新NISAを「一生モノのキャッシュフロー製造機」にする方法を元メガバンク行員が暴露…資産寿命を劇的に延ばす“究極の出口戦略”の全貌

2024年から始まった新NISAは大きな注目を集める一方、「何から手をつければいいのか」と悩む投資初心者は少なくない。そうした中、初心者でも簡単に実践できる投資術をわかりやすく解説して支持を集めているのが、「バンクアカデミー」の小林亮平氏だ。
初心者が選ぶべき「ゴールデン銘柄」から、資産寿命を延ばす「新NISA出口戦略」の鉄則、さらには税金の一部が戻ってくる超お得な制度の全貌まで、同氏に詳しく解き明かしていただいた。全3回の第2回。
目次
投資信託で10年後に後悔しないための“王道”の選択とは
ここ10年ほどは、Google、Amazon、Appleといった巨大ハイテク企業を擁するアメリカ経済が絶好調で、S&P500のリターンはオルカンを上回ってきました。しかし、この流れが今後10年、20年と続く保証はどこにもありません。
未来の相場が読めないのであれば、特定の国に集中投資するのではなく、世界中の国々に幅広く分散投資しておくのが、もっともリスクを抑えた王道の戦略と言えます。オルカンは、これ1本でその「世界まるごと分散投資」が実現できるため、最適解に近い選択肢なのです。
何もしなくても“常に最適な投資比率”を保ち続けられる裏ワザ
ここでひとつ、知っておいていただきたい事実があります。それは、現在のオルカンの中身は、約60%が米国株で占められているということです。「全世界と言いながら、結局アメリカじゃないか」と思われるかもしれません。
これは、オルカンが各国の株式市場の「時価総額(企業の規模の大きさ)」に応じて投資比率を決めているためです。それだけ、世界経済におけるアメリカ企業の存在感が大きいということの表れなのです。
「では、中身の6割が米国株なら、いっそS&P500で良いのではないか?」という疑問も湧いてきますよね。それでも私がオルカンを推す理由は、オルカンは時代の変化に合わせて、中身の構成比率を自動で調整(リバランス)してくれるからです。
ほったらかし投資の極致「最強のディフェンス銘柄」で資産を守る
たとえば、今後20年でアメリカの勢いが少し衰え、代わりにインドやその他の新興国が大きく経済成長したとします。そのとき、オルカンはその時代の経済状況に合わせて、自動的にインド株などの比率を高め、米国株の比率を下げてくれます。私たちは何もせずとも、常にその時代でもっとも効率の良いポートフォリオ(資産の組み合わせ)を維持し続けてくれるのです。
この「自動調整機能」こそが、未来が読めない私たちにとって、オルカンが非常に心強い味方である理由です。
「S&P500最強神話」は過去の話なのか プロの見解は
もちろん、S&P500がダメだと言っているわけではありません。以下のような明確な考えをお持ちの方であれば、S&P500を選ぶのも良い選択です。
「今後もアメリカが世界経済を牽引し続けると強く信じている」
「先進国の中でほぼ唯一、移民受け入れによって人口増加が期待できる米国の将来性に賭けたい」
「AI分野などで世界をリードする、アメリカのハイテク企業のさらなる成長に期待している」
このように、ご自身の相場観や信念に基づいて「これからもアメリカが最強だ」と考えるのであれば、S&P500に集中投資することで、オルカンを上回るリターンが期待できる可能性は十分にあります。
まとめると、特に強いこだわりがなく、とにかく無難に、安心して長期的な資産形成をしたい方は「オルカン」。米国の未来を強く信じ、より高いリターンを狙いたい方は「S&P500」、という棲み分けになるでしょう。
資産形成の勝負は「出口戦略」で決まる やってはいけないNG行動
資産を順調に育てていくと、次に気になるのが「いつ、どのようにして増やしたお金を使えばいいのか?」という「出口戦略」です。これについては多くの方が悩まれますが、実は押さえるべきポイントは非常にシンプルです。
新NISAの出口戦略における、もっとも重要なたったひとつの鉄則。それは「運用している資産を、一度にまとめて全部売却しない」ということです。
たとえば、新NISAで運用してきた資産が、利益も含めて500万円に増えたとします。そして、車の購入資金として100万円が必要になったとしましょう。このとき、500万円をすべて売却して現金化してはいけません。