Dappiを潰した「大人の本気」…「無敵な匿名」が続々賠償へ! 法改正でSNS誹謗中傷新時代

「改正プロバイダ責任制限法」施行…SNS書き込みの開示請求が容易に
「いままでネットで調子に乗ってた一般人は気をつけたほうがいいよ、有名人とか金持ちとか、これまで我慢してきた連中が手ぐすね引いて待ってるからさ、まともな奴はそれを見越して動いてるよ、俺もそうだ」
練馬のファミリー向けマンションの一室で、編集プロダクションを営むA氏(50代)が語る。その内容はネットの誹謗中傷。10月1日からの「改正プロバイダ責任制限法」の施行を見越しての話だ。この改正をごく簡単に説明すると、これまで複雑だった情報開示の手続きが1回で済むようになり、また開示請求の情報範囲が拡大され、アクセスプロバイダにも開示の義務が発生することになった。
「そんなの丸裸だからね。だから最近はキュレーションサイトやまとめサイトもなるべく客観性を持たせるようにしている。訴えられるのは書き込む連中って具合に仕向けるように書くのが難しくなったね。削除も勝てそうにないのが来たらすぐに削除している。大事な金づるだから」
A氏は相変わらずベラベラとまくし立てる。郊外の幸せそうな親子連ればかりのマンションに、こんなアングラ事務所があるとは誰も思うまい。悪い話は悪い人に聞くのが一番で、彼は自ら「悪人」を自負している。
「弁護士さんは法律の専門家だけど立場があるからね、俺みたいな奴のほうが建前抜きに話せると思うよ」
彼はここで、いわゆる「まとめサイト」を運営している。ここでは便宜上、まとめサイトとしているが、キュレーションサイトや「いかがでしたかブログ」と呼ばれるもの、アダルト向けの成人サイトなど、彼は広告収入が期待できるものなら何でも手を出している。それも今回の改正の影響を受けるということか。
これまでサンドバッグ状態だった有名人たちの逆襲が始まった
「Dappiもそうだったけど、権力や金のある奴らに本気を出されるとサイトが潰れる。それが以前よりは容易になるってことは確かだと思う」
DappiとはTwitterで17万人以上のフォロワーを持ち、与党に批判的なメディアを攻撃する過激なツイートで人気を集めていたアカウントだったが、立憲民主党の参議院議員の小西洋之氏と杉尾秀哉氏に訴訟を起こされて、自民党と取引があった企業のアカウントではないかと疑われ、アカウントは2021年10月1日から動いていない。
「まあ金貰ってやってたとか、それは関係なくて、俺が言いたいのはこれからそういう開示訴訟が簡単に出来るようになるってことだよ。それなのに、いまだに煽(あお)ってる一般人いるだろ、ほんと加減を知らねえんだよな」
ここで具体的な話になったが、直近ではお笑いコンビの爆笑問題や橋下徹弁護士が所属する芸能事務所「タイタン」が誹謗中傷に法的措置の対応をするとの声明を発表した。