タイプ別おすすめ取引 – じっくり投資

最後は、将来を見据えてじっくりと投資したいという投資方法です。
じっくり投資するならば外貨預金や外貨MMF、外貨建て投資信託などもありじゃないかと思うかもしれません。しかし、これらの投資商品は手数料がかなり高いものとなっています。
大手都市銀行でドルの外貨預金をしようと思うと、ドルに換えるときに1ドルあたり1円、円に戻すときに1ドルあたり1円の手数料がかかります。ネットバンクだと比較的手数料を抑えられますが、それでもかなりの高額になってしまいます。
FXでは取引手数料は無料のところが多いうえに、実質的な手数料にあたるスプレッドも1銭以下などという場合が多く、非常にローコストになっています。
取引手法としては、比較的金利の高い通貨を対円で買い、長期に保有することで、スワップポイントによる収益を狙う方法になります。
レバレッジをかけてしまうと値動きのリスクが大きくなりますが、例えばレバレッジ1倍で投資した場合、外貨預金と値動きのリスクが変わらず、ローコストのメリットを享受できます。
目次
メリットはローコスト

外貨預金、外貨建てMMF、外貨建て投信など、様々な外貨建て金融商品と比べて、取引コストが小さいことがメリットとなります。例え取引回数が少なくても収益全体を考えたときに手数料の占める位置は大きいです。また、取引コストが小さいことで、いったんポジションを解消して、また戻すといった柔軟な対応も可能になります。
デメリットは必要な資金量と金利変化
デメリットはある程度の資金量が必要になることです。スワップポイントは金利差に基づくものなので、例えばドル円ならば2%程度。10万円ならば年間2千円程度にすぎず、収益を得るためにはある程度の資金が必要になります。
もう一つのデメリットはあくまで金利差なので、円の金利が上がるようなことがあると米ドルなど投資先の金利が下がらなくてもスワップポイントが減ってしまうことです。当面円の金利が上昇する局面は考えにくいですが、将来的なリスクとしては意識しておく必要があります。
おすすめの通貨ペアはドル円と南アランド

かつては豪ドルやNZドルが人気でしたが、いまや米ドルよりも金利が低く、スワップポイント狙いとしての魅力は乏しいです。
ドル円はそれなりに金利が取れるということに加え、米国の情報は比較的とりやすいので、何か変なこと(911のテロみたいな大きな事件やリーマンショックのような世界経済に変化を与えるような状況)が起きたときに察知しやすく、いったん取引をやめるというような選択がやりやすいのもポイントです。FXの場合コストが小さいので、状況が落ち着けば取引を再開すればいいのです。
南アランドは高金利の新興国通貨の代表格の一つです。新興国通貨は取引量が小さく値動きが激しいという特徴がありますので注意が必要ですが、6.75%という金利水準は魅力的です。同じく高金利のトルコリラに比べると経済に安定性があります。最近はメキシコペソも人気ですが、トランプ大統領に振り回され続けていますので、初心者の投資先としてはおすすめしにくいです。
南アランド円を取引する際の3つポイント

ドルの取引のポイントは前章にあげましたので、南アランドのポイントを三つ。
1)相場の急変にご用心
新興国通貨のリスクを意識すること。ドル円などに比べて取引量が少なく、時間帯によっては市場全体の流動性にかけることがあります。そのため相場が一気に変動するリスクがありますので、レバレッジは出来る限り小さくすることが重要。また長期投資であってもストップロス注文を絶対に忘れないようにします。
2)中国経済の状況に注意
南アフリカはオーストラリアに並ぶ世界の資源大国です。その主要な輸出先として中国が南ア経済の重要な位置を占めています。中国景気の動向次第で中国向け輸出が減退すると、南ア経済に悪影響が出てランド売りが強まるなどということがありますので、南アの経済指標だけでなく中国の動向にも要中です。
3)短期の値動きにこだわりすぎず長期投資を意識
経済状況の変化などの情報がとりにくい新興国通貨は、短期の取引で安定して収益を上げるという投資にはあまり向いていません。じっくりとポジションを維持し、値動きの収益はゼロでも、スワップポイントでしっかりと稼ぐという意識が必要。レバレッジを押さえておけば、ある程度の値動きの評価損はスワップポイントでカバーできますから、数カ月から年単位の投資を意識したいところです。
ただ、リーマンショックのようなことが将来起こりえないとは限りませんから、長期に保有するからといってニュースなどを確認しなくていいというわけではありません。危ないと思ったらいったんやめるということが大事です。
200日移動平均線の傾きと水準を意識
長期投資の場合テクニカルはそれほど関係ないですが、日足による長期の移動平均線の傾きと水準は意識しておきましょう。200日線がおすすめです。長期の外貨高円安トレンドに乗ると、スワップポイントと値動きによる収益ダブルで美味しいです。
南アランド円相場は今後どっちにむかうのか
FX取引でもしない限りあまりなじみのない南アランド。今後はどのような動きが期待されるでしょう。
中国の景気減速懸念が最も重要なポイントとなります。毎年のように景気減速懸念が報じられながら、底堅い中国経済ですが、米国との関係が悪化するようだと、本格的に景気減速に向かう可能性がありますので要注意です。
もう一つは、電力問題。南アの電力公社は前政権時代に電気料金を抑える一方、設備投資が見送られ、かなり厳しい状況にあります。現政権が立て直しを図っていますが、予算の問題もあってあまりうまくいっていません。
こうしたリスクを抱えてはいますが、基調はある程度しっかりしています。すでにこうしたリスクを織り込んだ状況で相場は動いてきていますので、状況の深刻化が無ければ、大きく崩れることは避けられるとみています。
ランド円は夏ごろまで現状の8.00円前後の推移とみています。長期的にも7円台の維持をみています。
FX各社の南アランド取引情報
会社名 | 買スワップ | スプレッド | 取引単位 | リンク |
91円 |
0.8銭 |
1,000通貨 |
||
90円 |
原則固定対象外 |
20,000通貨 |
||
90円 |
1.8銭 |
10,000通貨 |
||
80円 |
0.5銭 |
1,000通貨 |
||
80円 |
1.0銭 |
10,000通貨 |
||
74円 |
0.5銭 |
1,000通貨 |
||
70円 |
0.3銭 |
1,000通貨 |
||
69円 |
0.78銭 |
1通貨 |
||
69円 |
0.9銭 |
1,000通貨 |
||
68円 |
1.3銭 |
10,000通貨 |
||
63円 |
0.9銭 |
100,000通貨 |
||
50円 |
15.0銭 |
10,000通貨 |
||
50円 |
16.4銭 |
10,000通貨 |
||
14円 |
0.8銭 |
100通貨 |