石破さん頼む、黙ってくれ!「おこめ券配布の原資は?」前総理の異議に経済誌元編集長が激怒…全部あなたの尻拭い!国民と日本農業の重荷

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 石破茂前首相が「ABEMA的ニュースショー」にて、高市早苗政権の肝いり政策「おこめ券配布」について批判した。「おこめ券を配るよりも、経済的に余裕がない人たちが、望む時にリーズナブルな価格でお米が手に入るようにすることの方が大事じゃないですか。そこには税金を投入しないんだから」「おこめ券は税金が原資だから。国民の税金をどう使いますかって話ですよ。おこめ券をもらえば、うれしいだろう。だけどその原資は何ですか?国民の税金でしょう?」「それよりは、お米の供給に余裕があって、経済的に苦しい人でも今年の夏みたいに、『お米ないなあ。でも高いよなあ』という状態を解消する方が、よっぽど国民の税金の使い方として正しいのじゃないか」。経済誌プレジデントの元編集長で作家の小倉健一氏は石破元首相の発言に対して「黙りなさい」とピシャリ、批判する。小倉氏がこの一連の問題について解説していく――。

目次

たしかにおこめ券はセンスのないバラマキだが…あなたが言うか!

 一枚の紙切れが、物議を醸している。「お米券」。11月、高市早苗政権が打ち出したこの政策に対し、世間からは嘲笑と批判の嵐が巻き起こっている。「いまさら配給か」「バラマキだ」「センスがない」。

 その通りだ。否定はしない。経済合理性の観点から見れば、クーポン配布などという政策は、あまりに効率が悪く、前近代的で、知性を欠いた手段である。市場に直接介入し、税金で需要を無理やり作り出す行為は、自由な経済活動に対する冒涜と言ってもいい。

 しかし、この愚策を笑う前に、私たちはもっと巨大な悪、この事態を引き起こした「元凶」を直視すべきだ。

 その男の名は、イシバ…。

 前総理大臣であり、かつて農水大臣として日本の農業を「改革する」とうそぶいた人物である。

 今、彼がメディアなどを通じて、現政権の対応を批判しているという。自分のことを棚に上げ、よくもまあぬけぬけと語れるものだ。その厚顔無恥ぶりには、怒りを通り越して吐き気すら覚える。

 高市首相が泥まみれになって配ろうとしているこの「お米券」は、決して彼女が望んで選んだ未来への投資ではない。それは、石破茂という政治家が、日本の農業と市場に撒き散らした猛毒を、必死で拭い取るための、汚れきった雑巾なのだ。

 時計の針を、少し戻そう。すべての歯車が狂い始めたのは、石破政権下での出来事だ。

石破政権時の「大きな政府」の怠慢

 今年の初めから春、夏にかけて。コメ不足が叫ばれていたあの時、石破氏は何をしたか。彼は「米の増産にかじを切る」と高らかに宣言した。

「足りないなら、作らせればいい」。まるで工場のライン作業員に命令するかのような、単純極まりない発想だ。政府が号令をかければ、農家が動き、問題は解決する。そう信じて疑わない、典型的な「大きな政府」の傲慢さがそこにあった。

 だが、農業は工業ではない。市場は生き物だ。

 石破氏が強力に推進した増産政策は、瞬く間に「供給過剰」という悪夢を招き寄せた。政府に言われるがままに作付けを増やした農家たちの目の前には今、行き場を失ったお米が山のように積み上がっている。

「作れと言われたから作ったのに、余ってしまった」。農家の悲鳴が聞こえるだろうか。

 事実、後任の鈴木憲和農水大臣は、2026年産の米を抑制する方針へと転換するという。これは、石破氏の「増産指令」が、市場の需給バランスを完全に無視した、無謀な暴走であったことを証明している。

 さらに罪深いのは、「備蓄米」の扱いだ。

 石破政権は、価格高騰を抑える切り札として、備蓄米の放出を決定した。

 しかし、結果はどうだったか。

市場価格にほとんど影響を与えられなかった石破政権

 一般の市場価格にはほとんど影響を与えなかった。なぜなら、放出された備蓄米は、私たちがスーパーで買うような精米とは流通ルートが異なり、品質も低いものだったからだ。

 安物の古い米がいくらか出回ったところで、消費者が求める美味しい新米の価格は下がらない。結果として、巨額のコストは、ただ市場を混乱させ、業者の在庫管理を複雑にしただけで、何の意味もなさなかった。

 石破氏のやったことは、精密な時計を修理すると称して、バールで叩き壊したのと同じだ。

 彼は「政府の力」を過信し、市場という繊細なシステムを土足で踏み荒らした。

 その結果、2025年11月の日本には、奇妙で残酷なパラドックスが残された。

「価格は史上最高値を更新し続けているのに、倉庫にはお米が余って溢れかえっている」。

 本来なら、余れば安くなるはずだ。だが、石破氏の介入によって流通のパイプが詰まり、需給のシグナルが壊れ、価格メカニズムが機能不全に陥っている。そして今、高市早苗首相が直面しているのは、この焼け野原のような惨状だ。

おこめ券は自由経済の敗北である

 お米券は、たしかにひどい政策だ。

 税金を使って需要を捏造し、JA(農業協同組合)や流通業者の在庫を無理やり処理させる。それは自由経済の敗北であり、社会主義的な配給制度への先祖返りだ。彼が増産などという余計な口出しをしなければ、需給は自然に調整されていただろう。

 それなのに、石破氏はどうだ。

 報道によれば、彼は自身の政策の失敗を認めるどころか、不快感を露わにし、現政権の対応を批判しているという。

「私の時はこうではなかった」「改革が足りない」。

 よくもまあ、しゃあしゃあと。

 放火魔が、消火活動に追われる消防士に向かって「水の撒き方が下手だ」と説教をしているようなものだ。

 その神経の図太さには、ある種の感動すら覚える。だが、それは政治家としての資質ではない。単なる無責任だ。

 かつて自民党の農林族たちが、そして石破茂という政治家が、長年にわたって築き上げてきた「政府がすべてをコントロールする」という幻想。その幻想が破綻し、崩れ落ちてくる瓦礫を前に、高市首相は立ち尽くし、なすすべもなく愚策を発している訳だ。

あなたが語るべき言葉は、批判でも提言でもない

 石破茂氏に告ぐ。

 黙りなさい。

 あなたが語るべき言葉は、批判でも提言でもない。

 「申し訳ありませんでした」という、ただ一言の謝罪である。

 すべての責任は、あなたの無策と、市場を軽視した傲慢さにある。

「お米券なんて馬鹿げている」と笑うのは簡単だ。だが、その裏にある構造的な欠陥を見抜かなければ、また同じことが繰り返される。

 問題の本質は、「政府が賢いふりをして市場に介入すること」そのものにある。

 石破氏のように、政治家が「作れ」「売れ」と指図をすれば、必ず歪みが生まれる。その歪みは、巡り巡って私たちの財布を直撃し、農家の経営を圧迫する。

 高市首相に、ぜひともお願いしたいことがある。

 二度とお米券など配らなくて済むように、そして二度と石破氏のような人間が市場を荒らさないように、農業を「政治」から解放してほしい。

 政府は生産量に口を出さない。JAの独占を許さない。農家が自分の頭で考え、市場と向き合い、自由に商売ができる環境を作る。それこそが、「石破茂」という悪夢を完全に払拭する、唯一の道である。

 もう一度言おう。

 石破前首相は黙りなさい。

日本の農業が、そして国民が、あなたの尻拭いに追われている

 日本の農業が、そして国民が、あなたの尻拭いに追われているこの最中に、あなたの声など1ミリも聞きたくはない。

 あなたがすべきことは、沈黙を守り、歴史の法廷で裁かれるのを静かに待つことだけだ。

 改めて。高市首相が打ち出した「お米券」という愚策は、石破氏が日本の農業と市場に撒き散らした毒を拭い取るための、汚れきった雑巾に過ぎない。市場の価格メカニズムを破壊し、供給過剰と価格高騰という奇妙なパラドックスを招いた元凶こそ、政府の力を過信した彼の傲慢な介入に他ならない。放火犯が消火活動を批判するような厚顔無恥な振る舞いは、今すぐ止めるべきだ。彼がメディアを通じて現政権の対応を批判しているこの瞬間にも、日本の農業は彼の負の遺産に苦しんでいるのである。彼が語るべき言葉は、弁明でも提言でもなく、「申し訳ありませんでした」という、たった一言の謝罪である。そして、この悲劇を二度と繰り返さないために、我々国民が真に望むべきは、石破氏のような政治家が農業に余計な口出しをしない、市場原理に基づいた自由な経済環境の確立だ。JAの独占を許さず、農家が自立し、消費者が恩恵を受ける「政治からの農業解放」こそ、石破茂という悪夢を完全に払拭する、唯一の道である。彼の沈黙こそが、日本の農業再生に向けた第一歩となる。

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