韓国系キリスト教団体が日本のホームレスに現金をばら撒く理由…その恐るべき資金力の秘密

安倍晋三元首相銃撃事件で、一躍、誰もが知る存在となった宗教団体・統一教会(世界平和統一家庭連合)。山上徹也容疑者の犯行動機は、韓国に本部を置くこのキリスト教団への憎悪があったとされ、山上容疑者の母は統一教会に1億円を超える献金をしていたと伝えられている。同教団ではほかにも多額の献金が原因でトラブルが多発していることから、その資金力は相当なものであると言えよう。
だが、日本で活動する韓国系キリスト教団は統一教会だけではない。身近なところにも存在し、意外な場面で、その資金力をいかんなく発揮している。昨年の夏、東京で2カ月間のホームレス生活を行ったルポライターの國友公司氏がレポートする。
ホームレスの命を支える公園炊き出しの意外な担い手
東京という場所では、ホームレスであっても飢えを感じずに生活ができるくらい連日のように各地で炊き出しが行われている。とくに多くのホームレスがアテにしていたのが、台東区にある上野公園で週に4日行われる炊き出しだった。この炊き出しは4つの韓国系キリスト教団が週に1回ずつ、食料を配給している。
1枚の皿に米と麺と魚のフライを載せてくれる日もあれば、弁当などと一緒にバナナや保存食をくれる日もある。1回の炊き出しで少なくとも2周、多ければ3周は並ぶことができ、週に4日間上野公園に来ていれば、それだけで1週間の食事が賄えるというほどの充実ぶりであった。逆にこの炊き出しがすべてなくなってしまえば、それはホームレスたちにとって非常に恐ろしいことであるが、「そんなことにはならないよ」とこっそり事情を教えてくれたのは、上野公園に住んで18年のホームレスの男性だ。
「上野公園でやっている炊き出しは昔からずっと韓国系キリスト教会がメインなんだよね。新宿でも韓国系キリスト教会が炊き出しをやっている。なぜかというとね、こういう慈善活動を写真や動画に収めて母国で発表すると、国の富裕層から寄付金がものすごい額集まるんだ。それで儲かっちゃうんだから。バブル崩壊時の90年代前半、上野公園には600人を超すホームレスが生活していんだけど、そのとき、ホームレスたちの食事を支えていたのもやっぱり韓国系キリスト教会が中心だったよ」
炊き出しの現場にベンツで乗り付ける協会関係者
この炊き出しを受けるには、まず韓国人の牧師または神父の説教を聞かなければならない。炎天下の中、立ちながら30分もわけのわからない話を聞き続けるのは非常に苦痛だ。代表と思われる韓国人の男が、舞台俳優のような演技で叫ぶ。
「一人一人がこの暑さの中で神様の御言葉を聞こうと来ました。誰一人として熱中症にかかることなく、主がその健康を守ってくださることを切に願います。そして今日、神様の御言葉を聞いて――」
話の途切れ目のたびに「まだ続くのか」と周囲から溜め息が漏れ、「もうわかったから勘弁してくれ」といった雰囲気で「アーメン!」、「ハレルヤ!」という野次が飛び交う。暑さでフラフラになっている老人などお構いなしで演説は永遠と続くのだが、たしかにその様子をスタッフたちはきちんと写真や動画に収めているのだ。
そのスタッフたちはというと、炊き出しの現場にベンツやBMWに乗ってくることもある(前出のホームレス談)。そういった姿を日常的に見ているため、教会に対して感謝というよりもむしろ、「自分たちのおかげで教会は儲かっている」とすら考えているホームレスもいるくらいだ。
かつてはひとり1万円の無償配布も
新宿区大久保にある韓国系キリスト教会では、週に1回行われる炊き出しのうち、月に1回は参加者全員に現金を配ってくれる。筆者も一度参加したことがあるが、参拝堂に実に300人以上の人たちが集結していた。行列に並び、自分の番が来ると現金が入った封筒と弁当をひとつもらえる。その際は一人3000円の配布だったので、単純計算で90万円の現金をばら撒いていることになる。同じくこの教会に来ていたホームレスの男性に聞くと、過去には一人につき1万円を配っていた時期もあるそうだ。
「今は人が増えすぎて3000円に下がったけど、つい最近まで1万円くれたんだよ。並べるのはひとり1回までって決まっているけど、そんなものは誰も守らない。みんな服を替えたり、帽子をかぶったり、眼鏡をかけたりして変装して、何回も並ぶんだ。俺なんか最高で5万円もらったことがある」