EMAと呼ばれる指数平滑移動平均線とは?SMAとの違いと具体的な戦略をご紹介

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EMAと呼ばれる指数平滑移動平均線とは?SMAとの違いと具体的な戦略をご紹介

指数平滑移動平均線(EMA)とは、トレンドを早く知るためのテクニカル指標です。単純移動平均線(SMA)と比べて、より早く値動きに反応することが特徴です。

基本的なテクニカルの一つで、ほとんどのFX会社の取引ツールに搭載されています。

それではテクニカルアナリストの筆者が、指数平滑移動平均線(EMA)の基本から特徴、また分析、活用方法について徹底的に解説していきます。

ひとこと要約

  1. EMAの方がSMAより早く値動きに反応する
  2. 期間違いのEMAを2-3本表示してトレンドを掴もう
  3. 移動平均乖離率やCCIと組み合わせて使うのもオススメ

目次

指数平滑移動平均線(EMA)とは

指数平滑移動平均線(EMA)は、単純移動平均線(SMA)に改良を加えて、直近の値動きに重きを置いたトレンド系のテクニカル指標です。Exponentially Smoothed moving Averageの略でEMAとも呼ばれます。以下、EMAと表記します。

EMAは期間の違うものを2、3本組み合わせた使い方が一般的です。1本でも価格とEMAの位置関係から分析できますが、複数のEMAを組み合わせることで、より深い分析や売買タイミングまで測ることができます。

EMA短期線、中期線、長期線

このようにEMAが引いてあると、ローソク足がどの方向へ向かっているのか視覚的に特徴を掴みやすくなります。

筆者オススメのEMA設定値

  • 短期 5、9、10
  • 中期 20、21、25、40、50
  • 長期 75、100、200

EMAの期間は相場環境や、自分の手法に合うようにカスタマイズしていきましょう。

また、EMAはMACDにも応用されています。

では、EMAの特徴を押さえるために、EMAとSMAの違いを理解しましょう。

EMAとSMAの違い

SMA(Simple Moving Average)は単純移動平均線の英略で、一定期間のレートの平均値を線としてつなぎ合わせたテクニカル指標です。以下、SMAと表記します。

SMAでは、期間中の値動きは平等な扱いですが、EMAでは直近の値動きに比重をおいて、市場の変化をいち早く取り入れます。

例えば同じ5日の移動平均線で比べてみましょう。SMAはオレンジ棒グラフで、EMAは青棒グラフで、5日間の値の寄与度を表しています。

SMAとEMAの違い

では、実際にEMAとSMAの数値を比べてみましょう。こちらの表は、日足で5日線データを計算した値になります。

日数 価格 EMAの値 SMAの値
1日目 100
2日目 129
3日目 105
4日目 100
5日目 120 109 109
6日目 150 122.7 119
7日目 180 141.8 131

EMAでは直近の値に比重をおいて計算しているため、6・7日目の価格急騰に対してSMAより大きく反応していることがわかります。

実際にSMAとEMAの動きを比べてみましょう。

EMAとSMAのデッドクロス時の違い

EMAの方が同じ期間のチャートでもデッドクロスが早く発生しています。SMAだと直近のトレンド転換した時のシグナルが出始めるのが遅くなってしまうということです。

EMAの見方と基本的な売買ルール

短期EMA,中期EMA、長期EMAの3本の線を表示した時、それぞれEMAはどうなっているのか特徴を見ていきましょう。

上昇トレンド中のEMA

上昇トレンド中は、EMAの傾きが上方向になります。上から短期EMA、中期EMA、長期EMAの順に並び、上昇傾向が強いと3本の線の間隔が広がっていきます。

上昇トレンドの際のEMA

上昇トレンド まとめ

  • EMAの傾きが上方向になる
  • 上から短期EMA、中期EMA、長期EMAの順に並ぶ
  • 3本の線の間隔が広がる

調整期間中のEMA

相場が天井を打つと、短期EMAと中期EMAが交差し始め、EMAの順番が変わります。調整期間中は、3本の線がねじり合ったり、EMAの方向性が定まらないといった特徴がみられます。

EMAがクロスするタイミングはだましが多くなるので注意が必要です。

調整相場

調整期間中 まとめ

  • 傾きが水平もしくは方向性が定まっていない
  • 3本のEMAの交差が頻繁に起こる

下落トレンド中のEMA

調整期間から下落トレンドに突入するとEMAの傾きは全て下方向になり、上から長期EMA,中期EMA,短期EMAの順に並びます。下落傾向が強いと、3本の線の間隔が広がっていきます。

下落トレンド時のEMA

下落トレンド まとめ

  • EMAの傾きが下方向になる
  • 上から長期EMA、中期EMA、短期EMAの順に並ぶ
  • 3本の線の間隔が広がる

EMAをサポートライン、レジスタンスラインとして使う

EMAはサポートラインやレジスタンスラインとして機能することがあるので、期間違いで複数表示させるのがオススメです。

サポートラインとレジスタンスライン

上図のローソク足の値動きとEMAの動きを見てみましょう。EMA(25)がサポートラインとなり価格が上昇しているのがわかります。

その後、ローソク足がEMA(25)の下にもぐりこんで、下降トレンドの中でEMA(25)がレジスタンスラインとして機能していることが分かります。

チャートで見るレジスタンスライン

上図では、EMA(25)がレジスタンスラインとして機能していましたが、調整相場となりローソク足がEMA(25)の上に抜けてきました。今度はEMA(100)がレジスタンスラインとして機能しています。

つまり、ローソク足がEMA(25)を抜けると、次はEMA(100)を目指すような動きが予想できます。「調整相場になるか、それとも目安となるEMAを突き抜けてトレンド転換になっていくのか」と、先のことを考える視点が重要になってきます。

EMAで買い時、売り時を見極める方法

グランビルの法則

EMAやSMAなどの移動平均線には、移動平均線と価格の位置関係から売買パターンを探る「グランビルの法則」という基本法則があります。EMAの方がSMAより直近の値動きの影響を受けやすい分、価格と線の交差が多くなりSMAよりも売買判断が早くできる傾向があります。

グランビルの法則には8つのパターンがあり、買いが4パターン、売りが4パターンです。

買いシグナル

グランビルの法則1

グランビルの法則1MAが下落、または横ばいで推移した後、価格が上昇に転じMAを下から上に突き抜けたとき

グランビルの法則2

グランビルの法則2MAが上向きの状態で、価格がMAを下回るとき

グランビルの法則3

グランビルの法則3MAが上向きで価格がMAより上にある時に、MAを割込まず再度上昇を始めたとき

グランビルの法則4

グランビルの法則4移動平均線が下向きの状態でも、価格が移動平均線と大きく乖離したとき

売りシグナル

グランビルの法則5

グランビルの法則5MAが上昇し終わり、横ばいで推移した後、価格がMAを上から下に突き抜けたとき

グランビルの法則6

グランビルの法則6MAが下向きで、価格が移動平均線を上回ったとき

グランビルの法則7

グランビルの法則7MAが下向きの場合で、価格がMAに近いが、MAを上回ることなく再度下落に転じたとき

グランビルの法則8

グランビルの法則8MAが上昇している場合でも、価格がMAと大きく乖離したとき

8シグナルの出現パターン

8シグナルの出現パターン

ゴールデンクロスとデッドクロス

ゴールデンクロス

ゴールデンクロス下降トレンド、レンジの下限などで短期EMAが長期EMAを下から上に突き抜けてクロスすることをゴールデンクロスと言い、買いサインになります。

デッドクロス

デッドクロス上昇トレンド、レンジの上限などで短期EMAが長期EMAを上から下に突き抜けることをデッドクロスと言い、売りサインとして考えられています。

ゴールデンクロスやデッドクロスのタイミングは、しばしばトレンド転換よりも遅れることがあるため注意が必要です。
また、だましが発生し、トレンド転換にならず調整相場になることも多々あります。そういった場合に備えて、他のテクニカル指標と組み合わせて分析するのもオススメです。移動平均乖離率というテクニカル指標ではEMAと価格の関係から分析できます。

EMAとの組み合わせにおすすめのテクニカル指標

レンジ相場やトレンド転換を早く察知するために、EMAと他のテクニカル指標の併用もオススメです。EMAはトレンド系指標なのでオシレーター(逆張り)系の移動平均乖離率、ストキャスティクス、RSI、CCIなども相性が良いテクニカル指標です。

EMAと移動平均乖離率を組み合わせる

移動平均乖離率とは、移動平均線からどれだけ価格が離れたかを数値化した指標です。
乱高下が激しい相場などで価格とEMAの位置が離れてくると、移動平均乖離率の数値が上がります。

移動平均乖離率は、「価格はいずれ移動平均線に収束する(戻ってくる)」という考えを利用して、「売られすぎ」や「買われすぎ」を表しています。
通貨ペアの種類によって特徴が違いますので、平均してどれだけ乖離するのかなど、過去の数値を目安にトレンドの反転を探っていきます。

【計算式】
移動平均乖離率={(価格ー移動平均線の値)÷移動平均の値}×100(%) 
値の範囲:-100%~+100%

移動平均乖離率は反応が早いため、EMAのゴールデン/デットクロスよりも早くトレンド転換を確認できます。ですが、反応が早い分だましも多いため、EMAとの併用がオススメです。併用することで売買タイミングの判断基準を増やし、より適切な売買タイミングを探ることができます。

EMAと移動平均乖離率

買われすぎサイン

  • 価格が移動平均線を大きく上回っている

売られすぎサイン

  • 価格が移動平均線を大きく下回っている

グランビルの法則の4と8は乖離率を利用したトレード手法となります。

CCIを組み合わせた売買手法

CCIとは

CCIは、「商品チャネル指数」と呼ばれます。値動きの幅に対して現在値の乖離がどのくらいかを数値化したものです。値幅上限がなく、基本推移は±100の間だとされてます。

売られすぎは-100以上、買われすぎは+100以上ですが、±100を超えたらエントリーできるのではなく、天底つけて±100の値に戻ってきたときが一般的なエントリーポイントとされています。

CCIの買いシグナル

  • -100以下で推移して-100に戻ってきたとき

CCIの売りシグナル

  • +100以下で推移して+100に戻ってきたとき

EMAとCCIを組み合わせた具体的な売買手法

ドル円チャートで、EMAとCCIを併用した場合の売買ポイントを見ていきましょう。

  1. CCIが-100以下から-100に戻ってきたポイントを確認
  2. EMAの傾きが上向きを確認
  3. 価格がEMAの上を突き抜けたのを確認して売りエントリー
  4. EMAがデッドクロスしたことを確認
  5. ロスカット基準、利確基準をあらかじめ決めておくのも忘れずに
CCIとEMAを組み合わせた売買手法

CCIが反対シグナルを出すときや、EMAの傾きが反転したとき、直近高値を上に抜いたときなど、あらかじめ決めておきます。

売りポイントは買いポイントと逆になります。CCIの方がEMAよりも早い段階でシグナルが出ているのがわかります。

EMAとCCIを使ったエントリー

CCIの設定値は14が基本です。ボラティリティの高い通貨ペアでは値を大きくするなどして、だましが少なくなるように、通貨ペアによって調節してみてくださいね。

EMAのまとめと注意点

EMAは、EMAの傾き、複数引いたときの間隔の広がり方、クロス、価格とEMAの位置関係という4点からトレンド分析ができます。

EMAだけでなくテクニカル分析の全般に言えることですが、チャートのトレンドを把握することが勝つためのトレードの王道と言えます。いろんなテクニカル指標を勉強したけど、「やっぱり多くの人が使うEMAに戻って分析するのが一番使い勝手がいい」というトレーダーもたくさんいるので、分析をしっかり練習して自分のものにしてくださいね。

サイ

東京大学大学院卒、NTAA認定テクニカルアナリスト /株式・為替トレーダー歴7年。ファンダメンタルズとテクニカルを組み合わせた分析手法の解説が得意。ラジオ日経「THE スマートトレーダー+」の出演など

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