庶民舐めてる…ガソリン減税反対「フェラーリ河野」ボンボン世襲に伝えたい3つの現実「ネット大荒れ、批判続出」

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 10月31日に与野党6党の協議で、12月31日をもって廃止が決まったガソリンの暫定税率だが、この問題を巡り、河野太郎衆議院議員の発言が話題を呼んでいる。「本当に困っている人には、ガソリンだったり電気だったりの支援をするけども、何もフェラーリやポルシェに入れるガソリンを下げる必要はないんじゃないの」。これにネット民からは「庶民舐めとんな」「国民をバカだと思ってる?」といった厳しい声があがった。減税インフルエンサーのキヌヨ氏は「もし政治家がこのまま開き直るなら、次の選挙で徹底的に叩き落とされるだろう」と指摘する。キヌヨ氏が詳しく解説していく―-。

目次

減税はダメで補助金はOK。そんな理屈…

 与野党6党は10月31日、ガソリン減税の年内実施でようやく合意。日本維新の会の裏切りにあい、春に流れた合意が秋になりようやく成立した。政府は補助金の額を段階的に引き上げ、年内に暫定税率そのものを廃止する。軽油価格も来年には引き下げる。値上げラッシュ、増税ラッシュに苦しむ庶民にはようやく届いた朗報と言ってよい。

 しかし、この「ガソリン減税」について、あろうことか自民党議員の河野太郎元デジタル相は、11月2日に出演したテレビ番組で「ずっと石破内閣の時から反対だった」と語った。また、

「本当に困っている人には、ガソリンだったり電気だったりの支援をするけども、何もフェラーリやポルシェに入れるガソリンを下げる必要はないんじゃないの」

「今年の夏、日本は42度になるというような温暖化が進んでいる時に、化石燃料を普通に使っていいんだよというメッセージになってしまうのは非常にまずいなと」

「燃費のいい車に買い替える、EVに買い替えるときに補助を出しますよ、という風にお金を使ったほうが先行き、ガソリンの消費量が減るわけですから。またガソリンの値段があがっても影響は少なくなる」

などとも述べた。

 河野氏は①地球温暖化、②他に支援すべき人がいる、③補助金の方がいい。という3点を軸に減税反対論を展開した。ずっと税金で生活してきた議員は庶民の痛みなど分かっていないのか?河野氏によるバカバカしい減税反対論ではあるが、この3つの反論についてここできっちり反論しておく。

 まず①「地球温暖化」についてだ。

環境大事にするならまず利権まみれのメガソーラーをなくしたらどうなんだ

 今回の河野氏と同じように、今年の8月に国立環境研究所も「暫定税率廃止でCO2が増える」と試算し、浅尾環境相(当時)まで「影響大」と発言した。しかし、河野氏も環境研究所もガソリン補助金で価格を下げていたときには一切黙っていたわけである。減税はダメで補助金はOK。そんな理屈は通用しない。

 彼らは環境負荷の本丸を見て見ぬふりをしているだけだ。森林を削って設置するメガソーラー、野放図な再エネ事業の乱立、こうした政策こそ環境破壊そのものだ。 庶民に「生活必需品のガソリンを我慢しろ」と迫りながら、メガソーラーには触れない。これが“環境政策”の現実である。

 つまり河野氏が展開する地球温暖化を理由にした反対論は、ただの減税阻止の口実にすぎないのだ。国民を環境の名で脅しつけ、財布からさらに金を抜こうとする──そんな姑息な手口に騙される時代は終わらせよう。本当に環境を守る気があるなら、まず利権まみれのメガソーラーをなくせと言いたい。

 次に②、「他に支援すべき人がいる」という主張だ。

 フェラーリ国内台数は多くて1万台程度。ポルシェは多いとは言え10万台。一方で日本国内の自動車保有台数は8000万台とも言われる。つまり河野氏は、11万人程度の納税負担が軽くなることを嫌い、結果として8000万台分の自動車の燃料価格が下がることに反対しているわけだ。こんなバカな話はない。

ガソリン減税は日本で暮らす全員に恩恵がある

 物流は経済の根幹であり、車を使わない人も、宅配や商流などで間接的に物流には恩恵を受けている。所得の高い低いなど関係ないのだ。物流がなければ服も食料も満足に買えないのが現代。ガソリン減税は日本で暮らす全員に恩恵があると言ってよい政策である。

 そもそも河野氏の言う「支援」という表現はおかしい。減税は支援ではない。稼いだお金が本来あるべき場所、つまり稼いだ本人の手元により多く残るのが減税なのだ。これは私が減税を強く推す理由でもある。減税は支援ではない。自由の話なのだ。課税根拠をなくしても半世紀にもわたって不当に搾取されてきた暫定税率がなくなるのが今回のガソリン減税の発端である。

 最後に③「補助金の方がいい」という論点だ。

 需要動向を見れば、近年は価格が多少下がってもガソリンの消費は増えていない。

単純に票田(献金先)にばらまくお金が減るのが嫌なのだけ

 なぜなら、燃費の改善、EVやハイブリッドの普及、少子高齢化による人口減少、都市部の車離れが構造的に効いているからだ。資源エネルギー庁の発表でも全国の給油所数も1990年代ピーク期の半減となっている。

「安くなれば車利用が爆発的に増えていく」なんて、昭和の発想に過ぎない。「燃費のいい車に買い替える、EVに買い替える時に補助を出しますよという方にお金を使った方が、先行きガソリンの消費量が減る」なんていう節約術、庶民はとっくにしているわけだ。今更補助金を出す必要もない。

 また政府は「廃止に伴う代替財源」「財源が足りない」として新税・増税の話をするが、これは完全な嘘だ。2022年1月から始まったガソリン補助金(激変緩和措置)は支給開始2年で6兆円の予算を計上している。一方暫定税率が廃止されて不当に徴収されることがなくなるのは1.5兆円である。どっちが金かかる話なのかは一目瞭然だ。これだけでも政府の言っている財源論がでたらめなことがわかる。単純に票田(献金先)にばらまくお金が減るのが嫌なのだ。それが権力の源泉であるから。

 政府は「代替財源がないと道路が維持できない」とも説明する。しかし自動車関連税は年間9兆円、実際に道路に使われるのは5〜6兆円。必要額の倍近く取っておきながら「道路財源が足りない」と言うのは詐欺同然だ。2009年に道路特定財源が廃止され、税収は医療・教育・防衛などに流用された。その結果、国民は巨額の自動車税を払っているのに道路環境は悪化。橋やトンネルはボロボロ、補修も遅れている。つまり足りないのは財源ではなくまともな運用の方なのだ。「払っても道路は直らないのにまだ取るのか」──これは納税者を愚弄している。本当に道路維持を優先するなら、代わりの財源ではなくまず自動車税を他に流用できなくする特定財源化に戻すべきなのだ。

足りないのではなくて、使いすぎ

 「財源不足だから減税反対」と繰り返す政治家たち。しかし国民はすでに説明したように道路整備費以上の税を負担しており、充分国民の義務を果たしている。河野氏のように「地球温暖化だから反対」も間違っている。国は日本の山林をメガソーラーに変えてしまっている。国民を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたい。

 いまの日本に必要なのは歳出削減だ。政府は「老朽化したインフラのため」「財源不足だから仕方ない」と減税に反対するが、その実態は国民からバラマキのための税金をいかに取り立てるかしか考えていないだけである。

「国民を絞るな、バラマキを絞れ」

 必要なのは「財源」ではなく「切るものを切っていく」こと。

 政策の優先順位を決め、緊急性の低い事業を切る歳出削減だ。かつては各省庁の予算要求を縛るためにゼロシーリング(前年同額上限)が導入され、橋本行革期以降はマイナスシーリング(前年比マイナス要求)まで課された。官僚が必死に知恵を絞った結果、歳出膨張には一定の歯止めがかかり、政府には最低限の緊張感が保たれていたのだ。しかし今はその規律が完全に形骸化し、「バラマキのための財源」「財源不足だから増税」という安易な論理ばかりが横行している。これでは政治でも行政でもなく、ただの“強奪”にすぎない。切るもの切っていく覚悟を持たない限り、財政再建、経済再生は進まないし、まともな政治など夢のまた夢だ。

 本来、何を残し何を削るかを決めるのは国民ではなく、議員や各省庁の役割だ。そのために政治家と官僚に権限が与えられているはずである。いま物価高に苦しむ国民が求めているのは、課税対象のすり替えではなく、ゼロシーリングやマイナスシーリングを徹底した不要不急予算の削減、そして本物の「増税なしの減税」だ。増税など絶対に許されない。「減税詐欺は許さない」「国民を絞るな、バラマキを絞れ」──責任を放棄する政治家と官僚は国民の怒りの声を聴くべきだ。もし政治家がこのまま開き直るなら、次の選挙で徹底的に叩き落とされるだろう。

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この記事の著者
キヌヨ

SNSで活動する「ナイス減税会」立ち上げメンバー。税や法を通じて他人を支配できる力に対し、減税というシンプルで力強い手段で個人の自由を取り戻す運動を展開中。政治家や官僚もまたコントロール欲から逃れられない存在であることを見据え、今日も減税片手に増税政治家に単身切り込んでいく。

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