委託費」の割合と「公金中抜き」を直接結びつける論法自体が不適切だという意見もある。こども家庭庁を擁護するはずの三原氏のポストが、かえって国民の不信感をさらに深めたのではないか。

 こども家庭庁を所管する大臣として本来取り組むべきは、こども家庭庁解体論を含む政策への厳しい批判を、国民の意見、つまり民意として正確に把握し、真摯に受け止めることである。そして、その背景にある国民の不安や不満を正確に把握し、政策の問題点を改善し、国民の信頼を回復するための努力を重ねることが、最も重要であり、国民から期待されていることである。本質的な課題から逸れた投稿を繰り返す行為は、事態を好転させるどころか、むしろ、こども家庭庁の解体や廃止を求める声をさらに高め、政府や与党全体への不信感を深刻化させる結果につながる危険性をはらんでいる。選挙戦で苦戦し、支持を失いつつある状況で、国民の批判を陰謀論的な枠組みで打ち消そうとするかのような姿勢は、さらなる支持離れを招きかねない。三原氏の投稿に対して寄せられた数多くの批判的な引用ポストは、同氏に一体どのように受け止められるのだろうか。国民の声に耳を傾ける姿勢が、今まさに問われている。

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みんかぶnote
この記事の著者
村上ゆかり

ライター。浜田聡前参議院議員の公設秘書を約4年半務め、主に政策調査を担当。1児の母。参院選愛知県選挙区にNHK党公認で2回出馬。人材業界や広告業界、保育業界等で主に営業企画職、人事マネージャー職を経験。アンガーマネジメント講師。

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